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運命の時

登場人物

ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。

カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。

ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。

キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。

アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。

ハナコ:ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。

ブラックナイト:漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……?

魔法庁のエージェント:隠された特別の機関“魔法庁”のエージェント。神秘的な力から国民の生活を守っている。

クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。

クローディア:闇の皇女。蛇腹剣“ブレーデッドウィップ”で戦う。

ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。

シン:闇の幹部。闇の機械で世界を脅かす。

ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。

ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。

イオ:闇の幹部。闇の生物兵器で世界を脅かす。

 ハルナはミサキの身柄を押さえている魔法庁のエージェントから深夜十二時に時計塔へ向かうように告げられました。

 その日の夜、街にクローディアがしもべ達と共に姿を現し、破壊活動を開始しました。

 ハルナと仲間達は世界の平和を守るべくクローディアとそのしもべ達に戦いを挑んだものの、その強大な闇の力の前に苦戦を強いられていました。

 そしてクローディアとの決着を待たずして時刻は間もなく深夜十二時を迎えようとしていたのでした。


 時計塔の針が十一時四十五分を指し示していました。

 その時、時計塔の天辺に魔法の杖を持った一人の魔法少女が佇んでいました。

 その魔法少女はただ黙ってそこからハルナの戦いを見つめていたのでした。


 クローディアの操縦するビッグビクターがハルナの操縦するマジカンダーにパンチを浴びせました。

「うあああっ……!」ハルナの叫び声と共にマジカンダーは後退しました。

「早く……倒さなきゃ……!」そう言ってハルナがマジカンダーの操縦桿を握り直しました。

「今は時間を気にしている状況じゃない!」マジカンダーのコックピット内にカーターの声が響きました。

「カーター……。」ハルナが言いました。

「事態が事態なんだから、魔法庁も遅刻は大目に見てくれるさ!」カーターが言いました。「今は多少時間が掛かったとしてもこの戦いを勝つ方法を見出すんだ!」

「うん……!そうだよね……!」ハルナが言いました。「この状況で焦っても勝てる可能性が下がるだけ……。今は時間を掛けてでもクローディアを阻止しなくちゃ……!でも……。」

