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決起

登場人物

ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。さらに“マジカルブースター”によって高度な魔法の発動も出来る。

カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。

ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。

キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。

サクラ:政府の組織に所属する魔法少女。ハルナの使用する物よりも高い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の自立安定一輪車“マジカルユニサイクル”を乗りこなす。

プラトン:サクラのパートナーであるカモノハシの容姿を持った妖精。冷静沈着で口数は少ない。

アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。

ハナコ:ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。

ブラックナイト:漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……?


クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。

クローディア:闇の皇女。蛇腹剣“ブレーデッドウィップ”で戦う。

ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。

ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。

ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。

 その日、ミサキはティーハウスでハーブティーを味わっていました。ミサキはとても穏やかな表情でカップに口をつけていました。

 その隣のテーブルではサクラがプティングを口に運んでいました。

「プディングの味は食べてみなければ分からないと言いますが、ここのはアタリです。」徐にサクラが言いました。

 ミサキはちらりとサクラの方を見ました。

「プディングが好きなの……?」ミサキはとりあえず言ってみました。

「まあ、それなりには……。」サクラが言いました。「やっぱり食べるなら中華の方が良いとは思いますけど……。」

「そう。」そう言ってミサキは会話を終わらせようとしました。

 するとサクラはミサキと同じテーブルに移動しました。

「探しましたよ、ミサキさん。」サクラが言いました。

「えっ……?」ミサキがきょとんとして言いました。

「魔法庁のサクラと言います。」サクラが言いました。

「魔法庁……。」ミサキが言いました。

「この町の東側で大変なことが起こっています。」サクラが言いました。

「そう……。」ミサキが言いました。「何が起こっているの?」

「闇の勢力による破壊活動です。」サクラが言いました。

「それで……。」ミサキが言いました。「何が言いたいの?」

「力を持ちながら戦いから逃げることは許されません。」サクラが言いました。「あなたは闇の勢力からこの世界の平和を守らなければなりません。」

「……。」ミサキは黙っていました。

「政府の為には戦えませんか?」サクラが言いました。「それなら、ハルナさんの為ならどうです?」

「ハルナちゃん……。」ミサキが呟きました。

「あなたが共に戦ってあげるべき人です。」サクラが言いました。「私も、ハルナさんの力になりたい。」

「あなたも……?」ミサキが言いました。

「ええ。」サクラが言いました。「一緒に行きましょう。ハルナさんが待っています。」


 その頃、町の東側ではゾンビ達で溢れ返っていました。D-ウイルスによって大勢の人々がゾンビになってしまったのです。まだゾンビになっていない僅かな人々が逃げ惑う一方で、大量のゾンビ達が通りを徘徊していました。


