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第2話 異世界へようこそ

夜道、突然強盗に襲われ橋から転落してしまった

 頬を撫でる風、地面は硬いけど冷たくて気持ちがいい。顔に当たる光がまぶしくて思わず顔を背けた。もう少し眠っていたい。なんかとてつもなく疲れたから。でも地面で寝ているわけにもいかない。


 ……あれ?私なにやってるんだろう。ゆっくりと目を開けると目の前に土まみれの石畳が見えた。顔を上げて辺りを見回す。どのくらいここにいたのだろう、体が痛い。私は立ち上がって砂埃を払った。


 周囲には石と木で作られた家が立ち並んでいる。見たことの無い景色。私、夢を見ているの?ここでふと記憶がよみがえる。そういえば夜道を歩いていたら橋の上で強盗に襲われて突き落とされたんだっけ。かばんを狙っていたはずだがきっと顔を見られたと思ったのだろう。ということはまさかここは死後の世界では?!人って死ぬとこういう場所に来るの?ここは天国、それとも地獄。いやそのどちらでもない感じだ。


 とりあえず私は落ちいてた荷物を拾い上げた。中に入っている財布やスマホは無事だ。しかし圏外、当然つながるわけもない。途方に暮れ歩いていると向こうから人がやってきた。だれかいる、この事実に心が躍る。


「すいません、あの少しいいですか?」


 私が話しかけると男の人は驚いて少し警戒したような顔になった。服装は質素で茶色のシャツに布のズボン、ここはまったく別の世界なのかな?


「あの私突然ここに来てしまって。ここがどこだかわかりますか?」

「え、えっと……ここはリナサイド町だけど」


 リナサイド町?なにそれ聞いたこと無い。相手は私の姿を物珍しそうに眺めている。私の格好は仕事帰りのときのまま、パンツスーツにブラウスだ。上からカーデガンを羽織っている。


「リナサイド町?ちなみにここはなんていう国ですか?」

「国?ここら一帯はリナサイド領、その中心にある町だけど」


 領?ということはだれかが治めている場所ってことかな。とりあえず私が住んでいる場所とは全然違うところということはわかった。男の人はすごすごと遠回りして去っていった。さて、私はどうしようか。とりあえず周囲を散策してみることにした。


 行きかう人々に通る馬車、肉や魚が売っている市場、そしておどろいたのが剣や鎧のような武具?を売っていることだ。まるでゲームの世界に迷い込んでしまったみたいだ。もしかして私はゲームの世界へ飛ばされてしまったのだろうか?人って死ぬとゲームの世界に行かされるの?


 行きかう人々は私のことをまるで変人のようにじろじろと見てくる。気分のいいものではない。死後の世界というにはあまりにもリアルすぎる。歩けば疲れるしおなかもすいてきた。だんだんと日も沈んでくる。暗くなる前にどこか泊まれる場所を探さなくてはならない。

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