魔法少女の奮闘
登場人物
ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。
カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。
ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。
キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。
アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。
ハナコ:ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。
ブラックナイト:漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……?
クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。
クローディア:闇の皇女。
ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。
シン:闇の幹部。闇の機械で世界を脅かす。
ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。
ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。
イオ:闇の幹部。闇の生物兵器で世界を脅かす。
ハルナの住む町では新たに時計塔の建設が行われることになりました。
ハルナとカーターはとある建物の屋上から建設中の時計塔を見ながら話をしていました。
「遂に私達の町にもドコモタワーが建つんだね。」ハルナが言いました。
「いかにもそれで通じる風に言ってるけど、アレはドコモタワーじゃ無いと思うよ。」カーターが言いました。「ドコモタワーは代々木にある一本だけだよ。」
「じゃああの手のタワーは何て言うの?」ハルナが言いました。
「一応正式名称は“目白タワー”って言うみたいだけど、町の人達からは“時計塔”って呼ばれてるね。」カーターが言いました。
「ドコモタワーとは呼ばれてないの?」ハルナが言いました。
「そう呼んでるのは今のところハルナだけだよ」カーターが言いました。
「じゃあNTTドコモ代々木ビルって呼び方の方がより一般的な感じ?」ハルナが言いました。
「あのタワーのことをハルナがそう呼べば、その呼び方は“ドコモタワー”と同じくらい一般的になると思うよ。」カーターが言いました。
「そっか。」ハルナが言いました。
「この町の新しい観光名所として期待されている節があるけれども、どうやらアレは完全なるオフィスビルとして運用されるらしく、関係者以外は立ち入り禁止になるみたいだね。」カーターが言いました。
「インテリジェントビルってヤツだね!」ハルナが言いました。
「うん。もう既に入る会社も決まってるみたい。」カーターが言いました。
「なるほど。」ハルナが言いました。「情報ツウの知り合いがいると何かと便利だね。」
「情報ツウというか、新聞にも書いてるような一般的な情報だけど……。」カーターが言いました。
「今時新聞なんか誰も読まないよ。と言うかニュースも見ないよ。」ハルナが言いました。
「そうかな……?」カーターが言いました。
「そう言えば、バケモノが暴れても全然ニュースにならないよね。」ハルナが言いました。
「きっと政府が情報を制御しているんじゃないかな?」カーターが言いました。
「政府が……?」ハルナが言いました。
「これはデリケートな問題だからね。」カーターが言いました。
「そっか。」ハルナが言いました。「でも、私達の活躍も段々と人々に知られてきているみたいだし、どうなるんだろうね?」
「さあね。少なくとも今のところこの町の一般市民が持っている認識はたまにバケモノが現れて何者かがそれを退治しているということだけ。そしてネットとかよく見る人は魔法少女の存在を認知しつつあって、巨大ロボットに関してはやっぱり政府の秘密兵器という見方が一般的な感じかな。」カーターが言いました。
「まあ、全体的に政府が陰で頑張ってるって印象だよね。」ハルナが言いました。