 町の東側にあるとある建物の一室にハルナはいました。

 変身したハルナに向かって一体のゾンビが歩いていました。ハルナはマジカルブラスターを構えてそのゾンビを睨みつけていました。

「来ないで……!」ハルナが言いました。

 そのゾンビはハルナのクラスメートでした。

「撃つよ……?」ハルナが言いました。

 次の瞬間、一発の魔法弾が飛んできてそのゾンビが倒れました。

「大丈夫……?」マジカルワンドを手にしたアオイが姿を現しました。

「アオイさん……。」ハルナが言いました。

「元気が無いわね。どうしたの?」アオイが言いました。

「彼女、知り合いで……。」ハルナが言いました。

「ああ……。」アオイが言いました。「辛いでしょうね。」

「まあ、少しだけ……。」ハルナが言いました。

「それにしても酷い状況よね。」アオイが言いました。「まさに非常事態って感じね。」

「私が……。」ハルナが言いました。「私が引き起こした事態です。」

「敵の狙いがあなただったとしても、あなたは悪くないわ。」アオイが言いました。「どの道世界を滅ぼそうとしてる連中よ。」

「はい……。」ハルナが言いました。

「とにかく、敵の計画を阻止して世界の平和を守るわよ!」アオイが言いました。

「はい……!」ハルナが言いました。


 ツバキの研究所にシオンが来ていました。

「町が大変なことになっているというのに、こんなところに何しに来たんだい?」ツバキが言いました。

「お前が電話に出ないからわざわざここまで来たんだろうが……。」シオンが言いました。

「じゃあ質問を変えようか。」ツバキが言いました。「どうして部下達を放って私と電話なんかするんだい?」

「お前の助けが要るからに決まっているだろうが。」シオンが言いました。

「おいおい、せっかくのプランはどうした?」ツバキが言いました。「こうなることを予測して事前に対策を考えていたんハズだろう?」

「ここまでの事態は手に負えない。」シオンが言いました。

「魔法庁もまだまだだな。」ツバキが言いました。

「とにかくお前の助けが必要だ。」シオンが言いました。「今すぐ手を貸せ。」

「嫌だね。」ツバキが言いました。

「何……?」シオンが言いました。

「私は君の部下じゃない。」ツバキが言いました。

「世界が滅びるぞ。」シオンが言いました。

「そうならない為に君がしっかりする必要があるんだろう?」ツバキが言いました。「私の助けが必要になるなら、根回しくらいしっかりするべきだ。」

「助ける気は無いのか?」シオンが言いました。

「報酬次第だな。」ツバキが言いました。

「何だと……?」シオンが言いました。

「この研究所に五千万円を回して貰おうか?」ツバキが言いました。

「五千万も……何の為に……?」シオンが言いました。

「研究の為じゃない。」ツバキが言いました。「君の勉強の為だ。」

「フン、良いだろう。」そう言ってシオンがマジカルテックモバイルを取り出し、変身アプリを起動しました。

「ん……?」ツバキが言いました。

「変身!」シオンが変身し、ツバキを壁に押さえつけました。「とにかく、来い……!」

「分かった分かった……。」ツバキが両手を上げながら言いました。「五十円にまけとくよ。」

「フン。」シオンがツバキから離れました。

「悪かったよ。」ツバキが言いました。「君が頑張ってるのはちゃんと知ってる。でも、君ならもっと上手くやれると思ってたんだ。」

「そうか……。」シオンが言いました。「じゃあ、許そう。」

「嬉しいね。」ツバキが言いました。

「我々の他に警察庁の連中も動いているようだが、それでも事態は悪化し続けている。」シオンが言いました。「これ以上被害が広がる前に何とかしなければ、この町は終わりだ。」

「まあ、魔法局の連中が動いたところで事態は何も変わらないだろうさ。」ツバキが言いました。

「どうせ行くなら派手に行こう。」そう言ってツバキが歩き出しました。

「ん……?」シオンが言いました。


 シオンとツバキが別の部屋へとやって来ました。その部屋は電気がついておらず真っ暗でした。

「フフフ……!」ツバキが不敵に笑いながら部屋の明かりをつけました。

 ツバキの持つマジカルテックモバイルが音楽が鳴り出すと同時に一台の魔法の車が露わになりました。その車には荷台があり、その荷台には機銃が取り付けられていました。

「変身!」ツバキが変身しました。

「フッ……。」シオンが言いました。

「前にハルナ達に調達して貰ったピックアップトラックをテクニカルに改造しておいた。ソイツで現場に繰り出すぞ。」ツバキが言いました。

「ああ。」シオンが言いました。


 その頃、ミサキとサクラは町の東側に辿り着いていました。

 その通りは半壊しており、至るところに死体が転がっていました。

「酷い状況ね。」ミサキが言いました。

「今のところ被害はこの付近で食い止められていますけれども、先へ進めばもっと酷い光景が目に映ると思いますよ。」サクラが言いました。

「そうね。」ミサキが言いました。

 ミサキとサクラは先へと進んでいきました。

 ミサキとサクラは戦っている隊員達を見つけて立ち止まりました。

「彼らは……?」ミサキが言いました。

「警察庁の特殊部隊です。」サクラが言いました。

「警察の……?」ミサキが言いました。

「警察庁も裏で闇の勢力への対抗策を考えているんですよ。」サクラが言いました。「尤も、私達にとっては迷惑な話ですけどね。」

「手を組めば良いじゃない。」ミサキが言いました。

「少なくとも、向こうにその気があるとは思えません。」サクラが言いました。

「あなた達はどうなの?」ミサキが言いました。

「どうでしょうね?」サクラが言いました。

「難しいのね。」ミサキが言いました。

「はい。」サクラが言いました。

 その隊員達の前に一体のアンデッドが立っていました。顔にマスクを着け、右腕に鉤爪を装着し、胴体にベルトと弾帯を巻いたそのアンデッドはゼノが用意した生物兵器第十号“リボルト”でした。

