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ハザードブレイク

登場人物

ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。

カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。

ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。

キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。

サクラ:政府の組織に所属する魔法少女。ハルナの使用する物よりも高い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の自立安定一輪車“マジカルユニサイクル”を乗りこなす。

プラトン:サクラのパートナーであるカモノハシの容姿を持った妖精。冷静沈着で口数は少ない。

アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。

ハナコ:ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。

ブラックナイト:漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……?


クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。

ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。

ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。

ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。

 人の心を持ったアンデッド“シアー”がとある病院を襲いました。シアーの目的は人間に戻ることであり、その為に魔力を持った人間を探していたのでした。

 その病院へと乗り込んだハルナは先に乗り込んでいたサクラと共にシアーと対峙しました。

 かつての経験からシアーが火を恐れていることを見抜いたハルナは魔法火炎弾でシアーを退けることに成功するものの、そのことに怒ったシアーはハルナ達への復讐を誓ったのでした。

 そしてハルナ達を援護すべく、アオイもその病院へと足を踏み入れたのでした。


 その病院の入口には内側に向けて火炎放射器が設置されていました。

「これは一体……?」その火炎放射器を見てアオイが呟きました。「中の人達を外に逃がさないようにする為のトラップ……?」

 ひとまずアオイは外側からその火炎放射器を止めて建物の中へと入りました。

 建物の中では白い液体によって固められたヴァーミナス兵達がいました。

「コイツらは……あの時の……。」ヴァーミナス兵の姿を見てアオイが言いました。「どうして固められているの……?」

 次の瞬間、エレベーターの扉が開きました。

 アオイはそのエレベーターに乗りました。すると勝手にそのエレベーターのドアが閉まり、そのエレベーターは別の階へと移動していきました。


 アオイはそのエレベーターが止まった階で降りました。

「誘っているのね。」アオイが呟きました。「良いわ。乗ってあげる。」

 アオイはその階を探索しました。その階もまた白い液体によって固められたヴァーミナス兵達が並んでいました。

 アオイは一人の魔法少女が歩いていくのを目にしました。

「あの子は……。」アオイが呟きました。「まさか……。」

 アオイはその魔法少女の後を追いました。すると階段に行き当たりました。下の階へ続く階段は崩れており、上の階にしか行けなくなっていました。

「上へ行ったのね。」そう言ってアオイは階段を上りました。


 その頃、ハルナとサクラは別の階を探索していました。

 二人は話しながら廊下を歩いていました。

「タチバナ……?」サクラが言いました。

「うん。」ハルナが言いました。「そう名乗る子に助けられたんだ。」

「魔法庁にタチバナという魔法少女がいましたが、行方不明になったそうです。」サクラが言いました。「既に死亡していると思われていましたけど……。」

「それじゃああの子は……。」ハルナが言いました。

「その人について詳しいことは私も分かりませんが、まだ生きていたなら驚きですね。」サクラが言いました。

