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めくられるページ

 その夜、ダークミサキは廃墟に佇んでいました。その脇には一冊の本を手にした“イミテーションアキホ”がいました。

 イミテーションアキホがその本のページをめくると、その場に多数の暗黒闘士達が召喚されました。


 その頃、闇の神殿では闇の幹部達が集まっていました。

「ダークミサキ……奴は一体……?」ゼノが言いました。

「少なくとも、俺達とルーツは同じようだぜ?」ソリーサが言いました。

「奴は何故魔法使いの容姿を……?」ケミルが言いました。

「フン、ヤツが何者だろうと構わん。俺達は俺達の戦いをするまでだ。」シンが言いました。

「もうじき新たなエイリアンがこちらに到着する。」ゼノが言いました。

「だったらソイツに俺の最新兵器を試させてやろう。」シンが言いました。

「じゃ、ソイツがくるまでの間オレが盛り上げといてやるぜ。」ソリーサが言いました。


 その後、とある建物の屋上に佇むハルナの元にクローディアがやって来ました。

「ハルナ……。」クローディアが言いました。

「クローディア……?」ハルナがクローディアの方を向いて言いました。

「ダークミサキとかいうヤツについてなんだけど……。」クローディアが言いました。「アイツは一体何者なの?」

「私が知るワケ無いよ。」ハルナが言いました。「むしろ私があなたに聞く方が自然な気がする。」

「そっか……。」クローディアが言いました。

「と言うか、知らないの?」ハルナが言いました。

「知らない。」クローディアが言いました。「本人曰く闇の魔女の残滓を受け継いでるみたいだけど……。」

「闇の魔女……。」ハルナが言いました。

「前にあのミサキが戦っていた相手よ。」クローディアが言いました。

「ミサキさんが倒した相手の残滓からミサキさんそっくりのバケモノが生まれた……。」ハルナが言いました。

「ま、そういうことになるわね。」クローディアが言いました。

「……。」ハルナは考えました。

「いずれにせよ私が知りたいのはアイツが何を考えているのかよ。」クローディアが言いました。「同じ力から生まれた存在なのに、どうして私達と行動を共にしないのか……。」