 リボルトはその隊員達の撃つ魔法の短機関銃の弾丸をものともせずにその場に立っていました。

「ウウ。」リボルトは徐に弾帯から絵の描かれている闇のアイテム“ダークテックバイアル”を取り出し、ベルトのバックルに差し込みました。するとベルトのバックルから“ブレイブ”の電子音声が鳴りました。

 さらにリボルトがバックルに取り付けられたレバーを引くと、“レボリューション”の電子音声と共にレボルトの体が炎に包まれました。

「ウアアッ!」炎を纏ったリボルトが地面の上を滑りながらその隊員達に向かっていき、鉤爪でその隊員達を倒しました。

 ミサキとサクラは黙ってその様子を見ていました。

「ウッ……!」リボルトがミサキとサクラに気付きました。

「ウアアアアアッ!」リボルトが叫びながら身構えました。

「来るわ……!」ミサキが言いました。

「行きましょう!」サクラが言いました。

「変身!」ミサキとサクラが変身しました。


 ハルナとアオイはその建物から出ました。

 その通りは多数のゾンビ達が徘徊していました。

「行くわよ。」アオイが言いました。

「はい。」ハルナが言いました。

 ハルナがマジカルブラスターで一体のゾンビを撃ちました。そのゾンビはふっ飛んで転倒しました。しかし、そのゾンビはすぐに立ち上がってハルナ達に向かって歩き出しました。

「マジカルブラスターが効かない……!」ハルナが言いました。

「相手はゾンビよ、そう簡単にはいかないわ。」アオイが言いました。

「ですよね。」ハルナが言いました。

「フッ!」アオイがマジカルワンドを構えると同時にマジカルワンドの先端に魔法の刃が生成されました。

「ハアーッ!」アオイが走り出し、魔法の刃でゾンビ達を次々と切りつけ、倒していきました。

「マジカルショット!」ハルナが魔法散弾を放って複数のゾンビ達をまとめてふっ飛ばしました。

 魔法散弾によってふっ飛ばされたゾンビが立ち上がろうとしました。

 ハルナはマジカルブラスターを放ると、フェイタルアーツを発動しました。

「マジカルキック!」ハルナは跳び蹴りで立ち上がったゾンビ達をまとめて倒しました。

 その通りにいたゾンビ達が全て倒されました。

「やったわね。」アオイが言いました。

「はい。」ハルナが言いました。

「この調子で行くわよ。」アオイが言いました。

「はい。」ハルナが言いました。


 ミサキとサクラがリボルトと殴り合っていました。

「ウアアッ!」リボルトが大きく右腕を振って鉤爪でミサキとサクラを攻撃しました。転倒したミサキとサクラはそのまま地面の上を転がりました。

「くっ……!」サクラが立ち上がりました。

「マジカルロッド!」同様に立ち上がったミサキがマジカルロッドを召喚しました。

「マジカルボール!」ミサキがマジカルロッドの先端から魔法弾を放ってリボルトを攻撃しました。

「ウアッ……!」ミサキの攻撃を受けてリボルトが怯みました。

「ハアーッ!」サクラが走り出し、怯んだリボルトに右ストレートをお見舞いしました。

「ウアアアッ……!」リボルトが後退しました。

「よし!」サクラが言いました。

「いえ……。」ミサキが言いました。

 すぐさま体勢を立て直したリボルトが鎖の絵が描かれたダークテックバイアルを取り出し、鉤爪に差し込みました。それと同時に“チェイン”の電子音声が鳴り、さらにリボルトが右腕を突き出すと同時に鉤爪が伸びてサクラに直撃しました。

