胃世界冒険者とドラゴン族
ドラゴンさんは、道端に落ちていた冒険者を箸でつまんでタレにつけて食べたあと、言葉を吐いた。
「んまぁい!やはり塩ダレだな!」
とまるごとごっくん、と冒険者を飲み込むと僕の胃袋に入った。
見事に胃袋の底に着地した冒険者は己の剣を鞘から引き抜き胃袋に刺して呟いた。
「まさか、胃世界に転生してしまうとは...。我ながらに失態をおかしてしまった」
そして、冒険者は胃袋の出口と入口からファイアーボールやアイスボールなどスキルを使った。
「なかなか、しぶとい胃袋だ、流石、ドラゴンの胃袋だな」
と言いながらスキルを使いまくった。
そのころ、ドラゴンさんは、兄貴ドラゴンさんと修行していた。
兄貴ドラゴンさんは、ドラゴンさんに話しかけた。
「そろそろ、冒険者が暴れている頃合いだろう。さぁ、口を開けて息を吐くように声をあげなさい。」
すると、弟ドラゴンさんは大きな声をあげながら息を吐いた。
がおー!
なんということでしょう。
口から炎が出てきました。
すると、兄貴ドラゴンが言いました。
「なかなか、筋がいいな!貴様が食べたのは優柔不断の勇者だが上手くコントロールができておる。
あと、勇者のMPと気力を保つため定期的に魔物を食べるのが秘訣だ。下剤は飲むなよ!さぁ、いくぞ!我が弟よ!新たな冒険の地へ」
と言って供に羽ばたいた。
上空に飛び立つと弟ドラゴンさんは兄貴に言いました。
「そういや...。 兄貴は、何食べたんすか?」
兄貴ドラゴンさんは言いました。
「にんにく」
すると、兄貴ドラゴンさんは大きく口を開き息を吐いた。
すると口から異様なまでの悪臭を解き放つと、腐った世界を殺菌してあげたのでした。