「私が見る限りアイツの目的はあなた達と同じだと思うよ。」ハルナが言いました。「アイツもこの世界を滅ぼそうとしてる。」

「そうだとしても、気に入らないわね、私達を蔑ろにするなんて。」クローディアが言いました。

「私達と手を組んでみる?」ハルナが言いました。

「まだそこまで思い至ってはいないわ。」クローディアが言いました。

「そっか……。」ハルナが言いました。

「まあ、頑張ってね。」クローディアが言いました。


 とある通りに多数の暗黒闘士達が姿を現しました。

 そこへリンが駆けつけました。

「変身!」リンは変身してマジカルクローを手に暗黒闘士達と戦い始めました。

 圧倒的な数の暗黒闘士達を相手に一人で戦いを続けるリンの元にベルゼブラが姿を現しリンと共に戦い始めました。

「マジカルスクラッチ!」リンがマジカルクローで一体の暗黒闘士を倒しました。

 暗黒闘士達の数を確実に減らしていたリンとベルゼブラでしたが、それでも全ての暗黒闘士達を倒すことは難しく、暗黒闘士達に囲まれて追い詰められてしまいました。

「くっ……!」リンが言いました。

 近くの建物の屋上にハルナが姿を現しました。

「変身!」ハルナは変身してマジカルブラスターを撃ち、暗黒闘士を攻撃しました。

「お前は……!」リンが言いました。

「リンちゃん……!」ハルナはその建物から飛び降りて暗黒闘士達と戦い始めました。

「どうして私を……?」リンが言いました。

「確かに私とリンちゃんは敵同士だよね。でも、私にとってはこのバケモノ達の方が優先度の高い敵だから……。」ハルナが言いました。

「フン……。」リンは暗黒闘士達と戦い続けました。

 ハルナはマジカルブースターを起動して空を飛びました。

「マジカルブラスト!」ハルナは分身してから大きな魔法弾を放ち、残る暗黒闘士達を全滅させました。

 ハルナはリンの傍に着地しました。

「リンちゃん……。」ハルナが呟きました。

「むう……。」リンが呟きました。「私に仲間なんて必要無い。」

「分かってる。」ハルナが言いました。「私と戦う?」

「そちらが望むなら……。」リンが言いました。

「私はイヤだな。」ハルナが言いました。

「なら私もやめておく。」リンが言いました。

「うん。」ハルナはそう言って黙りました。

「仲間が欲しくないと言えば嘘になる。」リンが言いました。「でも、今更……。」

「難しいところだね。」ハルナが言いました。

「フン……。」リンがその場を離れていきました。ベルゼブラもその後を追って歩き出しました。

「孤独か……。」ハルナが呟きました。

「リンを救う方法、見つかったの?」カーターが姿を現して言いました。

「カーター……!?」ハルナが驚いた様子で言いました。「来てたワケ?」

「うん。今ね。」カーターが言いました。「リンと一緒だったみたいだけど……?」

「うん。でも、あの子の心の闇は私には難し過ぎるかも……。」ハルナが言いました。

「そっか……。」カーターが言いました。「それよりも、闇の力の気配がしたけど……。」

「うん。バケモノ達がうようよいたよ。」ハルナが言いました。「とりあえず全部やっつけたけど……。」

「ダークミサキ……?」カーターが言いました。

「そうかも知れない。」ハルナが言いました。

「アイツの正体を突き止めないとな……。」カーターが言いました。

「聞いた話だと、闇の魔女の残滓から生まれた存在らしいけど……。」ハルナが言いました。

「闇の魔女の残滓が何故ミサキの姿をしているのか……気になるね。」カーターが言いました。

「うん……。」ハルナが言いました。

「フフフフフ……!」そこへダークミサキが現れました。「私のことを知りたがっているみたいね。」

「ダークミサキ……!」カーターが言いました。

「教えてあげても良いわ。」ダークミサキが言いました。

「お前は一体……?」カーターが言いました。

「今から二年程前、魔法少女ミサキと闇の魔女-ダーク・エンプレスとの最終決戦が行われた。」ダークミサキが言いました。「結果は知っての通り。」

「ミサキがダーク・エンプレスを倒した。」カーターが言いました。

「そう。でも、ダーク・エンプレスの持つ闇の力はダーク・エンプレスの敗北後も完全に消えること無く残り続け、新たな闇の幹部達を生み出した。」ダークミサキが言いました。

「クローディア達のことだね。」ハルナが言いました。

「そしてアイツもその一人……。」カーターが言いました。

「しかし、私達を生み出したのはダーク・エンプレスの持つ闇の力だけじゃない。」ダークミサキが言いました。

「えっ……?」ハルナが言いました。

「どういうことだ?」カーターが言いました。

「あの決戦でダーク・エンプレスを倒したミサキの力……その魔力がダーク・エンプレスの持つ闇の力に影響を及ぼしていたの。」ダークミサキが言いました。

「なんだって……?」カーターが言いました。

「その為にミサキと同じ姿をしたこの私が生まれたのよ。」ダークミサキが言いました。

「そんなことが……!?」ハルナが言いました。

「でも、ミサキの持つ魔力が闇の力に影響を及ぼしたならばその邪悪さも抑制されるハズじゃあ……?」カーターが言いました。

「だから新たな闇の幹部達が活動を開始してから一年以上経つ今になってもこの世界は滅びていないのよ。」ダークミサキが言いました。

「そっか……クローディアが気まぐれなのって悪意が抑えられているからなんだ……。」ハルナが言いました。

「でも……私は違う。」ダークミサキが言いました。「姿こそミサキと同じこの私だけど、中身は一転して闇の魔女そのものなの。」

「えっ……?」ハルナが言いました。

「ヤツに関してミサキの魔力が影響を与えたのはその容姿だけで、心には影響を与えられていないってことか……!?」カーターが言いました。

「そういうこと。」ダークミサキが言いました。

「そうは言っても結局のところ今の今までこの世界を滅ぼしていないのはクローディア達と変わらない気もするけど……。」ハルナが言いました。

「ダーク・エンプレスもなかなかに物好きな人物だったらしいから……。」カーターが言いました。「どこからがミサキの影響でどこまでが闇の力の本質なのかというのはパッとは分からなさそうだよ。」

