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愛煙家。  作者: 園田碧
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プロローグ

初めまして、園田碧ソノダアオイです。


初投稿は「ねぐせ。」というバンドの曲「愛煙家」を聞いて思いついた創作小説です。

完全創作は初めてなので、お手柔らかにお願いします…。


どうか読んで頂けると幸いです。

ナオヤ 「ねえ、聞いてる?サキちゃん」

サキ  「…………」


 狭い部屋に流れるのは、君の息とタバコの煙だけ

 君は僕に背中を向けて、ベランダでタバコを吸うんだ

 欲しい言葉を欲しい時にはくれないくせに、

      

サキ  「……()()()()にうるさいね、ナオくん」


 煙と僕に対しての毒は吐けるの。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇



ハルト 「ナオヤー!こっちこっち!」

ナオヤ 「ハル先輩!ここって……」


 高校の頃から仲がいいハル先輩に連れられたのは小さなライブハウス。あんまりバンドに興味がない僕は何故今日誘われたのか理由がわからない。


ナオヤ 「今日は誰のライブなんすか?」

ハルト 「うちの大学の軽音サークル。知り合いがいるから来たんだよ。んで、他のやつ誘おうと思ったら全員行けないって言うからー」

ナオヤ 「そこで僕を誘ったってわけですね」

ハルト 「そういうことー」


 ハル先輩の考えそうなことくらいすぐわかる。高校の時からの付き合いだし、卒業してからも仲良くしてるんだから。ライブハウスに入ると既に何人かいて、外とは違う熱気に溢れていた。


ナオヤ 「へー……意外とお客さんいるんですね」

ハルト 「まあ、結構有名だぞ?うちの軽音サークル。SNSでの活動もやってるし」


 ハル先輩からアカウントを見せてもらうと、確かにフォロワーは多くもなく少なくもない。まあ、これが多いのか少ないのかは僕にわからないけど。


ハルト 「っと……あった!これだよ。Eyelisアイリスって名前」

ナオヤ 「Eyelis……あの、」


 僕が話そうとすると周りが暗くなって、音楽が流れ始めた。


ボーカル 「僕の目を見て」


音は耳を貫いて、不思議な感覚に陥った。いつもなら五月蝿いと感じるはずなのに何故だろう。ベースの人が妙に魅力的だった。全身の血が急激に巡って、心臓がドクドクと鳴り響く。なんだ、この感覚は。知らない、僕はこんなにも熱中できることを。


ハルト 「な!すごかっただろ!」

ナオヤ 「はい……」


 ライブは二時間あったはずなのに時が過ぎるのは早い。あっという間に二十時を過ぎていた。謎の高揚感は静まることを知らず、まだ心臓は鳴っていた。


ハルト 「あ、サキ!お疲れ!」

サキ  「おっ。お疲れー」

ナオヤ 「…………」


 息を呑んだ。タバコを吸っている彼女━━━サキちゃんに。


サキ  「あれ、後輩?」

ハルト 「そそ。高校の時からの付き合いでさ、俺らの二個下のナオヤ!」

サキ  「……大丈夫?固まってるけど」

ナオヤ 「すっ……」

サキ  「す?」

ナオヤ 「好きです!」


 こんな爆発しかけの告白を了承してくれたサキちゃんには感謝しかないけれど、冷静になってみればとてつもなく恥ずかしい奴だった。

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