怒りの爆発
登場人物
ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。
カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。
ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。
キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。
アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。
ハナコ:ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。
ブラックナイト:漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……?
クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。
クローディア:闇の皇女。
ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。
シン:闇の幹部。闇の機械で世界を脅かす。
ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。
ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。
イオ:闇の幹部。闇の生物兵器で世界を脅かす。
ある日の夜、山奥に一機のUFOが着陸しました。そしてそのUFOの中から一体のエイリアンが姿を現しました。レドクト星人リンクです。
「ククク、この星を支配してやる!」そう言ってリンクは街へと向かい始めました。
街中にリンクが現れました。人々はリンクの姿を見て逃げ惑いました。
「ハッハッハッハッ!」リンクが言いました。「この星の住人達よ、この俺の為に働くのだ!さもなくば死ね!」
リンクは見せしめとばかりに指先から爪を発射して街を破壊し始めました。
そこへハルナとカーターが逃げ惑う人々と入れ替わりで駆けつけました。
「あなたは……!?」ハルナが言いました。
「俺はレドクト星人リンクだ!」リンクが言いました。「この星を支配しに来たぞ!」
「レドクト星人……?」ハルナが言いました。
「ゼノが呼び寄せたエイリアンか……!」カーターが言いました。
「何だろうと世界の平和を脅かすのなら相手になるよ!」そう言ってハルナがマジカルチェンジャーを構えました。「変身!」
「俺に歯向かおうというのか?面白い!粛清してやる!」そう言ってリンクがハルナに向かって走り出しました。
「マジカルブラスター!」ハルナがマジカルブラスターを撃ってリンクを攻撃しました。リンクは魔法弾を受けてもビクともせずに走り続けました。
「ええっ……!?」ハルナが驚きの声を上げました。
「マジカルブラスターの弾丸が効かない……!?」カーターが言いました。
リンクは左手でハルナの右肩を掴むと、右手でハルナに連続でボディブローを浴びせました。そしてリンクは左手を離すと、よろめくハルナを右手で殴り飛ばしました。
「うわああっ……!」ハルナは地面に倒れ込みました。
「ハルナ……!」カーターが叫びました。
「ううっ……!」ハルナが苦しそうに呻き声を上げました。
「何てヤツだ……!」カーターがリンクを見ながら言いました。
「トドメだ!」そう言ってリンクが右手から爪を発射しようと構えました。
「ハアッ!」そこへ変身したミサキが現れリンクの前に立ちはだかりました。
「ほう、また新たな反逆者か!」リンクが言いました。
「ミサキさん……!」ハルナが言いました。
「ハルナちゃん、大丈夫?」ミサキが言いました。
「はい……!」ハルナが苦しそうに言いました。
「ハルナちゃん……!」そう言ってミサキがマジカルロッドを構えてリンクを見ました。
「死ね!」リンクが爪を発射してミサキを攻撃しました。
「マジカルバリア!」ミサキがマジカルロッドの先端から魔法の壁を生成してリンクの攻撃を防ぎました。
「何……!?」リンクが言いました。
「マジカルボール!」さらにミサキはマジカルロッドの先端から魔法弾を放ってリンクを攻撃しました。
「ウオッ……!」リンクが魔法弾を受けて怯みました。
「フン!」リンクはすぐさま体勢を立て直しました。
「……!」ミサキが少々驚いた様子を見せました。
「なかなかやるでは無いか!」リンクが言いました。
「あなたもね。」ミサキが言いました。
ミサキとリンクは睨み合っていました。
そこへゼノが姿を現しました。
「ゼノ……!」カーターが言いました。
「何だお前は!?」リンクが言いました。
「レドクト星人リンク、お前と話がある。私と共に来て貰おう。」ゼノが言いました。