「そんなものか……。」ハルナが言いました。

「いずれにせよ私は闇の皇子のようにこの世界を滅ぼすことを躊躇したりはしないわ。」ダークミサキが言いました。

「闇の皇子……?」カーターが言いました。「今だボク達の前に姿を見せていない闇の幹部がいたのか……。」

「肩書からしてクローディアと同じ最高幹部……。」ハルナが言いました。

「フフフフフ……!」ダークミサキが不敵な笑みを浮かべました。

「何にしたってこの世界を滅ぼさせはしない。」ハルナが言いました。「あなたがこの世界を滅ぼすと言うのなら、私はあなたを倒してみせる!」

「果たしてあなたに私を倒せるかしら?」ダークミサキが言いました。

「気をつけた方が良い。アイツはミサキの姿とダーク・エンプレスの心を持ち、尚且つその両方の力を操ることが出来るみたいだ!」カーターが言いました。

「そうよ。」ダークミサキが言いました。「あなたも私の力をこれまで見てきたでしょう?」

「それでも私は……負けない!」ハルナが言いました。

「良いわ。今ここであなたの相手をしてあげるわ。」ダークミサキがそう言って杖を構えました。

 ハルナがマジカルブラスターを撃ちました。ダークミサキはハルナの放った魔法弾を杖で弾くと、杖の先端から暗黒弾を放って反撃を行いました。

 ハルナは横に走ってダークミサキの放った暗黒弾をかわしました。ダークミサキもハルナと同じ方向へ走り出しました。

 ハルナは走りながらマジカルブラスターを撃ってダークミサキに攻撃を仕掛けました。ダークミサキは杖でハルナの攻撃を防ぐと、再び暗黒弾で反撃を行いました。ハルナは前に転がりながらダークミサキの攻撃をかわしました。

「マジカルショット!」ハルナは魔法散弾を放ちました。

「くっ……!」ダークミサキは足を止めて暗黒の壁を生成してハルナの攻撃を防ぎました。「やるわね。」

「ハアーッ!」ハルナはマジカルブラスターを左手に持ってダークミサキに飛び掛かり、右手でパンチを繰り出しました。

 ダークミサキはハルナのパンチを左手で受け止めると、右手で杖を振って反撃を行いました。ハルナは姿勢を低くしてダークミサキの攻撃をかわしました。そしてハルナは左手に持っていたマジカルブラスターでダークミサキを叩こうとしましたが、ダークミサキは身を翻して後ろへと下がりその攻撃をかわしました。

