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招宴

誤字脱字報告ありがとうございます。それがきっかけで今更ですが「小説の書き方」を検索してみました。話の世界が広がって楽しくなりました。

部屋のドアをノックされ、目が覚める。

「はい。」返事をして体を起こすと読みかけの本が滑り落ちた。ドアが開き淡い水色のドレスに既視感を感じる。

「お兄様?」綾姫の声にはっとする。今から招宴に出席しなければならないというのに何を呆けているのだろう。

「ごめん。寝ぼけてた。」床に落ちた本を拾い上げると少し心配したような顔で覗き込まれる。

「寝不足ですか?大丈夫?」綾姫が近づくと甘い花のような香りがふわりと漂ってくる。髪を結いドレスを着ているところを見ると綺麗に着飾った姿を見せに来てくれたのだろう。

「ドレス似合ってる。」きれいな黒髪は丁寧に編み込まれ水色ドレスと同じ色のリボンで結われている。

「ありがとうございます。」頬を少し赤くさせ嬉しそうに微笑んでいる。年の割に落ち着いているのに褒められと気が緩むのだろう。そういう所は年相応に幼さを感じる。


会場の端で周囲の状況をうかがっていると聞き覚えのある声に呼びかけられる。

「こんにちは千花晴君。お嬢様は?」振り返ると高坂瑞樹がいた。

「綾姫は御爺様に呼ばれて、ここにはいない。」

「残念です。お嬢様のドレス姿見たかったのに。」先日試着した際、散々写真を撮ったドレスにもかかわらず何を見る必要があるのだろうか。

「見ていただろ。」

「こういう会場で見るとまた違うものでしょう?」

「そんなものか?」

「千花晴部屋のドアをノックされ、目が覚める。

「はい。」体を起こすと読みかけの本が滑り落ちた。ドアが開き淡い水色のドレスに既視感を感じる。

「お兄様?」綾姫の声にはっとする。今から招宴に出席しなければならないというのに何を呆けているのだろう。

「ごめん。寝ぼけてた。」床に落ちた本を拾い上げると少し心配したような顔で覗き込まれる。

「寝不足ですか?大丈夫?」綾姫が近づくと甘い花のような香りがふわりと漂ってくる。髪を結いドレスを着ているところを見ると綺麗に着飾った姿を見せに来てくれたのだろう。

「ドレス似合っている。」きれいな黒髪は丁寧に編み込まれ水色ドレスと同じ色のリボンで結われている。

「ありがとうございます。」頬を少し赤くさせ嬉しそうに微笑んでいる。年の割に落ち着いているのに褒められると気が緩むのだろう。そういう所は年相応に幼さを感じる。


会場の端で周囲の状況をうかがっていると聞き覚えのある声に呼びかけられる。

「こんにちは千花晴君。お嬢様は?」振り返ると高坂瑞樹がいた。

「綾姫は御爺様に呼ばれて、ここにはいない。」

「残念です。お嬢様のドレス姿見たかったのに。」先日試着した際、散々写真を撮ったドレスにもかかわらず何を見る必要があるのだろうか。

「見ていただろ。」

「こういう会場で見るとまた違うものでしょう?」

「そんなものか?」

「千花晴君はこういうの分かりませんよね。」俺じゃなくとも分からない気がする。

「そういえば今日はドレスなんだな?」瑞樹とは長い付き合いだが、ドレス姿を見たのは初めてかも知れない。新鮮な印象を受ける。

「似合ってますか?」ドレスの裾を持ち見せつけるように訊いてくる。

「似合うな。」長身の彼女によく似合うドレスだった。

「本当ですか?」驚いたような顔をしている。自分でも似合うと思って聞いたのではないのだろうか?