「一体政府のどの組織が巨大ロボット何て保有してるのかって話だけど、そこら辺はみんなスルーしてるよね。あくまで秘密組織があるって認識だよ。」カーターが言いました。
「さすがはゴジラの国日本って感じだね。」ハルナが言いました。「でも私思うんだ。」
「何を……?」カーターが言いました。
「文部科学省だよ。あそこなら巨大ロボットの一つや二つ持っててもおかしくないよ。」ハルナが言いました。「何てったって教科書を作ってるんだから……。」
「教科書作ってるんなら今更巨大ロボット程度作らなくても平気でしょ?」カーターが言いました。
「それもそっか。」ハルナが言いました。
「さて、こうしてハルナとくだらない世間話を楽しんでるのも悪くないけど、そうもいかなくなってきたかな。」カーターが言いました。
「どうかしたの?」ハルナが言いました。
「闇の力だ。」カーターが言いました。「闇の力の気配を感じるよ。」
「よし、文科省が教科書の力でバケモノを倒す前に私達の力でソイツを倒しちゃおう!」ハルナが言いました。
ハルナ達がとある通りへと駆けつけました。
そこにはソリーサが多数のファミリア達に街を破壊させていました。
「ソリーサ……!」ハルナが言いました。
「よお。」ソリーサが言いました。「遅かったじゃねえか。」
「またこの世界を壊しに来たんだね!?」ハルナが言いました。
「そういうコトだ!」ソリーサが言いました。「行け、ファミリア共!」
ファミリア達が一斉にハルナに襲い掛かりました。
「変身!」ハルナが変身しました。
ハルナはパンチとキックで次々とファミリア達を倒していきました。そして瞬く間にファミリア達は全滅しました。
「ザッとこんなもんだよ!」ハルナが言いました。
「ほう、やるじゃねえか!」ソリーサが言いました。「じゃあコイツも倒してみな!出でよ、魔人バロー!」
「フン。」ソリーサによって魔人バローが召喚されました。
「新たな魔人か……!」ハルナが言いました。「気をつけるんだ、ハルナ!また厄介な能力を持っているに違いない!」
「うん!」ハルナが言いました。
「フン!」バローがハルナに突進しました。
「うわあっ……!」ハルナはバローの攻撃を受けてふっ飛ばされました。
「ううっ……!」ハルナが立ち上がりました。
再びバローが突進を繰り出しました。ハルナは向かってきたバローを受け止めようとしてそのまま後ろへと押されていきました。そしてバローはそんなハルナを投げ飛ばしました。
ハルナが再び立ち上がりましたが、そこへバローはまたしても突進で突っ込んできてハルナはふっ飛ばされました。さらにハルナが立ち上がったものの、バローに殴り飛ばされてしまいました。
「ハルナ……!」カーターが言いました。
「ううっ……!」ハルナがよろめきながら立ち上がりました。「強い……!」
「フン!」バローが構え直しました。
「バローは目立った特殊能力を持たない代わりに他の魔人と比べて高い攻撃力を持っているのさ!」ソリーサが言いました。「コイツの攻撃を食らって死にな!」
「フン!」バローが突進を繰り出しました。
「フッ!」ハルナは横に転がってバローの突進をかわしました。
「マジカルブラスター!」ハルナがマジカルブラスターを召喚してそれを構えました。
「フン!」バローが再び突進を繰り出しました。
「ハアッ!」ハルナはマジカルブラスターで向かってくるバローを撃ちました。バローは魔法弾を受けても走り続けました。ハルナは向かってきたバローを受け止め、今度は踏み止まりました。
「フッ!ハアッ!」ハルナはバローを蹴って後退させると、再びマジカルブラスターを撃ってバローにもう一発魔法弾を浴びせました。
「フン!ハアッ!ハアッ!」バローはハルナに連続でパンチを浴びせました。ハルナは怯みながらもすぐさま体勢を立て直し、マジカルブラスターを構え直しましたが、バローはハルナの構えたマジカルブラスターを叩き落としました。
「フッ!ハアッ!」武器を失ったハルナでしたがすぐさま構え直してパンチを繰り出しました。
「フン!」すかさずバローもパンチを繰り出しました。
ハルナの拳とバローの拳がぶつかり合いました。
ハルナとバローはお互いに後ろに下がって距離を取りました。
「バローを相手に互角の戦いをして見せるとはな。」ソリーサが言いました。「ダメージを受ける度に攻撃力がアップする、厄介な特殊能力だぜ!」
「一気に決めるよ!」そう言ってハルナはフェイタル・アーツを発動しました。