「それにどうしてこんなところにいたんだろう?」ハルナが言いました。「医者を目指してたのかな……?」

「患者だったのかも知れませんよ。」サクラが言いました。

「そっちの方が可能性が高いのかな……?」ハルナが言いました。

「何とも言えませんね。」サクラが言いました。

 そこへ無数のヴァーミナス兵達が姿を現しました。

「またか……!」そう言ってサクラがバールを構えました。

「任せて、サクラちゃん!」そう言ってハルナがマジカルブラスターを構えました。「マジカルフレイム!」

 ハルナの放った魔法火炎弾によりヴァーミナス兵の一体が倒れました。

「威力が減ってる……?」サクラが言いました。「シアーがダメージを受けたことでその影響力が減っているのかも知れませんね。」

「いずれにせよ炎が弱点ってワケじゃ無くなったってことか……。」ハルナが言いました。

「そのようです。」サクラが言いました。「来ますよ、ハルナさん!」

「うん!」ハルナが言いました。「援護して、サクラちゃん!」

「はい!」サクラが言いました。


 アオイは屋上へと上がりました。そこにはアオイが追いかけていたその魔法少女が佇んでいました。

「やっぱり……。」アオイが言いました。「イチゴね。」

「あなたは……。」イチゴがアオイの方を見て言いました。

「まだ退院していなかったのね。」アオイが言いました。

 イチゴはかつてアオイの尋問を受けた後、その病院に入院していたのでした。

「お湯の中に入れられて、パートナーも失って、私の傷はもう一生癒えないよ。」イチゴが言いました。

「あなたの傷が癒えないのはあなたの心が弱いからだわ。」アオイが言いました。

「えっ……?」イチゴが言いました。

「人生ってのは凡そ挫折の繰り返しよ。辛いことがあっても挫けずに頑張る意志が必要なのよ。」アオイが言いました。

「ムリだよ……!」イチゴが言いました。

「私があなたに酷いことをしたことについては今ここで改めて謝罪するわ。許して。」アオイが言いました。

「謝らないで……!」イチゴが言いました。「謝って貰っても……私にはどうすることも出来ない……!」

「あなたならきっともう一度やり直せるわ。」アオイが言いました。「生きてここから脱出するのよ。」

「出来ない……!」イチゴが言いました。

「もう、しっかりしなさい。」アオイが言いました。

「あなたは何も分かってない……!」イチゴが言いました。

「分かってるわよ。」アオイが言いました。「あの場にいたんだから……。」

「そうじゃないよ……!」イチゴが言いました。

「えっ……?」アオイが言いました。

「アイツが……!シアーとかいう子が私の体にウイルスを投与したの……!」イチゴが言いました。

「何ですって……!?」アオイが言いました。

「私だけじゃない……ここにいる人、全員に……。」イチゴが言いました。

「でも、あなたは魔法少女よ。闇のウイルスには耐性があるわ。」アオイが言いました。

「ムリだよ。」イチゴが言いました。「私の魔力はとっくにゼロなんだ。」

「魔力ゼロ……?」アオイが言いました。「変身して戦っているのに……?バケモノ達が固まってるのはあなたの仕業なんでしょ?」

「うん……。」イチゴが言いました。「魔力はゼロだけど、何故か魔法が使えるんだ。ううん、魔法なんかじゃない。これはきっとウイルスの力なんだよ……!」

「そんな……!」アオイが言いました。

 そこへシアーが姿を現しました。

「あなたは……!?」アオイが言いました。

「シアー……!」イチゴが言いました。

「あなたが……シアー……!?」アオイが言いました。

「まさかD-シアーに適合する者がいたとは……。」シアーが言いました。「どうやら火傷に対するトラウマが私のウイルスとの適合性を高めたようだな。」

「なるほどね……。」シアーの姿を見ながらアオイが言いました。

「だが、私が必要としているのはD-シアーの適合者では無い。」シアーが言いました。

「私達が必要としているのはあなたの最期よ、シアー。」アオイが言いました。「これ以上好き勝手はさせないわ!」

「無駄だ。」シアーが言いました。「誰も私を止められない。」

「うあああっ……!」イチゴが苦しみだしました。

「イチゴ……!?」アオイが言いました。「どうしたの……!?しっかりしなさい……!」

「どうやらここまでのようだ。」シアーが言いました。「D-シアーの適合者はD-シアーの持つ闇の力を魔力のように扱うことが出来る。しかしそれも一時的なものに過ぎない。たとえ適合者であっても十分な魔力を持たない者は最終的に自我を失い暴走を始める。」