「フン、良いだろう。」リンクが言いました。「お前達の粛清は延期だ!」
ゼノとリンクは姿を消しました。
「行ってしまったようね。」ミサキと共にその場に来ていたキャサリンが言いました。
「ええ。」ミサキが言いました。
ハルナがよろめきながら立ち上がりました。
「ああ、エラい目に遭ったよ……。」ハルナが言いました。
「ボコボコにされてたよね。」カーターが言いました。
「うん……。」ハルナが言いました。「全く……変身してなかったら吐いてたところだよ……。」
「辛かったわね、ハルナちゃん……。」ミサキが言いました。
「ううああっ……!」ハルナが地面に膝をつきました。
「ハルナ、大丈夫?」キャサリンが言いました。
「ちょっとムリそうかも……。」カーターが言いました。
「私が家まで送っていってあげるわ。」そう言ってミサキがハルナに肩を貸しました。
「すみません、ミサキさん……。」ハルナが言いました。
「平気よ、ハルナちゃん。」ミサキが言いました。
「ハルナにここまでの深手を負わせるなんて、今度の敵は相当のものね。」キャサリンが言いました。
「そうかも知れないね。」カーターが言いました。
とある建物の屋上でゼノとリンクが話をしていました。
「お前がこの世界を滅ぼす為に私が力を貸してやろう。」ゼノが言いました。
「話と言うのはそのことか?」リンクが言いました。
「ああ。」ゼノが言いました。「私の力があればお前はさらに強くなれるぞ。」
「面白い。」リンクが言いました。「だが生憎俺はこの星を滅ぼすつもりは無い。」
「ほう……。」ゼノが言いました。
「俺の目的はあくまでこの星の支配だ!この星に住む全ての生物をこの俺の支配下に置いてやる!」リンクが言いました。「お前とてその例外では無い!」
「ならば交渉は決裂か?」ゼノが言いました。
「そういうことだ!」リンクが言いました。「さあ、この場で俺への忠誠を誓え!さもなくばお前を粛清してやるぞ!」
「残念だが私もお前に従うつもりは無いんでね。」ゼノが言いました。
「ほう!」リンクが言いました。
「私の目的はあくまでこの世界の破滅だ。お前がこの世界を手に入れた暁には見事我々は敵同士となるワケだ。」ゼノが言いました。
「面白い!」リンクが言いました。「ならば死ね!」
リンクが身構えたその瞬間、ゼノは姿を消しました。
「まあ精々頑張りたまえ。」どこからともなくゼノの声が響きました。「健闘を祈っているよ。」
「フン……。」リンクが言いました。
次の日、とある建物の屋上へとやって来たハルナの前に魔人バローが姿を現しました。
「……!」ハルナが足を止めました。
そしてソリーサが姿を現しました。
「よお!」ソリーサが言いました。「この間の決着をつけに来てやったぜ!」
「変身!」ハルナが変身しました。
「フン!」バローが身構えました。
「フン、ようやく見つけたぞ!」そこへリンクが姿を現しました。
「誰だテメーは……?」ソリーサが言いました。
「レドクト星人リンク……!」ハルナが言いました。
「レドクト星人だと……?」ソリーサが言いました。「ゼノが呼んだ悪党か……。」
「今こそお前の粛清を決行する!」リンクが言いました。「覚悟するが良い!」
リンクが爪を発射してハルナを攻撃しました。
「うわああっ……!」ハルナはリンクの攻撃を受けて地面に倒れ込みました。「うう……!」
「フッ、やるじゃねえか!」ソリーサがリンクに言いました。
「お前も粛清されたくなければ我が支配を受け入れることだな!」リンクが言いました。
「笑わせるな!誰がテメーなんかの支配を受けるかよ!」ソリーサが言いました。「行け、バロー!ヤツに思い知らせてやれ、闇の力の恐ろしさをな!」
「フン!」バローがリンクの前に立ちました。
「フッ!」リンクが言いました。
バローとリンクは建物の屋上を走っていきました。
「ククククク……!」ソリーサはそのまま姿を消しました。
「うう……!」ハルナは倒れ込んだままもがいていました。
バローとリンクが足を止めて睨み合いました。
「さあ、掛かって来るが良い!」リンクが言いました。
「フン!」バローがリンクに突進していきました。
リンクはバローの突進を受け止めました。そのままリンクとバローは殴り合いました。そして殴り合いの末バローの連続パンチがリンクに直撃し、リンクが後退しました。
「ほう……!」リンクが言いました。「面白い!」
再びバローとリンクは殴り合いました。
そこへアオイがやって来ました。
「アイツら……何をやっているの……?まあ良いわ。」そう言ってアオイはマジカルチェンジャーを構えました。「変身!」
「マジカルボール!」アオイがマジカルワンドの先端から魔法弾を放ちました。アオイの放った魔法弾がバローとリンクの傍に直撃し、その爆発でバローとリンクが怯みました。
「フッ!」アオイがマジカルワンドを構え直すと、マジカルワンドの先端に輝く魔法の刃が生成され、マジカルワンドは剣のような形になりました。