「うん。綺麗だと思う。」何を驚いたのだろう?意外な表情に笑ってしまう。

「千花晴君!そういうの勘違いしちゃうからほどほどにしてください。」笑われたのが恥ずかしかったのか顔が少し赤い。

「勘違いするようなところあった?綺麗なのは事実だし。」

「はいはい。私のドレス姿が美し過ぎて見惚れたってことですね。」ふざけたような口ぶりで笑っている。

「なんだよそれ?」こういった他愛無い内容で笑いあえる関係が心地いい。

「私が、千花晴君を好きだと言ったらどうします?」瑞樹が首をかしげると耳に付けたアクセサリーが首元で煌めき白い肌に目がいく。

「はぁ?何いきなり?」好きって?恋愛感情としてだろうか?そんな関係ではなかったはずだ。顔が熱を帯びるのを感じる。

「冗談です。折角なので踊っておきましょうか?」噴き出したように笑われる。またからかわれたようだが、驚き過ぎて平常心を保てない。

「ああ。」普段踊ることなどないのに断れなかった。瑞樹に振り回されている。こんな話をしたせいか向き合うと思わず目を逸らしてしまう。

「なんですかその顔?私のこと好きだったんですか?」反応を楽しむように質問を続けてくる。

「そういうわけじゃ。」

「それはそれで傷付きます。」上目使いで訴えてくる。普段の態度と違い過ぎてドキッとしてしまう。

「ちょっとそれ!」そういうからかわれ方は慣れていないのでこの辺でやめて欲しい。

「あはは。千花晴君の反応が面白くて。」子供の様に笑っている。

「からかうな。」つられて笑ってしまう。

「・・・あ」男性が瑞樹の方にぶつかり瑞樹がよろける。

「大丈夫か?」抱きとめて瑞樹を支える。

「失礼しました。お怪我はございませんか?」申し訳なさそうな謝罪から悪意がないことがうかがえる。

「気になさらないでください。いつもより少し高いヒールを履いたもので少し躓いただけです。」笑顔で対応しているが、足を少しかばっているような気がする。

「それじゃあ私はそろそろ失礼します。」くるりと背を向けて立ち去ろうとする。助けを求めることが苦手な瑞樹らしいが、少しは頼って貰いたい。

「さっきので足ひねったんだろ?」耳元で瑞樹に声をかけ腰に手を当てて支える。

「そういうことには気が付くんですね。」会場の隅のソファーに座らせ給仕に手当を頼む。

「頼れるだろ?」散々からかわれたが、頼れるところを見せつけておく。

「そうですね。・・・大切なお姫様が戦線離脱しちゃいましたよ。」瑞樹が見つめる先に目をやると綾姫の後ろ姿が見える。

「こういう場所が苦手だからな。」昔からこういったものに参加したがらず避けていたほどだ。

「あなたも大概ですね。早く行ってあげてください。」皮肉っぽく笑う瑞樹に手を振りその場を後にする。


御爺様から面倒な者が綾姫に近づかないように言われていた。

綾姫を見つけたもののすで河野森というの男とその息子と思われる20代後半の男に絡まれていた。河野森の息子は綾姫を気に入っているようで15近く年の離れた自分の息子と綾姫を婚約者にと躍起になっているらしい。河野森家も代々続く名家であるが、現当主は自己顕示欲が強く傲慢な男だ。その息子の方も甘やかされ育ったせいか父同様の性格の悪さと短気な性格を併せ持っているらしい。綾姫が手を握られ困ったような顔で笑みを浮かべている。

「お久しぶりです河野森様。」

「君もいたのか。」

「はい。子息様ですか?はじめまして。」息子の方にも挨拶しておくが、横目で睨みつけるように見られる。

「ああ。」息子の方は話の腰を折られたのが気に食わなかったのかむっとした表情になっている。手に力が入ったのだろう、綾姫が握られた手を見つめ顔をしかめている。

「子息様。手を放していただけますか?」手を振り解き綾姫を後ろで庇う。

「1曲を踊ろうと思っているのだが邪魔するつもりか?」あからさまに不快感を浮かべている。

「そうですか。彼女は踊りたくないかもしれませんけどね。」綾姫の扱いや自分のことしか考えていないような態度に腹が立つ。口調は気を付けたが、言葉を選べなかった。

「君にそんなことが分かるのか?」何を言ってもどうにもならなかっただろうが、怒りをあらわにしている。綾姫が前に出るのを止める。感情的なこの男に綾姫が何を言っても効果はないだろう。それどころか手を出しかねない。