「何ですって……!?」アオイが言いました。「それじゃあ……!」

「私を止めたくばまずはソイツを止めてみることだ。」そう言ってシアーは姿を消しました。「フフフフフフフフ……!」

「うわああああああっ……!」イチゴの体から闇のクリームが溢れ出し、イチゴの体を包んでいきました。

「そんな……!」アオイが言いました。

 闇のクリームはどんどんかさを増し、そして巨大な怪人へと姿を変えました。

「私を殺す気だね?」怪人化したイチゴが言いました。「そうはさせないよ!」

「やめなさい、イチゴ!」アオイがマジカルワンドを構えながら言いました。「自分を取り戻すのよ!」

 イチゴが腕を振り下ろしてアオイに攻撃を仕掛けました。アオイは横に転がってイチゴの攻撃をかわしました。

「マジカルボール!」アオイがマジカルワンドの先端から魔法弾を放ってイチゴを攻撃しました。

「うわっ……!」アオイの攻撃を受けてイチゴが怯みました。

「フッ!」アオイがマジカルワンドを構え直すと同時にマジカルワンドの先端に魔法の刃が生成されました。

 イチゴの腕をかわしながらアオイはイチゴに接近し、イチゴを連続で切りつけました。

「うわあああっ……!」イチゴが叫びながら腕を振ってアオイをふっ飛ばしました。

「うああっ……!」アオイが地面の上を転がりました。

「くっ……!」アオイがよろめきながら立ち上がりました。

 イチゴがアオイに向けて腕を伸ばしました。

「フッ!ハアッ!」アオイがジャンプしてイチゴの腕の上に乗り、そこからさらにジャンプしてマジカルワンドを振り上げました。

「マジカルスラッシュ!」アオイが魔法の刃でイチゴを切りつけました。

「うわああああああっ……!」アオイの攻撃を受けてイチゴはゆっくりと倒れました。

 イチゴの体を覆っていた闇のクリームが解け、解けた闇のクリームが徐々に消滅し始めました。

「イチゴ……!イチゴ……!」アオイが闇のクリームの中からイチゴを引っ張り上げました。

「うっ……!ううっ……!」イチゴが呻き声を上げました。

「大丈夫……!?しっかりして……!」アオイが言いました。「ゴメンなさい……!こんなことになって……!」

「私の心が弱かったせい……。」イチゴが言いました。「あなたは悪くない……。」

「イチゴ……!」アオイが言いました。

「行って……シアーの元へ……。」イチゴが言いました。

「分かったわ。」アオイが言いました。


 その頃、その病院のエントランスにツバキが来ていました。

「なるほど……。」辺りの光景を見てツバキが呟きました。「これはヤバいかも知れないな……。」

 次の瞬間、周囲のヴァーミナス兵達を固めていた闇のクリームが解け出し、ヴァーミナス兵達が動き始めました。

「マジか……。」ツバキが呟きました。「あまり時間は無さそうだが、相手をしてやろう。」

 ツバキがマジカルテックモバイルを手にしました。

「変身!」ツバキが変身し、ヴァーミナス兵達と戦い始めました。


 ハルナとサクラはヴァーミナス兵達との戦いを続けていました。

「コイツら、キリが無い……!」サクラが言いました。

「うん……!」ハルナが言いました。

「早くシアーを倒さないと……!」サクラが言いました。

「そんなに私を倒したいかい?」離れた場所にシアーが姿を現しました。

「シアー……!」サクラがシアーに気付きました。

「ならばついてくると良い。」そう言ってシアーが歩き始めました。

「待て……!」サクラがシアーを追って駆け出しました。

「サクラちゃん……!」ハルナがサクラを追いかけようとしましたが、行く手をヴァーミナス兵が阻みました。「もう……!」


 サクラがシアーに追いつきました。

「そこまでだ、シアー!」サクラが言いました。

「魔力があまり残っていないようだな。」シアーが言いました。「それだけの魔力でこの私を倒せるとでも?」

「甘く見て貰っちゃ困る!」サクラが言いました。「お前なんか特殊能力を使わずとも十分だ!」

「ほう……。」シアーが言いました。

 サクラとシアーが戦い始めました。

 シアーは素早い動きでサクラに殴りかかりましたが、サクラはシアーの攻撃をかわし、バールで反撃を行いました。

 サクラはシアーの攻撃を悉くかわし、攻撃を当て続けました。

「くっ……!」シアーが怯みながら後退しました。

「どうだ!?」サクラが言いました。

