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最初の一歩

なんか色々と大変だった。

 開拓を始めるのはいいが、毎日が充実していた世界にいたがため、何をしたらいいか皆目見当もつかない。取り敢えず、雨風しのげる場所を作りたいところだが。作り方さえ分からない。


「佐々木さん、俺はこれから何をしたらいいんですか?」


「そうですね、取り敢えず木を伐りましょう。今回は、特別に斧を差し上げます。これでそこに生えている樫の木を伐ってみてください。あっ、危ないので一歩下がってください」


 言われた通り一歩下がった。すると今までいた位置に空から木製の斧が降ってきた。早速伐ってみた。意外と伐りやすかった。木製の割には切れ味が良く2、3回切込みを入れるだけで、簡単に木を伐る事が出来た。


「では、次に机の脚となる部分を作ってください。底面を一辺の長さが5㎝の正方形に、高さは50㎝位にしてください。これを4本作ります。そしたら机の上の部分を作ります。こちらは縦横ともに1m、薄さ2㎝に切ってください。終わりましたら、そのまま置いておいてください。あとはこちらで仕上げますので。因みに樫の木を使う為には、十分な時間乾かす必要があるのですが今回は乾いた状態にしてあります。今後はお気をつけ下さい」


 急に言われて、咄嗟に作業をできる人がこの世にいるだろうか。少なからず俺は無理だ。向こう(現実)では技術的なことを何一つして来なかったのだ。出来るはずがない。ましては向こうでは(のこぎり)という先人たちの努力の賜物があった。

 しかしここにはない。斧で作業しろということか。考えていても仕方がないやるか。


 それから3時間程かけて形の歪なそして長さのバラバラな4本の机の脚を作り終えた。

 一旦休憩を挟みつつ、上の部分をどう作るかを考えた。結局成り行きに任せることにした。

 素人の自分には難しかった。特に厚さを薄くする作業にかなりの時間を要してしまったが何とか完成した。

 トータルで7,8時間も掛かってしまった。その間に消費した林檎数2個。


「おーい、佐々木さん。完成しましたよ。形も歪ですし、長さもバラバラですけど大丈夫ですか?」


「はい、特に問題はありません。お疲れ様でした。後は、こちらで最後の仕上げを致します」


 すると、俺が作り上げた4本の脚が正方形に並び始めた。そして、その上に上部が重なり、発光した。暫くして、光が収まった。

 そこにあったのは、脚が真っ直ぐ伸び、長さの均一な台があった。さらに、その上には色々な作業道具が置かれていた。


「こちらは創作台となっております。ここでは、様々な物を作ることが出来ます。1つ注意して欲しいことが有ります。創作台は二度と作ることが出来ません。予めご了承ください。では、早速使い方をお教え致します。先ず、創作台を作るために使用した木の残りを台の上に置いてください。その後、台の上に置いてある、道具を使って加工して下さい。今回は、ナイフを想像してください。ナイフには柄の部分と刃の部分がある事をお忘れなく」


 言われるがままにやってみた。なんと、台の上には鋸があるではないか!最初から欲しかったものだ。まぁ、いい。これで少しは楽になるだろう。


 決して楽なんかではなかった。そもそもナイフの柄の部分とか言われてもわかるわけが無い。まじまじと見たことがないもの。何となく楕円形である事は覚えているのだが、そんなんでいいのか?


 それから試行錯誤し1時間後何とか両方作り終えた。すると、どうだろうか2つの部品が独りでに動き出すではないか!それらが合わさり1つのナイフと思しき物になった。恥ずかしながら断定は出来なかった。


「出来ましたか?・・・。ま、まぁ、最初ですからね。そんなもんですよ。経験を積む事によりしっかりとしたものになっていくので落ち込まないで下さい。何はともあれ、これで創作台を使えるようになりました。これでなんでも作ることが出来ます。基本的にはこれで道具を作り自分好みの世界を創って下さい。一通りの説明は以上になります。今後私から説明することはないと思います。もしご不明な点がありましたらお呼び下さい。では、良い開拓ライフを!」


 ・・・・・・。住み易そうな場所を探そっと。





今部を呼んで頂き有難うございます。


楽しんでいただけたでしょうか?


最近は便利なものが多いですよね。最初にこういうのを発明した方は本当に凄いと思います。


次話もお楽しみに!

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