「ダークボール!」ダークミサキが暗黒弾を放ちました。

「うわあああっ……!」ダークミサキの放った暗黒弾を受けたハルナが爆発と共に後退しました。

「フフフフフ……!私はあのミサキと同等の攻撃力を持っている。あなたがどれ程粋がったところで私を倒すことは出来ないわ。」ダークミサキが言いました。

「くうっ……!」ハルナが体勢を立て直しました。

「受けてみなさい、最強魔法少女の攻撃を!」そう言いながらダークミサキが杖を構えると同時に杖の先端に大きな暗黒の刃が生成されました。

「ダークエンド!」ダークミサキが大きな暗黒の刃をハルナに向けて振り下ろしました。

「うわああああああっ……!」ハルナは大きな暗黒の刃で切りつけられて地面に膝を突きました。

「うっ……!ううっ……!」ハルナは地面に膝をついたまま呻きました。

「あなたに勝ち目は無いわ、ハルナ。」ダークミサキが言いました。「降参サレンダーしなさい。そうすればこれ以上苦しまずに死ぬことが出来るわ。」

「ハルナ……!」カーターが叫びました。

「ううっ……!」ハルナがよろめきながら立ち上がりました。

「ん……?」ダークミサキが言いました。

降参サレンダーはしない!」ハルナが言いました。「たとえどんなに追い詰められようとも、魔力が尽きるまで私は戦うよ!」

「フフフッ、さすがね。」ダークミサキが言いました。「でも諦めなかったところであなたに私を倒せるかしら?」

「くっ……!」ハルナが言いました。

「確かに……ヤツがミサキの力を持っているのならこの状況でハルナが勝つことは困難だ……。」カーターが言いました。「でも、ハルナなら……!」

 ハルナがマジカルブースターを起動しました。

「ムダよ!」ダークミサキが言いました。「ダークボール!」

 ハルナはミサキの放った暗黒弾を瞬間移動でかわしました。

「な……!」ダークミサキが驚いた様子を見せました。

 空中へと移動したハルナがミサキに向けてマジカルブラスターを構えました。

「ああっ……!」ダークミサキがハルナの方を向きました。

「マジカルブラスト!」ハルナが大きな魔法弾を放ってダークミサキを攻撃しました。

 ハルナの放った大きな魔法弾がダークミサキへと飛んでいき、爆発しました。

「よし……!」ハルナが言いました。

 しかし、その爆発が収まった時、そこにダークミサキの姿はありませんでした。

「そんな……!」ハルナが言いました。

「これは……!」カーターが言いました。「この能力は……!」

「ハアーッ!」その瞬間、ダークミサキがハルナの背後に姿を現し、杖でハルナを叩きました。

「うあっ……!」ハルナはそのまま落下し、地面に叩きつけられました。

「ハルナ……!」カーターが叫びました。

「フフフフフッ……!」地面に着地したダークミサキが不敵な笑みを浮かべました。

「私はさっきの攻撃の瞬間、隠された能力を発動させて貰ったわ。」ダークミサキが言いました。

「もしアイツがミサキと同じ力を使えるのだとしたら、その隠された能力は……。」カーターが言いました。

「一時的にこの世界から自身の存在を消し去り、相手の攻撃を回避する。」ダークミサキが言いました。「これであなたの攻撃は無効になったワケ。」

「くうっ……!」ハルナは地面に倒れ込んだままダークミサキを見つめました。

「それだけじゃない……!」カーターが言いました。「アイツはその能力によって消え去った自分自身を戻す際、元いた場所とは別の場所を選択している!」

「そう!この能力は相手の攻撃を回避するのみならず次なる攻撃への布石とすることも出来るの!」ダークミサキが言いました。

「攻防に渡ってスキが無い……!これがミサキの力……!」カーターが言いました。

「これで終わりよ、ハルナ!」そう言ってダークミサキが杖を構えました。

「ハルナ……!」カーターが叫びました。

「ううっ……!」ハルナは必死に体を動かそうとしましたが、どうすることも出来ませんでした。

「ダークストリーム!」ダークミサキがハルナに向けて暗黒線を放ちました。

 その瞬間、ミサキが姿を現し、マジカルロッドを構えました。

「マジカルウォール!」ミサキが魔法の壁を生成してダークミサキの放った暗黒線を防ぎました。

「な……!」ダークミサキが言いました。「あなたは……!」

「ダーク・エンプレス、これ以上あなたの好きにはさせないわ!」

「ミサキ……さん……!」ハルナが言いました。

「ハルナちゃん、大丈夫……!?」ミサキが言いました。

「ミサキ……!」ダークミサキが言いました。

「今度こそ決着をつけましょう、ダーク・エンプレス!」ミサキが言いました。

「悪いけど、私はダーク・エンプレスでは無いわ。」ダークミサキが言いました。「私はダークミサキ、闇の魔女とは似て非なるものよ。むしろあなたに近い存在なんじゃ無いかしら?」

「そんなことは無い!」カーターが言いました。「お前は姿こそミサキに似ているものの、本質はダーク・エンプレスそのものだ!お前とミサキこそ似て非なるものだろう?」

「どっちでも良いわ。」ダークミサキが言いました。「いずれにせよ、今日は力を使い過ぎたわ。あなたとの決着はまた今度よ。」

「逃げるつもり?」ミサキが言いました。

「あのアキホのイミテーションを生み出した上に隠された能力まで発動するなんて、少々欲張りだったわね。」ダークミサキが言いました。

「アキホ……?あのアキホか……!」カーターが言いました。

「さっきのバケモノはアキホちゃんのニセモノが……?」ハルナが呟きました。

「厄介なことになってきたぞ……。」カーターが呟きました。

「逃がしはしないわ!」そう言ってミサキがマジカルロッドを構え直しました。

 次の瞬間、無数の暗黒闘士達が姿を現し、ミサキの前に立ちはだかりました。ミサキがそれらの暗黒闘士を全滅させている間にダークミサキはその場から姿を消してしまいました。

 ハルナがよろめきながら立ち上がりました。

「大丈夫、ハルナちゃん?」ミサキが言いました。

「はい……。」ハルナが言いました。「それよりも、アイツが……。」

「ええ、そうね。」ミサキが言いました。「でもいずれ決着をつけるわ。」

「その時は私も戦います。」ハルナが言いました。

「ありがとう、ハルナちゃん。」ミサキが言いました。「ハルナちゃんがいてくれると、心強いわ。」

「いえ!」ハルナが言いました。

 こうしてこの日もハルナは仲間と共に世界の平和を守ったのでした。

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