「フッ……!」シアーが不敵に微笑みました。


 ハルナはなかなか数の減らないヴァーミナス兵に苦戦を強いられていました。

「ハアッ!」そこへアオイが現れ、魔法の刃でヴァーミナス兵を切りつけました。

「アオイさん……!」ハルナが言いました。

「ハルナ、ピンチみたいね。」アオイが言いました。「サクラとはまだ合流出来てないの?」

「それが、シアーを追って一人で行っちゃったんです!」ハルナが言いました。

「しょうがないわね。」アオイが言いました。「とっととコイツらを片付けてサクラを追いかけるわよ!」

「はい!」ハルナが言いました。


「トドメだ!」そう言ってサクラがシアーにバールで殴りかかりました。

 その瞬間、魔法のドリルを手にしたヴァーミナス兵が姿を現し、サクラに襲い掛かりました。

「……!」サクラがそのヴァーミナス兵に気付き、そのヴァーミナス兵をバールで殴りました。

「ウアッ……!」そのヴァーミナス兵はサクラの攻撃で倒れましたが、手にしていた魔法のドリルがシアーの足元に転がりました。

「フフフ……!」シアーが魔法のドリルを拾いました。

「あっ……!」サクラが言いました。

「言ったハズだ、誰も私を止められないと。」シアーが魔法のドリルを起動させながら言いました。

「どうしてヤツがあの武器を……?アレは魔力が無ければ動かせないハズ……!」サクラが言いました。

「これが私の力さ!」そう言ってシアーがサクラに襲い掛かりました。

 シアーは魔法のドリルでサクラのバールを弾き、そのまま魔法のドリルをサクラに突き立てました。

「うわああああああっ……!」サクラは叫び声を上げてそのまま仰向けに倒れ込みました。

「フッ……!」シアーが言いました。

「サクラちゃん……!」ハルナの声が聞こえてきました。

 シアーがその場から去っていきました。

 ハルナとアオイがサクラの元に駆けつけました。

「サクラちゃん……!」ハルナが言いました。「大丈夫……!?」

「ハルナさん……!」サクラが言いました。「すみません、しくじりました。」

「ムチャし過ぎよ、サクラ。」アオイが言いました。

「行けると思ったんですけど……。ちょっと魔力を使い過ぎました……。」サクラが言いました。

「サクラちゃん……!」ハルナが言いました。

「後のことはお願いします。」そう言ってサクラが持っていたバールをハルナに手渡しました。

「サクラちゃん……。」ハルナがバールを受け取りました。

「サクラのことは私に任せて、あなたはシアーを追いかけなさい。」アオイが言いました。

「はい!」ハルナが言いました。


 シアーの元にハルナが駆けつけました。

「何しに来た?」シアーが言いました。

「あなたと決着をつける!」ハルナが言いました。

「フッ、愚かな……。」シアーが言いました。「あなたじゃ私には勝てないのに……。」

「勝てる……!」ハルナが言いました。「私はあなたに勝ってあなたの計画を阻止してみせる!」

「いずれにせよ、あなたのことは殺すつもりでいた。」シアーが言いました。「今がその時だ。」

 次に瞬間、シアーの目が輝くと同時に衝撃波が放たれ、その階より上の階が全て吹き飛びました。

「……!」ハルナが驚いた様子を見せました。


「これは……!?」離れた場所にいたアオイが驚いた様子で周囲を見渡しました。

「これが……ヤツの力……?」サクラが言いました。


「ここに私の求めている者はいない。」シアーが言いました。「偽物は全て壊し、邪魔者は殺す。」

 シアーが魔法のドリルを構えながら怪人へと姿を変えました。

「私は負けない……!」ハルナがバールを構えました。

 シアーが魔法のドリルを振り回してハルナを攻撃しました。ハルナはシアーの攻撃をバールで防ぐと、バールで何度もシアーの胴体を叩きました。

 シアーはハルナの攻撃を受けても怯むことなく、片手でバールの先端を掴みました。

「あっ……!」ハルナが言いました。

「フフフ……!」シアーがそのままハルナを投げ飛ばしました。

「うわああっ……!」ハルナが建物の端まで転がりました。

「ハアーッ!」シアーが魔法のドリルを構えながらハルナに向かっていきました。

 ハルナとシアーはお互いの武器をぶつけ合いながら戦いました。ハルナは何度かバールでシアーの体を叩くことに成功しましたが、シアーはまるで怯むことなく戦いを続けました。