「ハルナ!」カーターが言いました。

「……うん!」そう言ってハルナが操縦桿を動かすと同時にマジカンダーが構え直しました。

「死に急ぐつもりは無くなったみたいね。」クローディアが言いました。「でも、あなたが私に勝てる可能性は限りなくゼロに近いわ。」


「ハアッ!」ダークコボルトが暗黒弾を放ってアオイを始めとする五人の魔法少女達を攻撃しました。

 アオイ達は暗黒弾の爆発によりふっ飛ばされて地面に倒れ込みました。

「うあああっ……!」アオイが武器を手放しながらもゆっくりと立ち上がりました。

「ほう……。」ダークコボルトが言いました。「まだ立ち上がるか……。」

「ええ……!」アオイが苦しそうにしながら言いました。

「だが他の四人は遂に倒れたらしい。」ダークコボルトが言いました。

 ダークコボルトの言葉にアオイが周囲を見渡しました。四人は倒れたまま動かなくなっていました。

「ラン……!モモ……!カリン……!スミレ……!みんな……!」アオイが言いました。

「残るはお前一人だ。」ダークコボルトが言いました。

「くっ……!」アオイが言いました。「でも私が残っている限り、私達の負けじゃないわ……!」

「だが、お前達の勝ちでも無い。ハアッ!」そう言ってダークコボルトが暗黒弾を放ちました。

「ああっ……!」暗黒弾を受けてアオイが仰向けに転倒しました。

「くあっ……!ああっ……!」アオイが倒れ込んだまま呻きました。「苦しい……。ああ……。」

「もう立ち上がる力など残ってはいまい。」ダークコボルトが言いました。

「ええ……。もう……ホントに……動けないわ……。」アオイが苦しそうに言いました。

「フン……。」ダークコボルトが言いました。

「これだけボロボロにされてるのにまだ意識があるなんて不思議よね……。」アオイが言いました。「まあ、それが私の能力なんだから仕方が無いんだけど……。」

「死にぞこないの戯言に耳を貸す気は無い。」ダークコボルトがそう言ってアオイににじり寄りました。

「あなたこのまま私を殺す気……?」アオイが言いました。「止めといた方が良いわ。そうすぐには死なないわよ。」

「皇女の計画を邪魔するものは全て倒す。それが俺の仕事だ。」ダークコボルトが言いました。

「そう……。」アオイが言いました。「なら仕方ないわね……。」

 アオイが立ち上がりました。

「何……?」ダークコボルトが足を止めて言いました。「動けないのでは無かったのか……?」

「あの時はね。」アオイが言いました。「でもこうして話している内に痛みが引いたわ。」

「何だと……?」ダークコボルトが言いました。

「どれだけ痛かろうともこの身は無傷なんだから当然じゃない。」アオイが言いました。

「ハアッ!」アオイがダークコボルトに跳び蹴りを放ちました。

「ウアッ……!」ダークコボルトがふっ飛ばされました。

 アオイが走り出しました。立ち上がったダークコボルトがアオイを追いかけて走りました。

 少し走ったところでアオイが足を止めて向かってきたダークコボルトと殴り合いました。

「フッ!」アオイがダークコボルトにエルボーを浴びせました。

「ウッ……!」ダークコボルトが怯みました。

「ハアッ!」アオイがダークコボルトを蹴って後退させました。

「おのれ……!」ダークコボルトが体勢を立て直しました。「小癪なマネを……!」

「他のみんなも倒れたことだし、そろそろ頃合いかも知れないわね。」アオイが言いました。

「何……?」ダークコボルトが言いました。

 次の瞬間、アオイがフェイタル・アーツを発動しました。

「ん……!?」ダークコボルトが言いました。

「マジカルエクスプロージョン!」アオイが言いました。「ハアーッ!」

 その瞬間、アオイを中心に大爆発が起こりました。

「ウアアアアアアアッ……!」その大爆発に巻き込まれたダークコボルトが叫びました。

 周囲に煙が立ち込める中、アオイとダークコボルトは地面に倒れ込んでいました。

「うっ……!うあああっ……!」アオイが呻きながら体を起こし、ゆっくりと立ち上がりました。

「終わったかしら……?」そう言ってアオイが倒れ込んでいるダークコボルトを見つめました。

「ウアアアアッ……!」ダークコボルトがよろめきながら立ち上がりました。

「さすがにこれで終わりというワケにはいかなかったようね……。」アオイが言いました。

「おのれ……!貴様……!」ダークコボルトがゆっくりと構え直しました。

「良いわ……!お互いもっと苦しみましょう……!」アオイが構え直しました。


 マジカンダーはビッグビクターの連続パンチを受け続けていました。

「さあ、反撃してみなさい、ハルナ!」クローディアが操縦桿を動かしながら言いました。

「ハルナ……!」カーターが言いました。

「このまま反撃することが出来なければ、あなたの負けよ!」クローディアが続けて言いました。

「ハルナ……!ハルナ……!」カーターが叫びました。

「ううっ……!ハアーッ!」ハルナが叫びながら操縦桿を動かしました。

 その瞬間、マジカンダーがパンチを繰り出しビッグビクターを攻撃しました。

「うわああっ……!」クローディアの叫びと共にビッグビクターが怯みながら後退しました。

「そんな……!」クローディアが驚いた様子で言いました。

「ハルナ……!」カーターが言いました。

「私はこんなところで負けはしない……!」ハルナが言いました。

「へえ……。」そう言ってクローディアは操縦桿を動かすと同時にビッグビクターが体勢を立て直しました。

「こっから反撃開始だよ、クローディア!」ハルナが言いました。「もうあなたに私の攻撃は防げない!」

「それはどうかしら、ハルナ?」クローディアが言いました。「多少私にダメージを与えられたところでまだまだ攻撃力は私の方が上なんだから!」

 マジカンダーとビッグビクターが殴り合いました。

「うああああっ……!」マジカンダーがビッグビクターのパンチを受けて怯みながら後退しました。

「うわああああああっ……!」それと同時にビッグビクターもマジカンダーのパンチにより後退しました。

 マジカンダーとビッグビクターが同時に体勢を立て直しました。

「やるわね、ハルナ……!」クローディアが言いました。

「ハアッ!」ハルナが操縦桿を動かすと同時にマジカンダーが右腕に内蔵された機関砲でビッグビクターを攻撃しました。

「うわあああっ……!」ビッグビクターがマジカンダーの放った魔法弾を受けて怯みました。

「ハアッ!」マジカンダーが続けて左腕に内蔵された機関砲でビッグビクターを攻撃しました。

「くうううっ……!」またしてもビッグビクターが怯みました。

