正義の魔法少女
登場人物
ハルナ：どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。さらに“マジカルブースター”によって高度な魔法の発動も出来る。
カーター：ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。
ミサキ：ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。
キャサリン：ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。
サクラ：政府の組織に所属する魔法少女。ハルナの使用する物よりも高い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の自立安定一輪車“マジカルユニサイクル”を乗りこなす。
プラトン：サクラのパートナーであるカモノハシの容姿を持った妖精。冷静沈着で口数は少ない。
アオイ：かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。
ハナコ：ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。
ブラックナイト：漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……？
クローディオ：闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。
クローディア：闇の皇女。蛇腹剣“ブレーデッドウィップ”で戦う。
ソリーサ：闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。
ケミル：闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。
ゼノ：闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。
その日、ハルナはとある路地でシオンと会っていました。
「この町でまた失踪事件が増え続けていることを受け、また新しい魔法少女が配属されることになった。」シオンが言いました。
「そうなんですか……。」ハルナが言いました。
「君にその魔法少女と行動を共にして貰いたい。」シオンが言いました。
「えっ……？」ハルナが言いました。「どうして私が……？」
「それは……その……。」シオンが言いました。「君が最適だと判断したからだ。」
「でも、私は政府の人間じゃありませんし……。」ハルナが言いました。
「これまでずっと協力してきてくれただろう？」シオンが言いました。
「でも……。」ハルナが言いました。「これはなんかちょっと違う気が……。」
「ダメか……？」シオンが言いました。
「ダメって程じゃ無いですけど……。」ハルナが言いました。「ただ、どうして私なんだろうなって……。」
「君なら上手くやれる、私はそう信じているからだ。」シオンが言いました。
「まるで他の人じゃ上手くやれないみたいな言い方にも聞こえますけど……。」ハルナが言いました。
「まあ、モモなら上手くやれるかも知れないが……な……。」シオンが言いました。
「サクラちゃんじゃダメなんですか？」ハルナが言いました。
「出来ないことは無いと思う……おそらく……。」シオンが言いました。
「うーん……。」ハルナが言いました。「ツバキさんならどうです？」
「断られた。」シオンが言いました。「アイツなら上手くやれると思ったんだが……。」
「なるほど……。」ハルナが言いました。
「やってくれるか？」シオンが言いました。
「まあ、良いですよ。」ハルナが言いました。「具体的に何をすれば良いのかは分かりませんけど……。」
「一緒に行動してくれれば構わない。」シオンが言いました。
「はあ……。」ハルナが言いました。
その後ハルナは別の路地でカーターと会って、シオンの頼みについて話しました。
「なるほどね……。」カーターが言いました。「政府もこの町の問題を解決するべく頑張ってるワケだね。」
「でも、おかしくない？」ハルナが言いました。「どうしてその子の面倒を私が……？」
「そりゃ、ハルナはこの町での経験が豊富だし、それにどっちかと言うともう殆ど政府の人間みたいなもんじゃん。」カーターが言いました。
「いや、私はあくまで民間人として魔法庁と接してきたつもりだけど……。」ハルナが言いました。
「どうだろうね？」カーターが言いました。
「ええ……。」ハルナが困ったように言いました。
