入院してからの検査
11月28日。
私は病院に向かうのが嬉しくて堪らなかった。
11月18日の時点では入院せずに済ませられるのではと考える自分もいたが、翌週一週間で、私は自分の体がさらに重くなっていることと、今まで痛みを感じなかった両腿に微かな痛みを感じるようになってきていたのである。
一日でも早く治療したい。
何もしないで横になりたい。
そればかりだった。
しかしそうは問屋が卸さない。
先生はしっかり検査を入れておいてくれた。
①血液検査
②肺機能検査
ホースの中に息を吹き込む検査ですね。結果があまり良くなかったのか、やり方がよくわかりませんでしたか?なんて言われました。大きく息を吸うのも辛いぐらいだったので、体力が無くなっただけだと思いますよ、先生。
③心臓エコー
④上部消化管検査(胃カメラ)
胃の底に腫瘍らしきものあり。6月の胃カメラでは無かったもの。良性のものであると確信できるが、医師の指示により生検。
「多発性だから取っちゃって!悪性腫瘍じゃないと確認したい!」
担当医の部下のイケ面A君は、イケイケでドラマのように胃カメラ担当医師に指示していた。そして私は胃カメラ中なので、あらゆる人を呪っていた。11月30日に筋生検もしたけれど、やっぱ胃カメラが一番嫌いだ。
胃カメラ結果、生検した物はやっぱり良性問題なし。
しかしながら、食道がカンジタ炎となっていた。
※カンジタは普通に体に住まう常在菌ですので、HIV患者か老衰死手前の老人が日和未感染するというものです。
私の体は本気で弱っていたんだなあ。
⑤骨塩定量
ステロイドを使用すると副作用で骨粗しょう症になるため、飲む前の状態を確認する事が必要とのこと。
⑥筋肉生検
手術室にて、手術の同意書も書いたうえで行われましたよ。
生検ですので、筋肉と筋膜に麻酔がいっては無意味となります。
つまり、切開して筋膜に至るまでは麻酔がありますが、そこから先は感覚が生きている状態でメスが入りますよ、というものなのだ。
ここからここまでは無料ですが、ここから先は有料ですよ、そんな感じ。
本気で痛い、それ一言。
尖った鉛筆を腕に差し込まれて、それで肉を引き裂こうとされる、そんな痛みだった。
さて、この結果であるが、ステロイド治療が始まってしばらくしてからもたらされる事となった。
残念なことに、今の時点(2022/12/26)ではネガティブデータである。
医療用語においては、ネガティブは良い言葉である。
つまり、ポジティブであれば陽性ということで病気であるという事が出来るので悪い意味になるが、ネガティブだと陰性となるので良い意味になるということだ。
ただし私は難病申請を国にしていかねばならないので、結果がポジティブで無ければいけないのである。
「もしかして、私は膠原病でも多発性筋炎でもなかった、ですか?」
「多発性筋炎であるのは揺るぎませんし、この結果で治療方針が変わることもありませんのでそこは安心してください。」
「でも、筋炎ではないという結果ですよね?」
「まだ症状が進行していない場所の筋肉を採取してしまったようです。それで、筋炎の所見は得られないという結果になりました。これこそ本当のネガティブデータですね。」
そんな医療現場なアメリカンジョーク笑えねえよ!
「ですが大丈夫です。採取したもう一つは、東大のラボに送ってあります。そこに期待しましょう。それに、それがだめでも、私がちゃんと難病申請通してみせますからご安心ください。」
「せんせい、お頼み申します。」
それしか言えねえ。
そして東大ラボ行きの生検分については、まだ回答無しです。
⑦歯科検診
ステロイドが入ったら骨粗しょう症になるので、それ防止のお薬を月一で飲まなければいけなくなるのだ。
そしてその薬を飲んだ弊害として、顎の骨の壊死が起きる可能性がある。
よって、口腔環境を服用前に整える必要があるので、そのための診察であった。
私の歯は、かかりつけの歯科医によって昨年度中に全部のメンテナンスが終わったばかりだったので、治療必要箇所なし。気を付けていて偉いと褒められた。
「歯の裏側はもう少し丁寧に磨いてくださいね。」
歯並び悪いからさ、すいません。
以上の検査が終わり、12月1日、ようやく治療開始となった。
ステロイドを飲むだけの治療であるが、これが奇跡の薬だって言われるのを実感する事になる。