「よし……!」カーターが言いました。「形勢は逆転した!」

「ううっ……!」クローディアが呻き声を上げながら操縦桿を動かすと、ビッグビクターがゆっくりと体勢を立て直しました。

「まだよ……!」クローディアが言いました。「私が本気を出したらまだまだこんなもんじゃ無いんだから……!」

「クローディア……!」そう言ってハルナはマジカンダーの操縦桿を握り直しました。


 その瞬間、時計塔の針が十二時を指し示しました。それと同時に時計塔から鐘の音が発せられました。


「えっ……?」ハルナが言いました。

「何、この音は……?」クローディアが言いました。

「時計塔が……。」カーターが言いました。「十二時を指し示してる。」

「深夜十二時……。」ハルナが言いました。


 ふらふらになりながらダークコボルトと殴り合いを続けていたアオイも鐘の音を聞いて時計塔に目を向けました。

「何……この音……?」アオイが言いました。「あの時計塔、音が鳴るワケ……?」

 そんなアオイをダークコボルトが殴りました。

「うっ……!」アオイが転倒しました。

「よそ見を……するな……!」ダークコボルトもまた苦しそうにアオイに言いました。

「くうっ……!」アオイがダークコボルトを睨みながらゆっくりと立ち上がりました。


「一体何が起ころうとしているの……?」クローディアが言いました。

「約束の時間……。」ハルナが言いました。「何かが起ころうとしてる……。」

 次の瞬間、ハルナ達の前にマジカリオンが出現しました。

「これは……!」カーターが言いました。

「マジカリオン……!?」ハルナが言いました。

 マジカリオンのコックピットにはミサキが搭乗していました。

「お待たせ、ハルナちゃん!」ミサキが言いました。

「あなたは……ミサキ……!」クローディアが言いました。

「ミサキさん……!」ハルナが言いました。

「ハルナちゃん、ずっと待ってたのよ、あなたが迎えに来てくれるのを。」ミサキが言いました。

「ええっ……!?」ハルナが言いました。「それじゃあ最後の仕事って……!」

「私を迎えに来ることよ!」ミサキが言いました。

「そうだったんだ……!」ハルナが言いました。

「約束の時間になってもハルナちゃんが来ないから、私の方からやって来ちゃった!」ミサキが言いました。

「いや、でも、ちょっと待って……!」カーターが言いました。「どうせ解放することが決まってたなら、もっと早くにミサキを解放して闇の皇女との戦いに参加させてくれても良かったんじゃ……!?」

「それは仕方が無いわ。」ミサキが言いました。「相手はお役人さんなんだもの……。」

「いや、ミサキもミサキだよ……!」カーターが言いました。

「フフッ……!」ミサキが言いました。

「と、とにかく、これでミサキさんは自由だ!やった!」ハルナが言いました。

「さあ、この戦いに決着をつけるわよ、ハルナちゃん!」ミサキが言いました。

「えっ……?ウソ……!?」クローディアが言いました。

「リストブレード!」ミサキがマジカリオンの操縦桿を動かすと同時にマジカリオンの右腕に内蔵された刃が展開されました。

「マジカリオンスラスト!」マジカリオンの右腕の刃から魔法の刃が伸び、ビッグビクターを突きました。

「うわあああっ……!」ビッグビクターが後退しました。

「今よ、ハルナちゃん!」ミサキが言いました。

「はい!」そう言ってハルナが操縦桿を動かしました。「ラスティング・バースト!」

 次の瞬間、マジカンダーの両腕の機関砲から同時に魔法弾が発射されました。

「この私がこんな形で負けるんて……!」火花の降り注ぐビッグビクターのコックピット内でクローディアが叫びました。

 そしてビッグビクターは絶え間なく放たれる魔法弾を受け続けて爆発しました。


「バ……バカな……!」地面に倒れ込むアオイを踏みつけていたダークコボルトが狼狽えた様子で爆発するビッグビクターを見上げました。

 次の瞬間、巨大ロボットから降りたハルナとミサキがその場に姿を現しました。

「貴様ら……!よくも……!」ダークコボルトがハルナ達を睨みつけました。

「アオイ……!」ミサキが倒れ込んでいるアオイを見て言いました。「あなた、アオイから離れなさい!」

「フン、こんな奴……!」そう言ってダークコボルトがアオイをさらに踏みつけようとしました。

「ハアッ!」その瞬間、ハルナがマジカルブラスターでダークコボルトを撃ちました。

「ウアッ……!」ダークコボルトが怯みながら後退しました。「バカな……!これ程の力……!」

「ミサキさん!」ハルナが言いました。

「ええ!」そう言ってミサキがマジカルロッドを構えました。

「ハアーッ!」マジカルロッドを構えたミサキが叫ぶと同時に、マジカルロッドの上部に巨大な魔法の刃が生成されました。

「な……何……!?」ダークコボルトがよろめきながら言いました。

「マジカルエンド!」そう言ってミサキが巨大な魔法の刃を振り下ろしました。

「ウウッ……!ウアアアアアアアッ……!」ダークコボルトは巨大な魔法の刃に切られてそのまま爆発しました。

「大丈夫?」ミサキが倒れ込んでいるアオイに手を差し伸べました。

「もうボロボロよ。」そう言ってアオイはミサキの手を掴みました。「あなたが捕まったりなんかするから私が一人で頑張るハメになったのよ?」

「フフ、なら謝るわ。」そう言ってミサキはアオイの手を引いて起こしました。

「ミサキさん!」ハルナが言いました。「遂に解放して貰えたんですね、ホントのホントに!?」

「ええ。」ミサキが言いました。「全部ハルナちゃんのおかげよ。」

「いえ……!」ハルナが言いました。「良かった!」

 そこへカーターとキャサリンがやって来ました。

「ミサキ……!」キャサリンが言いました。

「ただいま、ケイト。」ミサキが言いました。

「心配したのよ!」キャサリンが言いました。「戻ってきて良かった!」

「それにしても、闇の皇女から世界を守ることが出来て良かったよ。」カーターがハルナに言いました。

「うん!」ハルナが言いました。

「とは言うものの、闇の皇女を退けたところで闇の力が滅んだワケじゃない。」カーターが言いました。

「うん、そうだね。」ハルナが言いました。

「これからも世界の平和の為に戦ってくれるかな?」カーターが言いました。

「モチロンだよ!」ハルナが言いました。「私達の戦いはまだこれからだよ!」

 こうしてこの日もハルナは世界の平和を守ったのでした。

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