「でも、ハルナに声が掛かったのはただ単に仲間だからってワケでも無さそうな気がするな……。」カーターが言いました。
「そうでしょ？」ハルナが言いました。
「ボクの分析によると、魔法庁の人間は殆どが真面目でどこか無機質な感じの印象を受けるんだ。」カーターが言いました。
「何となく分かる気がする。」ハルナが言いました。
「人間味に欠けるんだよね。」カーターが言いました。
「女子力が低い！」ハルナが言いました。
「その言い方が適切かどうかは分からないけど、まあ、そんなところだよ。」カーターが言いました。
「うんうん。」ハルナが言いました。
「その一方で、ごく一部にそう言ったタイプとは真逆の方向に振りきれちゃってる人がいる気がするんだ。」カーターが言いました。
「分かる分かる！」ハルナが言いました。「結論から言っちゃうと、普通の人って全然いないよね！」
「いや、ちょっと真面目なだけの一応普通の範疇に入る人もいる気がするけど……。」カーターが言いました。「とにかく、魔法庁の人達は概ね真面目なタイプとおどけるタイプの二種類に分かれてると思うんだ。」
「と言うか、サイボーグ工場でたまに不良品が出来てる感じ？」ハルナが言いました。
「多分、その喩えに則ると不良品の方が優等生という逆説が生じる可能性があるけど……。」カーターが言いました。
「とにかく、この話に関する結論を言ってよ。」ハルナが言いました。「要するに、ふざけた子の面倒を押し付けられるんじゃないかって言いたいの？」
「言われちゃった……。」カーターが言いました。「ボクがロジカルに話を進めていたのに……。」
「私はマジカルだからね。」ハルナが言いました。
「とりあえず、どんな子が来るか分からないから、気をつけた方が良いと思うよ。」カーターが言いました。
「端からそのつもりだよ。」ハルナが言いました。「さっきも言ったけど、政府の人間なんてどっちにしたって普通じゃないんだから……。」
そこへ一人の少女がやって来ました。
「お待たせしました！」その少女が言いました。「あなたがハルナさん、ですよね？」
「えっと……。」ハルナが言いました。
「その子じゃない……？」カーターが言いました。
「えっと……私がハルナだけど……。」ハルナが言いました。
「ナツメです！」その少女が言いました。「ご存知ですよね！？」
「えっと……。」ハルナが言いました。「多分……。」
「良かった！」ナツメが言いました。「探してたんですよ？」
「よくここが分かったね……。」ハルナが言いました。
「政府を甘く見ないでください。」ナツメが言いました。
「まさか、監視を……？」ハルナが言いました。
「いえ、頑張って見つけ出しただけです。」ナツメが言いました。「もし仮に政府が国民の生活を監視してたとしても、私にはその情報は知らされません。」
「そう……だね……。」ハルナが言いました。
「まあ、ちょっと活発な感じだけど、普通に真面目な良い子なんじゃない……？」カーターが言いました。「案外政府の人達がニガテにしそうなタイプかもね。」
「うん……。」ハルナが言いました。「やっぱり私ももう政府の人間なのかも……。」
「さあ、行きましょう！」ナツメが言いました。
「えっ、どこへ……？」ハルナが言いました。
「捜査ですよ！捜査！」ナツメが言いました。「この町の住人達を次々に消し去っている存在の正体を突き止めるのです！」
「えっと……どうやって……？」ハルナが言いました。
「どうやって、と言いますと……？」ナツメが言いました。
「何か手掛かりとかあるの……？」ハルナが言いました。
「私を試してるんですね！？」ナツメが言いました。「良いでしょう！お見せしましょう、私の実力の一端を！」
「ええ……。」ハルナが困ったように言いました。
「闇の勢力がこの町で活動を行う場合、大概は大規模な破壊活動が行われます！」ナツメが言いました。
「うん。」ハルナが言いました。「でも、今回は違うね。」
「そうなのです！」ナツメが言いました。「闇の勢力の活動にも例外というものが存在するのです！」
「つまり……？」ハルナが言いました。
「ホムンクルスです！」ナツメが言いました。「闇の力によって生み出されたホムンクルスは例外的に隠密で人を襲う傾向があるのです！」
「確かに……。」カーターが言いました。
「この町で失踪者が増えているのは、この町で暗躍するホムンクルスの数が増加しているからと考えられます！」ナツメが言いました。「よって、この問題を解決する為にはホムンクルスの討伐を行う必要があると考えられるのです！」
「なるほど……。」ハルナが言いました。
「まあ、初歩的な予測だね。」カーターが言いました。
「で、どうやってホムンクルスを減らすの……？」ハルナが言いました。