「フン!」バローが突進を繰り出しました。
「ハアアッ!」ハルナがバローに跳び蹴りを浴びせました。
「ウアアアッ……!」バローがハルナのフェイタル・アーツを受けて怯みながら後退しました。
「フン……!」バローが体勢を立て直しました。
「フェイタル・アーツに耐えた……!?」カーターが言いました。
「ザンネンだったな!どうやらバローを倒すには少々攻撃力が足りなかったみたいだぜ?」ソリーサが言いました。
「くうっ……!」ハルナが言いました。
「フン!」バローがハルナに向かって走り出しました。
ハルナはバローの繰り出すパンチをかわし続けました。
「フェイタル・アーツを耐えられるなんて……!」カーターが言いました。「ハルナの魔力は後どれくらいだろう?」
ハルナがバローのパンチを横に転がってかわしながら地面に落ちているマジカルブラスターを拾い上げました。
「マジカルショット!」ハルナが魔法散弾を二連射してバローを攻撃しました。バローはハルナの攻撃を受けて怯みましたが、すぐさま体勢を立て直してハルナに殴りかかりました。
「フッ!」ハルナは後ろに跳んでバローの攻撃をかわし、マジカルブラスターを構え直しました。
次の瞬間、地面が激しく揺れ動き、巨大ロボット“マグナスマキナ4”が姿を現しました。
「アレは……!」カーターが言いました。
「さあ、今日こそ決着をつけてやるぞ!」マグナスマキナ4のコックピットからシンが言いました。
「シン……!」ハルナが言いました。
「チッ、良いところで……。」ソリーサが言いました。「まあ良い。今日のところはこれくらいにしておいてやるぜ!もしお前がアイツに勝てたら、この戦いの決着をつけてやろう!待ってるぜ、ハルナ……!クククククククク……!」
ソリーサがバローと共に姿を消しました。
「ソリーサ……!」ハルナが言いました。
「ひとまずシンと戦おう!」カーターが言いました。
「うん!」ハルナが言いました。「マジカンダー召喚!」
ハルナの操縦するマジカンダーとシンの操縦するマグナスマキナ4が対峙しました。
「フン!」そう言ってシンがマグナスマキナ4の操縦桿を動かすと、マグナスマキナ4が銃となっている左腕でマジカンダーを攻撃しました。
「うわああっ……!」マジカンダーがマグナスマキナ4の放った暗黒弾を受けて怯みながら後退しました。
「一気に行くぞ!」マグナスマキナ4が剣になっている右腕を構えながらマジカンダーに向かって歩き出しました。
マグナスマキナ4が体勢を立て直したマジカンダーを右腕で何度も切りつけました。
「ハルナ……!」カーターが言いました。
「ううっ……!」ハルナが言いました。
「終わりだ!」マグナスマキナ4が後退したマジカンダーに向けて左腕から暗黒弾を放ちました。
「うわああああああっ……!」マジカンダーが暗黒弾を受けて怯みました。
「フッハッハッハッハッハッハッハッ!」シンが言いました。
「まだだよ……!」そう言ってハルナがマジカンダーの操縦桿を動かしました。するとマジカンダーが体勢を立て直しました。
「何……!?」シンが言いました。「アレだけの攻撃を受けてまだ戦えるだと……!?」
「フッ!」そう言ってハルナが操縦桿を動かすと同時にマジカンダーが右腕に内蔵された機関砲でマグナスマキナ4を攻撃しました。
「うあっ……!」マグナスマキナ4が怯みました。
「ハアッ!」さらにマジカンダーは左腕に内蔵された機関砲でマグナスマキナ4を攻撃しました。
「うあああっ……!」マグナスマキナ4がまた怯みました。
「これでトドメだよ!」そう言ってハルナが操縦桿を動かしました。「ラスティング・バースト!」
マジカンダーが両腕から同時に魔法弾を放ちました。
「おのれ……!この屈辱、忘れはせんぞ……!」そう言ってシンはマジカンダーの攻撃を受けて爆発寸前のマグナスマキナ4から脱出しました。そしてマグナスマキナ4はそのままマジカンダーの攻撃を受け続けて爆発しました。
ハルナはとある建物の屋上でカーターと合流しました。
「今日は大変な一日だったね。」カーターが言いました。
「うん。」ハルナが言いました。「でも、こんな程度で挫けちゃいられないよ!」
「そうだね。」カーターが言いました。
「これからも世界の平和を守る為に頑張っていくよ!」ハルナが言いました。
こうしてこの日もハルナは世界の平和を守ったのでした。