「うわああっ……!」サクラが転倒しました。

「ウアアアッ!」リボルトがベルトのレバーを引きました。

「マズいわ!」そう言ってミサキが走り出しました。

「ウアアアアアアアッ!」炎を纏ったリボルトが立ち上がろうとするサクラに向かっていきました。

「マジカルウォール!」サクラの前に立ったミサキが魔法の壁を発生させてリボルトの攻撃を防ごうとしました。

 リボルトは魔法の壁にぶつかった状態で魔法の壁を壊そうとしました。

「くうっ……!」ミサキはマジカルロッドを構えたまま魔法の壁が壊されるのを防ごうとしました。

 次の瞬間、魔法の壁とリボルトとの間で爆発が起こりました。魔法の壁は壊れ、ミサキとサクラはふっ飛ばされて近くを流れていた川へと落下していきました。

「ウアッ……。」その川を見下ろしたリボルトは、そのままその場から離れていきました。


 その頃、一台の魔法の車がゾンビ達を跳ね飛ばしていました。その車の運転席にはツバキが乗っており、さらにその車の荷台には機銃を構えたシオンが乗っていました。

 シオンが機銃を撃ってゾンビ達を倒していきました。

「これならすぐにカタがつくだろう。」ツバキが言いました。

「いや……。」シオンが呟きました。

 次の瞬間、ヴァーミナス兵達が乗った数台の闇の車がシオンとツバキの乗る車に近づいてきました。

「何だ、アイツらは?」ツバキが言いました。

 それらの車の荷台からヴァーミナス兵達が短機関銃を撃ってシオンとツバキを攻撃し始めました。

「敵だ。」シオンが言いました。

「アイツら、銃まで使うのか……!」ツバキが言いました。

「だが、攻撃力はこちらの方が上だ!」そう言ってシオンが機銃を構えました。

「いや、さすがに数の差はデカい。総攻撃力ならヤツらの方が上だぞ!」ツバキが言いました。

「だったら攻撃を受けないように運転しろ!」シオンが言いました。

「やってみる!」ツバキが言いました。

 ツバキの運転する魔法の車が数台の闇の車に追われながら通りを走っていきました。シオンが機銃から放つ魔法弾によって闇の車が次々と爆発していきましたが、次から次へと新たな闇の車が近づいてきました。そしてヴァーミナス兵達の攻撃によってその魔法の車はどんどん傷ついていきました。

「もっとスピードを上げろ!」シオンが言いました。

「やってるよ!」ツバキが言いました。

「十秒以内に次のカーブを抜けるんだ!」シオンが言いました。「さもなければこの機銃の弾丸をお前の頭に撃ち込むぞ!」

「そんなことしてる暇があったら敵を撃てよ!」ツバキが言いました。

 その魔法の車がカーブを曲がった先では通りに停められた闇の車が道を塞いでいました。

「何……!?」ツバキがブレーキをかけて魔法の車を止めました。「バリケードだ!」

 通りに止められた闇の車の後ろからヴァーミナス兵達が短機関銃を撃ち始めました。さらに後ろからやって来た闇の車も止まってその中からヴァーミナス兵達が短機関銃を撃ち始めました。