「それは、パトロールをするのです！」ナツメが言いました。「パトロールをしてホムンクルスを見つけ出すのです！」
「そりゃ大変だ……。」カーターが言いました。
「パトロールって何度かやったことあるけど、結構しんどいよ……？」ハルナが言いました。
「正義の為なのです！」ナツメが言いました。「正義の為なら頑張れるハズです！」
「もし多数のホムンクルスが同時に動いているのなら、一体くらいは簡単に見つけられるんじゃないかな？」カーターが言いました。
「うーん……。」ハルナが言いました。
「尤も、仮にホムンクルスの活動が活発になっているとして、その理由が思い当たらないけど……。」カーターが言いました。「最初の活動以来、そこまで大した動きを見せていなかったのに……。」
「正義に理由が要らないように、邪悪にも理由は要らないのです！」ナツメが言いました。「もし理由があったとしても、それは後から考えれば良いことなのです！」
「まあ、そうかも……。」カーターが言いました。
「それじゃあ早速行動を開始しましょう！」ナツメが言いました。
「ちょっと待って……！」ハルナが言いました。
「何ですか？」ナツメが言いました。
「どうせなら夜まで待たない？」ハルナが言いました。「傾向からしてこの時間じゃまだホムンクルスは活動してないと思うよ。」
「なるほど……。」ナツメが言いました。「その考えは正しいと思われます。」
「うん。」ハルナが言いました。
「それでは今夜、改めて落ち合いましょう。」ナツメが言いました。
「そうだね。」ハルナが言いました。「この場所で良い？」
「良いですよ。」ナツメが言いました。「この場所はそこまで待ち合わせに相応しい場所とは言えませんけど……。」
「う、うん……。」ハルナが言いました。
その日の夜、ハルナとカーターはその路地でナツメと会いました。ナツメは手に魔法の短機関銃を持っていました。
「それじゃあ早速パトロールを始めようか。」カーターが言いました。
「闇の力の気配は感じられるの？」ハルナが言いました。
「うん……なんだか強大な力を感じるよ。」カーターが言いました。
「どこら辺から……？」ハルナが言いました。
「分からないや……。」カーターが言いました。「ただ、とにかく感じられるんだ。」
「うーん……。」ハルナが言いました。
「かくなる上は、足で稼ぐしかありません！」ナツメが言いました。「行きましょう！」
「うん。」ハルナが言いました。
その通りで長刀を持ったホムンクルスが通行人を倒していました。そこへハルナ達がやって来ました。
「あ……！」ハルナがそのホムンクルスを見て言いました。
「見つけました！」ナツメが言いました。「ホムンクルスです！」
「フン……。」そのホムンクルスがハルナ達を見て構えました。
「行くのです！」ナツメが言いました。
「変身！」ハルナとナツメが変身しました。
そのホムンクルスがハルナとナツメに襲い掛かりました。ハルナとナツメはそのホムンクルスの振る長刀をかわしていきました。
「ハアッ！」ナツメが魔法の短機関銃を撃ちました。
「フン……！」そのホムンクルスが怯みました。
「ハアッ！」ハルナがそのホムンクルスを蹴りました。
そのホムンクルスはハルナの攻撃を受けて怯みながらもすぐに体勢を立て直して長刀を振りました。ハルナとナツメはそのホムンクルスの攻撃を受けて転倒しました。
「くうっ……！」ハルナが立ち上がりました。
「フン！」そのホムンクルスが立ち上がったナツメに向かって走り、長刀で突いて後ろに押していきました。
「うあっ……！」後退したナツメが壁に押さえつけられました。
「ハアッ！」ハルナがマジカルブラスターでそのホムンクルスの背中を撃ちました。
そのホムンクルスがハルナの方を向きました。ナツメが体勢を崩しました。ハルナがマジカルブラスターを構え直しました。
「フン！」そのホムンクルスがその場から走り去りました。
「あっ……！」ハルナがそのホムンクルスを追いかけようとしましたが、すぐに見失ってしまいました。
「逃げられました……。」体勢を立て直したナツメが言いました。
「うん……。」ハルナが言いました。
近くの建物の屋上に一体の魔人がいました。その魔人はそのホムンクルスを見失ってその場から離れていくハルナ達を黙って見降ろしていました。
ハルナ達は待ち合わせ場所にした路地に戻って来ました。
「今日のところはこんなもんじゃないかな。」カーターが言いました。
「私としたことが……。これは大きな失態です！」ナツメが言いました。
「えっ……？」ハルナが言いました。
「私達が今日、あのホムンクルスを取り逃がしたせいで、さらなる犠牲者が出てしまうことでしょう！」ナツメが言いました。
「こういう日もあるよ。」ハルナが言いました。「次に頑張ろう。」