「ハアッ!」アオイはジャンプしてバローとリンクの傍へ移動すると、マジカルワンドを振り回して魔法の刃でバローとリンクを切りつけていきました。
始めこそ不意打ちに対処出来ずにアオイの攻撃を受け続けていたバローとリンクでしたが、アオイがさらなる攻撃をバローに繰り出した瞬間、バローが魔法の刃を左腕で受け止め、リンクがアオイを殴り飛ばしました。
「うあっ……!」アオイが怯みました。
バローとリンクは二人でアオイにパンチを浴びせ始めました。アオイも魔法の刃で反撃を仕掛けようとしましたが、腕で防がれてそのまま殴られ続けました。
そこへハルナがよろめきながらやってきました。ハルナはバローとリンクの攻撃を受け続けるアオイを見てすぐさまマジカルブラスターを召喚して構えました。
「ハアッ!」ハルナがマジカルブラスターでリンクを撃ちました。
「ウワッ……!」リンクが魔法弾を受けて怯みました。
「ン……?」バローがハルナを見ました。その瞬間、アオイがバローを切りつけました。
「ハアーッ!」ハルナがリンクに向かって走っていき、リンクにキックを浴びせました。
アオイもバローを連続で切りつけていきました。
リンクがハルナに連続でパンチを浴びせました。そして怯んだハルナをさらに殴り飛ばしました。
「うわああっ……!」殴り飛ばされたハルナはマジカルブラスターを手放しましたが、すぐさま立ち上がって構え直しました。
バローがアオイの攻撃を左腕で受け流しました。そしてバローは体勢を崩したアオイに向かって突進を繰り出しました。
「マジカルボール!」アオイはすぐさま体勢を立て直し、マジカルワンドの先端に生成されていた魔法の刃を消してから魔法弾を放って向かってくるバローを攻撃しましたが、バローは魔法弾を受けても怯まずに突進しました。
アオイはバローの突進を受け止めようとしましたが、受けきれずに後ろに押されていきました。バローは足を止めてアオイを殴り飛ばしました。
「うあっ……!」アオイは屋上の手すりに背中をぶつけてマジカルワンドを手放しました。「いた……。」
ハルナが連続キックでリンクを攻撃しました。リンクはハルナの攻撃を受けて怯みながらもすぐさま体勢を立て直し、ハルナに連続パンチを浴びせました。ハルナは怯みながら後退するも、追い打ちをかけようと向かってきたリンクに蹴りを浴びせ後退させました。
「くっ……!」リンクが体勢を立て直そうとしました。
ハルナがフェイタル・アーツを発動しました。
「マジカルキック!」ハルナがリンクに跳び蹴りを放ちました。
「うあああああああっ……!」リンクがハルナのフェイタル・アーツを受けてふっ飛ばされました。
アオイとバローは殴り合っていました。アオイはバローの攻撃をかわしてバローの背後に回り込みましたが、バローが振り返りながらアッパーカットを繰り出しました。
「うあああっ……!」ふっ飛ばされたアオイがハルナとリンクの傍に倒れ込みました。
「アオイさん……!?」ハルナが言いました。
「フン……!」リンクがよろめきながら立ち上がりました。
「もう……痛い……!」アオイも立ち上がりました。
「フン!」バローがまたしてもアオイに突進を繰り出しました。
「こうなったら……!」そう言ってアオイが構え直しました。「思い知らせてやるわ!」
アオイがフェイタル・アーツを発動しました。
「今度は何を仕掛けるつもりだ……?」リンクが言いました。
「アオイさんのフェイタル・アーツ……?」アオイが言いました。
「マジカルエクスプロージョン!ハアーッ!」バローの突進がアオイに直撃しようとしたその瞬間、アオイを中心に大爆発が起こりました。
「ウアアアッ……!」その大爆発でバローがふっ飛ばされました。
「ウウッ……!」リンクもふっ飛ばされました。
「うわああっ……!」そしてハルナもふっ飛ばされました。
その屋上は崩れ去り、ハルナ達は瓦礫と共に地面へと落下していきました。
「ううっ……!」ハルナがよろめきながら立ち上がりました。
「くっ……!」ハルナの傍に倒れていたリンクも立ち上がりました。「何というヤツだ……!」
ハルナは地面に落ちているマジカルブラスターに気付きました。そしてハルナは素早くそれを拾い上げるとリンクに向けてそれを構え、魔力をチャージしました。
「ん……!?」リンクが咄嗟のハルナの動きに驚いた様子を見せました。
「あなたの計画はこれで終わりだよ!」ハルナがマジカルブラスターを構えながら言いました。
「貴様……!ウアアアアアアアッ!」リンクがハルナに向かって走り出しました。
「マジカルブラスト!」ハルナが大きな魔法弾を放ちました。
「ウアアアアアアアッ……!」リンクは大きな魔法弾を受けて爆発しました。
ハルナは周囲を見回してからマジカルブラスターを下ろしました。
こうしてこの日もハルナは世界の平和を守ったのでした。