「何をしている!?」シオンが言いました。「あの程度、強行突破すれば良かっただろう!?」

「ムチャ言うなよ!」ツバキが言いました。

「後ろは私が何とかする!」そう言ってシオンが機銃を撃ちました。「お前は前を何とかしろ!」

「はいはい……!」そう言ってツバキはマジカルテックライフルを手にその魔法の車の運転席から転がり出ました。

 シオンの攻撃により後ろに停められた闇の車が次々と爆発していきました。

 ツバキがロケットアプリを起動させたマジカルテックモバイルをマジカルテックライフルに接続しました。

 ツバキが魔法ロケット弾を発射して前に停められた車をふっ飛ばしました。

「まあ、ざっとこんなもんさ。」ツバキが言いました。

 後ろからさらなる闇の車が近づいてきました。

「運転を代わる。」そう言ってシオンがその魔法の車の運転席に乗り込みました。

「はいはい、分かったよ。」そう言ってツバキがその魔法の車の荷台に乗りました。

 シオンがその魔法の車を走らせました。


 ハルナとアオイが通りを進んでいました。その通りにゾンビはいませんでした。

 その通りに一体のアンデッドが佇んでいました。ハルナとアオイはそのアンデッドの背後で立ち止まりました。

 右腕にチェーンソーが取り付けられたそのアンデッドは機械と生物を組み合わせて作りだされた実験体“マーダー”でした。

 マーダーがハルナとアオイの方へ振り返りました。

「アイツは……?」アオイが言いました。

「えっと……。」ハルナが言いました。

「ウアアアアアアアッ!」マーダーが右腕を振り上げてハルナとアオイに向かって走り出しました。

 マーダーがハルナとアオイに向かって右腕を振り下ろしたその瞬間、二人はそれぞれ左右に転がってマーダーの右腕をかわしました。

「アイツの攻撃を受けたらひとたまりも無いわ!」アオイが言いました。

「アイツ、ロボットとアンデッドが融合してるんでしょうか!?」ハルナが言いました。

「分からないわ!」アオイが言いました。

「クローディアはシンとイオの力を組み合わせてこの世界を滅ぼそうとしてるんですよ!」ハルナが言いました。

「とにかくアイツを攻撃するわよ!」そう言ってアオイがマジカルワンドを構えました。

「はい!」そう言ってハルナがマジカルブラスターを構えました。

 ハルナとアオイが同時に魔法弾を放ってマーダーを攻撃しました。二人の攻撃を受けたマーダーは怯みながらも右腕を振り回して周囲を破壊し始めました。

「マジカルボール!」アオイが魔法弾を放ちました。

 アオイの放った魔法弾はマーダーの振り回す右腕に直撃して弾かれました。

「くっ……!」アオイが言いました。

「いったん距離を取って様子を見ましょう!」ハルナが言いました。

「そうね!」アオイが言いました。

 ハルナとアオイは後退りしながらマーダーの様子を窺いました。マーダーは右腕を振り回しながらゆっくりと二人に近づいていきました。

「壊れてるわね。」アオイが言いました。

「きっと失敗作なんですよ。」ハルナが言いました。

「このまま放っておいても倒せるかしら?」アオイが言いました。

「アンデッドなら壊れててもそう簡単には倒れてくれなさそうですけど……。」ハルナが言いました。

 ハルナ達が交差点に出ると、横から一台のバスが走って来ました。

「えっ……?」ハルナが言いました。

「飛び乗るわよ、ハルナ!」アオイが言いました。

 ハルナとアオイはジャンプしてそのバスの上に乗りました。

「ウアッ……!」マーダーも右腕を振り回すのを止めてジャンプしました。

 ハルナとアオイはそのバスの上でマーダーと対峙しました。

「しつこいわね……。」アオイが言いました。

「それにしても、この状況でバスが走ってるなんて……。」ハルナが言いました。

「きっと運転してるのはゾンビよ。」アオイが言いました。「振り落とされないように気をつけなさいね。」

「はい……!」ハルナが言いました。

「ウアアアアアアアッ!」マーダーが右腕を振り上げながらハルナとアオイに向かって走り出しました。

 ハルナとアオイはスライディングでマーダーの脇を抜けてその背後へと回り込みました。

「こんな狭い場所でどうやってアイツと戦えば良いんでしょう!?」マジカルブラスターを構えながらハルナが言いました。

「何とかしてアイツを落とすのよ!」アオイが言いました。

「ウアッ!」マーダーがハルナとアオイの方へと振り返りました。

「行きますよ!」ハルナが言いました。

「ええ!」アオイが言いました。

 マーダーが右腕を振り上げた瞬間、ハルナがマジカルブラスターを撃ちました。

「ウアッ……!」ハルナの攻撃を受けてマーダーが怯みました。

「ハアーッ!」アオイがマーダーに向かって走り出しました。

「ハアアッ!」アオイがマーダーを蹴りました。

「ウアッ……!」アオイに蹴られてマーダーがそのバスの上から落ちました。

 地面に叩きつけられたマーダーはそのままそのバスの下敷きになりました。その瞬間、そのバスは大きく揺れて、ハルナとアオイは身を低くして落ちないように踏ん張りました。

「やったわね。」そのバスの下敷きとなり地面に倒れ込んだまま動かなくなったマーダーを見ながらアオイが言いました。

「はい。」ハルナが言いました。


 その頃、シオンとツバキはその魔法の車で闇の車から逃げていました。

 ツバキが機銃を撃って闇の車を爆破していきました。シオンは猛スピードでその魔法の車を走らせました。

「飛ばし過ぎだ!」ツバキが言いました。

「ヤツらを振り切るにはこれくらい必要だ。」シオンが言いました。

 闇の車はその魔法の車に引き離され、それ以上近づいて来なくなりました。

「フッ。」シオンが言いました。

「前……!前……!」ツバキが言いました。

 交差点をそのバスが横切っていました。

「何……!?」シオンが言いました。

「アオイさん……!」ハルナが言いました。

「マズい……!」アオイが言いました。

 次の瞬間、その魔法の車がそのバスに激突しました。横転の瞬間、アオイはその魔法の車の方へとジャンプしました。ハルナも後に続こうとしましたが、その瞬間にそのバスが横転しハルナは転倒してしまいました。

「うわああああああっ……!」ツバキはその魔法の車の荷台からふっ飛ばされてそのバスの方へと飛んでいきました。そしてそのままそのバスの上を飛び越えていきました。

 さらに次の瞬間、そのバスが爆発炎上しました。


次回へ続く!

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