「まだ終わりじゃ無いのです！」ナツメが言いました。「ここから体勢を立て直して、今夜中にあのホムンクルスを倒すのです！」
「今からー……？」ハルナが言いました。
「はい！」ナツメが言いました。「正義の為ならそれくらいの苦労、何ともないハズです！」
「カーターはどう思う？」ハルナが言いました。
「そうです！あなたはどう思うのですか！？」ナツメが言いました。
「ボクに振ったね？」カーターが言いました。「だったら言ってあげるよ。ナツメの言う通りだ。」
「えーっ……！？」ハルナが言いました。「私を裏切るつもり、パートナーなのに……！？」
「パートナーなのに、この話題をボクに振ったじゃん。」カーターが言いました。
「そりゃそうだけど……。」ハルナが言いました。
「政府からの仕事を軽い気持ちで受けるからこうなるんだよ。」カーターが言いました。
「貴重なご意見をどうも。」ハルナが言いました。
「もっと助けて貰いたい？」カーターが言いました。
「ちゃんと助けてくれる？」ハルナが言いました。
「モチロンさ。」カーターが言いました。
「じゃあ助けて。」ハルナが言いました。
「さっきのホムンクルスが近くにいる。」カーターが言いました。「気配を感じるんだ。」
「おお！」ナツメが言いました。
「要するに、探し回る必要は無いってこと？」ハルナが言いました。
「今ならね。」カーターが言いました。
「よし。」ハルナが言いました。「行こう。そしてこの任務を終わらせよう。」
「今度こそ邪悪な闇に正義の鉄槌を下すのです！」ナツメが言いました。
ハルナ達はとある廃工場へとやって来ました。
「ここにアイツが……？」ハルナが言いました。
「ハッキリとは分からないけど、物凄い近くだ。」カーターが言いました。
「もっと具体的に教えてよ……。」ハルナが言いました。
「もう長い付き合いなのにここでそれを言うワケ？」カーターが言いました。
「そりゃあ言えるタイミングがあるならガンガン言ってかないと……。」ハルナが言いました。
「確かに、お互い思っていることをちゃんと言えるのがパートナーだよね。」カーターが言いました。「政府のパートナーにも言ってあげたら？」
「それは……。」ハルナが言いました。「遠慮しとく……。」
「私に何か言いたいことがあるのですか？」ナツメが言いました。
「えっと、ほら、その……。」ハルナが言いました。
「何なんです？」ナツメが言いました。
「ついてけないんだ。」ハルナが言いました。
「おお、言ったね。」カーターが言いました。
「君のその、元気過ぎるところに……。」ハルナが言いました。「私の元気が追いついていけないんだよ。」
「そういうことでしたか……。」ナツメが言いました。
「でもその、落ち込まないで。決して君がダメって言ってるワケじゃないから……。」ハルナが言いました。
「さて、気まずくなってきましたよ。」カーターが言いました。
「助けてくれるんじゃ無かったの？」ハルナがカーターが言いました。
「ボクにはこれ以上具体的なアドバイスは出来ないよ。」カーターが言いました。
「うわ……！」ハルナが言いました。
「まあ、良いでしょう。」ナツメが言いました。
「えっ……？」ハルナが言いました。
「私について来られない人はいっぱいいます。」ナツメが言いました。「あなたなら大丈夫だと思っていたのですが……。」
「うう……。」ハルナが言いました。「どうすれば良いか教えてよ、カーター。」
「彼女の期待に応えるんだ。」カーターが言いました。「今からでも遅くない、きっと。」
「いやあ、ナツメちゃん……！」ハルナが言いました。「今のは冗談だよ！」
「えっ……？」ナツメが言いました。
「ナツメちゃんが私のことどう思ってるのか知りたくて、カマをかけてみたんだ！」ハルナが言いました。「ホラ、私達って何となく気が合いそうじゃん？」
「おお、そういうことだったのですか！」ナツメが言いました。
「そういうことだったのです！」ハルナが言いました。
「戦いを目の前にしてお互いの友情を確かめ合うことが出来ました！」ナツメが言いました。
「そうなのです！」ハルナが言いました。
「これで私達はもう負けません！」ナツメが言いました。
「ゼッタイ勝つのです！」ハルナが言いました。
「とりあえず、ボクに出来ることはやってあげたよ。」カーターが呟きました。
「フン！」そのホムンクルスが入口から姿を現しました。
「とうとう姿を現しましたね！？」ナツメが言いました。「行くのです！」
「変身！」ハルナとナツメが変身しました。
「フン！」そのホムンクルスが走り出しました。
ハルナとナツメは向かって来たそのホムンクルスと戦いました。そのホムンクルスが長刀を振り回してハルナとナツメを攻撃しました。
