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吸血鬼物語り  作者: kurokuro
第一幕
6/14

ep カマキリ

短い。

長い長い夏休みも後半に差し掛かる。今ワタシは、黒笑と一緒に夏休みの宿題をしている。実のところ宿題をしていて分かったのだが黒笑は少々学力に劣りを感じる。まぁワタシからするからの話であって ≪吸血鬼≫ は十分だって言っていた、けれども、なぜだろうか。少し熱が入ってしまったのだ。そのおかげで黒笑は机の上で死にかけている。

「きついッス。さすがに、五時間ぶっとうしは。それに、教えるのが上手だから、解っちゃて、次々行っちゃうし。これ、もう、二学期の範囲全てやりました?」

「うん。一応。だけど、これだけじゃあ賢くはなれないよ? 復習に、復習。そうしたら、少しは点数上がると思うけど?」

「いや、だからって、ね? 全てやる必要あります?」

「ないけど?」

ケロリと言った。驚愕の事実という顔をしている。黒笑は本当にコロコロと顔が変わるね。

「はぁ。もう、うん。いいです。諦めます。あなたには、勝てないってことが分かりました。分からせられました。ん? 少し、日本語がおかしいッスかね?」

おかしい。大部おかいしい。噛んじゃた、心のなかで。

「それにしても、まさか、≪吸血鬼≫ と一緒に暮らしているなんて、思ってもなかったッス。ふ~ん。」

口と鼻の間に、鉛筆を挟みながら、飄々と言う。いや、聞いているのかな?

「まぁ、ね。いろいろとあったんだよ。」

「≪吸血鬼≫ はどこに行ったんスか?」

「さぁ依頼とか何だか行ってどっかに行っちゃたよ。朝早くに。」

五時くらい、と付け足して。

「忙しいんスね、ああ、見えて。」

皮肉だろうか? それとも、単なる感想だろうか?

「暇。」

右腕の肘を机にのせ右手で顎を抱えながら、言う。いや、あんたは、暇じゃなくてやることがあるでしょうが。

「夏休みも、もう終わりか~」

「なに、黄昏てんの? まだ、宿題を半分も終わらせてないのに。ほら、さっさと終わらせるよ。」

「夏休みが一日でも、増えたらな~なんて。」

「口に出して言わない。本当に起きそうな気がする。」

今までは、冗談。笑い半分。けれど、今は違う。≪怪≫ に触れたから、接した者が言うから、起きそうな気がした。実際には、そんなことは起きなかったけれど、一日という言葉に関することは起きた。それは、≪吸血鬼≫ がその日帰ってこなかった。そして、次の日になっても、丸一日帰ってこなかった。変わりに依頼人が来た。


第一話 一日

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