「彼女が幼い頃から傍におりまりすので。」聞かれたことだけ返して、早めに綾姫をこの場から離した方がよい。

「世話係か?」馬鹿にしたように訊いてくる。幼い頃から見慣れた視線だ。綾姫への関心から俺への怒りに向いてきているのだろう。

「そうなります。」このような扱いに慣れているので、特に何も思わない。

「この場がどんな場なのかも分からないのか?世話係がくるような場ではないんだよ。常識も知らないのか?」嬉々として悪態をついている。こういったことが好きなのだろう。

「申し訳ございません。」彼に付き合うのは少し面倒ではあるが、このままこの場を離れるとプライドの高く短絡的なこの男のことだ、後を付いてきて綾姫に危害を加えるかもしれない。この趣味に少し付き合ってから、離れた方がいいだろう。

「君の行動で由緒ある家柄の杜若家に瑕がつくことも分からないのか?頭の下げ方も知らないのか?」こういうタイプは長引きそうだな、どうやったら傷付くか考え楽しんでいるのだろうか?嬉々とした様子がうかがえる。

「いい加減にしてください。彼は私の、杜若家の者です。」話し終えたタイミングで謝ればいいなと考えていると綾姫が間に入ってくる。

「孝明、もうやめなさい!」綾姫が声をあげたことで、今更になって息子を止めている。

「この身のほど知らずに礼儀を教えてやっているのに!」怒りが抑えられないのか、手を振り回し訴えている。穏便に済ませたかったがつい言い返してしまう。

「孝明様、ひと回りも年下の少女に鼻の下を伸ばし恥ずかしくないのでしょうか?無遠慮な態度に短気で気配りも出来ない。貴方のような方が綾姫に釣り合うとは思えません。時間が無駄なのでこれで失礼いたします。」こういうプライドばかり高い男は気が済むまで趣味に付き合ってやるか、反対に現実を突きつけて自尊心に傷を付け言い争う気力をそぐかどちらかで対応している。招待客にこのような振る舞いをしたくはなかったが、好意を持っていた綾姫が言い返したことで怒りの矛先が綾姫になりつつあった。


「ごめんなさい。嫌な思いをさせてしまいました。」先ほどのことだろうか?家格や血筋を重視する人が集まる場では同じような扱いをよく受けてきたので慣れている。えんじゅ家では血統の悪い婚外子という理由から隠されて育てられてきた。学校に通うどころか決められた場所以外に出歩くことも許されず「衣食住があるだけ幸せだと思え」祖父にはよくそう言われ疑問に思わず育った。綾姫の世話役として杜若家に来てからも今日のような場や学校などでは血筋を笑いものにされることも多く。元よりこんなことなんとも思わない。

「気にしていないよ。」杜若家に来て家族ができ学校に行き勉強し友人ができたことで多少考え方も変わった。しかしここでのこの扱いは変わらないことを知っている。

「でも私が上手く対応していればお兄様が、あんなこと言われることなかったのに!」何を言われようがどれだけ年を取ろうが変われないものは大勢いる。学んだからといってマナーや道徳心が身に着くものではない。気してやるだけ無駄だ。

「なんとも思っていないから。」

今回は「小説について」調べたからこそ、違和感や納得できない部分が多かったです。書き続けることでできなかった表現や言語化する術を身に付ける手段として、不完全な物と知りながらも投稿しました。アドバイスよろしくお願いします。

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[気になる点] 同じ内容が二回書かれている。 千花晴が瑞樹と話すまでとそれ以降の間に同じ内容が挟まってます。真ん中にある本編の誤字だけ報告しといたので最初と最後を削除すれば良いかと。
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