「うあっ……！」ハルナがそのホムンクルスの攻撃を受けて転倒しました。
「フン！」そのホムンクルスが長刀でナツメを突きました。
「うわああっ……！」ナツメがふっ飛ばされて地面に倒れ込みました。
「くうっ……！」ハルナがよろめきながら立ち上がりました。
「フン……。」そのホムンクルスがハルナの方を向いて長刀を構え直しました。
「こうなったら……！」そう言ってハルナがマジカルブースターを起動しました。
「ン……！？」そのホムンクルスが言いました。
ハルナがそのホムンクルスに向かって走り出し、パンチやキックを浴びせました。そのホムンクルスが長刀を振ってハルナに反撃を仕掛けましたが、ハルナは瞬間移動でそのホムンクルスの背後に回り込みました。そのホムンクルスがハルナの方に振り返りながら長刀を振って攻撃を仕掛けましたが、ハルナはそのホムンクルスの攻撃を受け止めると、そのままそのホムンクルスを投げ飛ばしました。
「フン……！」そのホムンクルスがよろめきながら立ち上がりました。
ハルナがマジカルブラスターを構えました。
「フン！」そのホムンクルスがハルナに向かって走り出しました。
ハルナは再び瞬間移動でそのホムンクルスの背後に回り込むと、振り返ったそのホムンクルスに向けて背中を向けたままマジカルブラスターを撃ちました。
「ウアッ……！」そのホムンクルスが怯みながら後退しました。
ハルナがそのホムンクルスの方を向きながらマジカルブラスターを放り、フェイタルアーツを発動しました。
「……！」ナツメがハルナの戦いを見て驚いた様子を見せました。
そのホムンクルスは怯んだままよろめいていました。
「マジカルキック！」ハルナがそのホムンクルスに跳び蹴りを浴びせました。
「ウアアアアアアアアッ……！」そのホムンクルスはハルナの攻撃を受けてそのまま爆発しました。
その頃、サクラとシオンが時計塔で話をしていました。
「調査の方はどうなっている？」シオンが言いました。
「どうやら今この町で起きている事件はソリーサによるものである可能性が高いです。」サクラが言いました。
「なるほど……。」シオンが言いました。
「世界の平和の為にもこの町で暗躍するソリーサのしもべを見つけ出し、必ず倒します。」サクラが言いました。
「ああ。」シオンが言いました。「頼んだぞ。」
その魔人は通りに佇んでいました。
その魔人の傍には大勢の人々が倒れており、それらの人々は倒れたまま消滅していきました。
ハルナ達はとある建物の屋上で話をしていました。
「作戦は終了しました！」ナツメが言いました。
「うん。」ハルナが言いました。
「ありがとうございました、ハルナさん！」ナツメが言いました。
「別に、大したこと無いよ。」ハルナが言いました。
「いいえ、スゴかったです！」ナツメが言いました。「ホントにカッコ良かったです！」
「そうかな……？」ハルナが言いました。
「ホントにホントなのです。」カーターが言いました。
「カーター……。」ハルナが言いました。
「それで私、思ったのです。」ナツメが言いました。
「えっ……？」ハルナが言いました。
「まだまだ修行が足りないって……。」ナツメが言いました。
「ナツメちゃん……。」ハルナが言いました。
「だから私、この町を出ていきます！」ナツメが言いました。
「えっ……？」ハルナが言いました。「来たばかりなのに……？」
「はい！」ナツメが言いました。「他所の町で経験を積み、魔法少女としての腕を磨くのです！」
「そうなんだ……。」ハルナが言いました。
「さようなら、ハルナさん！お世話になりました！」そう言ってナツメはその場から去っていきました。
「行っちゃったね。」カーターが言いました。
「また戻って来るかな？」ハルナが言いました。
「そんなワケ無いじゃん。」カーターが言いました。
「やっぱりそう思う？」ハルナが言いました。
「そう思うのです！」カーターが言いました。
「バカみたい！」ハルナが言いました。
「要するに、ハルナみたいってことだね！」カーターが言いました。
「あっ……！」ハルナが言いました。「言うようになったね……！」
「まあ、ボクはハルナ程ガンガンは言わないつもりだけど、ちょっとくらいは言わないとね、パートナーだから。」カーターが言いました。
「私としては、私から一方的に言うだけの関係を求めてるんだけど、まあ、ちょっとくらいなら許してあげるよ。」ハルナが言いました。
「うん。」カーターが言いました。
「でも気をつけて。あんまり言うと、殺すよ？」ハルナが右手の親指と人差し指を伸ばしてその人差し指をカーターの方へと向けました。
「その時は逃げるよ。」カーターが言いました。
「フッフッフッ……。」ハルナが言いました。
こうしてハルナはこの日も仲間と共に世界の平和を守ったのでした。