「サイトブレイク!」シアーの目が輝きました。

「うわああああああっ……!」ハルナはシアーの力でふっ飛ばされ、建物の外へと落下していきました。ハルナは手にしていたバールを落としました。

「誰も私を止められない。」そう言ってシアーが魔法のドリルを構え直しました。

「くうっ……!」ハルナは地面に倒れ込んだまま呻き声を上げました。

「ハアッ!」シアーが建物から飛び降りながらハルナにドリルを突き刺そうとしました。

「ハアーッ!」ハルナが体を起こしてマジカルブラスターを撃ちました。

「ウアッ……!」ハルナの放った魔法弾がシアーに直撃し、シアーは地面に倒れ込みました。空中でシアーが手放したドリルが傍の地面に突き刺さりました。

「何……!?」シアーがよろめきながら立ち上がろうとしました。

「マジカルフレイム!」先に立ち上がったハルナが魔法火炎弾を放ってシアーを攻撃しました。

「ウアアッ……!」魔法火炎弾を受けてシアーが炎上しました。

 シアーは炎上しながらも体勢を立て直し、ハルナに襲い掛かろうとしました。

「ウウッ……!許さない……!」シアーが言いました。

「だったら……!」そう言ってハルナはフェイタルアーツを発動しました。

「……!」シアーが怯んだ様子を見せました。

「マジカルキック!」ハルナがシアーに跳び蹴りを浴びせました。

「ウアアアアアアアッ……!」ハルナの攻撃を受けたシアーがふっ飛ばされて地面の上を転がりました。

「ハルナ……!」サクラを連れてハルナを追ってきたアオイが建物の上から言いました。「どうやらやったようね。」

「ハルナさん……!」サクラが言いました。

 シアーがよろめきながら立ち上がりました。

「人の希望を奪おうとして……!」シアーが言いました。

「闇の力で多くの人達を犠牲にしたあなたは、もう既に人じゃないよ。」ハルナが言いました。

「ハハハハハハハハ……!言ってくれるね……!」シアーが言いました。「そこまで言うなら、闇の力でこの世界を滅ぼしてあげるよ……!」

 次の瞬間、ヴァーミンの力でシアーの肉体が変異し、より大きく醜悪な姿へと変化を遂げました。

「これが……!」ハルナが言いました。

「ハアッ!」アオイがマジカルワンドの先端から魔法弾を放ってシアーを攻撃しました。

「ハアッ!」ハルナもマジカルブラスターを撃ってシアーを攻撃しました。

 ハルナ達の攻撃はシアーには通じませんでした。

 シアーが腕で建物の上にいたサクラとアオイをふっ飛ばしました。ふっ飛ばされた二人は地面に倒れ込みました。

「アオイさん……!サクラちゃん……!」ハルナが言いました。

 シアーがハルナを掴みました。

「うあっ……!」ハルナが苦しそうな表情を浮かべました。

 シアーがハルナを握りつぶそうとしました。

「ハルナ……!」アオイはハルナを助けようとしましたが、立ち上がることが出来ませんでした。

 ハルナは呻き声を上げることすら出来ずに苦しんでいました。

 そこへマジカルテックライフルを手にしたツバキがやって来ました。

「ツバキさん……!」サクラが言いました。

「都合良く来てあげたよ。」そう言いながらツバキがマジカルテックモバイルのロケットアプリを起動してマジカルテックライフルに接続しました。

「ハアッ!」ツバキがマジカルテックライフルの引き金を引いたその瞬間、マジカルテックライフルの銃口に魔法ロケット弾が生成され、シアーに向けて発射されました。

 ツバキの放った魔法ロケット弾がシアーの胴体に直撃し、爆発しました。

 シアーはもがき苦しみながらハルナを放しました。

「うあっ……!」ハルナは地面に叩きつけられてマジカルブラスターを手放しました。

 体勢を立て直したシアーが口を大きく開きました。口腔には怪人化する前のシアーの姿によく似た器官が存在していました。

「お前だけは許さない……!」その器官からシアーが言葉を発しました。そしてシアーはハルナを飲み込もうと迫りました。

「ハルナ……!」アオイが言いました。

 マジカルブラスターを拾おうと辺りを見回したハルナは近くに魔法のドリルが刺さっていることに気がつきました。ハルナはその魔法のドリルを引き抜いて起動させました。

「ハアッ!」ハルナは魔法のドリルを構えてシアーの口に飛び込みました。そしてシアーに飲み込まれながらもその器官を魔法のドリルで突き刺しました。

「ウアアアアアアアッ……!」その器官はハルナの攻撃を受けて千切れました。

 シアーは口を閉じたまま地面に倒れて動かなくなりました。

「ハルナ……!」アオイが言いました。

「ハルナさん……!」サクラが言いました。

「ウソだろう……?」ツバキが言いました。

 三人は建物を出て倒れているシアーの傍に近寄りました。

 次の瞬間、シアーの腹部から魔法のドリルが突き出しました。

「ハルナさん……?」サクラが言いました。

 ハルナが魔法のドリルでシアーの腹部を突き破って出てきました。

「うわああっ……!」色々な物に塗れたハルナが言いました。

「ハルナ……!」アオイが言いました。「生きてたのね!」

「まあ、何とか……。」ハルナが言いました。

「それにしても酷い姿だ。」ツバキが言いました。「ここまで色々あって最後はこれかい……?」

「ええ、まあ……。」ハルナが言いました。

「ハルナさん……!」サクラが言いました。「本当に良かったです!」

「ハグしてくれても良いんだよ、サクラちゃん?」ハルナが言いました。

「いえ……それはちょっと……。」サクラが言いました。

「ちょっとなんて言わせないよ……!」ハルナがサクラに飛びつきました。

「うわああああああっ……!」サクラが言いました。「ヒドいです……!ヒドいじゃないですか……!」

「やれやれね。」アオイが言いました。

「まあ、とにかくこれで一件落着だな。」ツバキが言いました。

 こうしてこの日もハルナは仲間達と共に世界の平和を守ったのでした。

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