魔法の先達
登場人物
ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。
カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。
クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。
クローディア:闇の皇女。
ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。
シン:闇の幹部。闇の機械で世界を脅かす。
ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。
ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。
イオ:闇の幹部。闇の生物兵器で世界を脅かす。
その日、ハルナはいつものように学校へと行き、そして最後まで授業を受けてから帰りました。
ただし、あくまで怪人との接触により心に傷を負った少女を演じ続け、友達との接触は最小限に止めていました。
一度始めた演技を今更止めることは出来ないという事情もありましたが、自身が特別な力を持っていることが周囲に発覚し周囲の妬みを買ってしまうことを恐れているハルナにとって、友達との交流はひょんなことからその秘密が露呈してしまいかねない危険な行為のように思われていました。
放課後、部活にも参加せずに学校を出たハルナは、カーターの待つ路地へと向かいました。
「今日はそれなりの時間に来たね。」カーターが言いました。
「うん。」ハルナが答えました。
「昨日の戦いでキミの腕前は十分に分かったよ。」カーターが言いました。「キミには間違い無くバトルの才能がある。」
「そう言って貰えると何だか嬉しいかも。」
「そういう訳で、今日は昨日残した課題について話をしようと思うよ。」
「課題……?」ハルナが驚いたように言いました。
「ほら、キミの日常生活に関する課題だよ。」カーターが言いました。
「ああ……。」ハルナが言いました。
「確かに世界を守りながら普通の生活を送るなんて難しいことかも知れない。でも、キミが戦いの中で少しでも日常を大事に出来るようにと思って、今日はある人を呼んでみたんだ。」カーターが言いました。
「ある人……?」ハルナが言いました。
「キミの前に闇の力と戦っていた少女、ミサキさ。」カーターがそう言うと同時に、陰からミサキとそのパートナーである妖精が姿を現しました。
「初めまして、ハルナちゃん。」ミサキがハルナに言いました。
「あ、あの……初めまして、ミサキ……さん……。」ハルナが緊張した様子で言いました。
「フフッ、そんなに緊張しなくても大丈夫よ。」ミサキが優しく言いました。
「はい。」ハルナが多少落ち着いた様子で言いました。
「一緒にいるのはミサキのパートナーでボクの姉さんでもある妖精、キャサリンさ。」カーターが言いました。
「よろしく、ハルナ。」キャサリンが言いました。
「お姉さん……!?カーターの……!?」ハルナが驚いた様子で言いました。
「うん。ボク達は双子なんだ。」カーターが言いました。
「兄弟とか双子とか、そういうのがあるの、精霊に?」ハルナが言いました。
「まあ、なんとな~く、ね。」キャサリンが言いました。
「なんとなくなんだ……。」ハルナが言いました。
「私もケイトに双子の弟がいるって聞いて驚いたわ。でも、妖精にも家族がいるってとても素晴らしいことだと思うわ。」ミサキが相変わらずの優しい口調で言いました。
「う~ん……まあ、この際何でもいっか……。」ミサキの口調に、ハルナはぼんやりとして考えることを忘れそうになっていました。
「ところでハルナちゃん。」ミサキが言いました。
「えっ……?はい!」ぼんやりとしていたハルナが慌てたように返事をしました。
「困ったことがあったらいつでも私に相談してね。」ミサキが言いました。「私に出来ることがあれば何でも協力するわ。」
「何でも……。」ハルナが考えました。「そう言えば、ミサキさんも戦えるんですよね?と言うことは、私と一緒に戦ってくれるってことですか?」
「え~っと……それは……。」ミサキが言葉を濁しました。
「えっ……?」思いもよらぬミサキの反応に、ハルナは少々困惑しました。ハルナはこの短い時間の内に不思議な優しさを感じさせるミサキに信頼感を抱いていて、ミサキなら自分の頼みを何でも快く引き受けてくれるだろうと思い込んでいたのです。
「ひょっとして、ダメなんですか……?」ハルナが恐る恐る訊ねました。
「え、ええ……。」躊躇いながらミサキが答えました。
「戦えないんだよ、彼女は。」カーターが言いました。
「戦えない……?」ハルナが困惑した様子で言いました。
「ミサキは姉さんと一緒に一年もの間闇の力と戦い続けた。その結果最後の戦いで魔力を使い果たし、今は変身することが出来なくなっているんだ。」カーターが言いました。
「なるほど……。」ハルナが言いました。「そう言えば、魔力を使い過ぎたら回復に時間が掛かっちゃうんだっけ……。」
「ええ、そうなの。だから今、ミサキは戦うことが出来ないのよ。」キャサリンが言いました。
「力になれなくてゴメンなさい、ハルナちゃん。」申し訳無さそうにミサキが言いました。
「い、いえ、とんでもない!私の方こそ、ミサキさんのこと何も知らないでムチャを言って……!」ハルナが慌てて言いました。
「でも、私が力になれることなら何でも協力するから……。」ミサキが言いました。
「はい!頼りにさせて頂きます!」ハルナが言いました。
闇の神殿では闇の幹部達が話をしていました。
「シンはどうした?」ゼノが言いました。
「ヤツに負けたのがよっぽど気にいらなかったのか、奥で不貞腐れてやがるぜ。」ソリーサが答えました。
「ヤツのことだ。復讐の為の新たなロボットを考えているに違いない。」イオが言いました。
「フン、いずれにせよ力が回復するまで奴は次のロボットは作れまい。さて、その間に出撃したい奴はいるのか?」ゼノが訊ねました。
「ならば次は私が行こう。」ケミルが言いました。
「何をしようってんだ?」ソリーサがケミルに訊ねました。
「我が闇の業をお見せしよう。」ケミルが床に白い粉を落としました。
「何だそれは?」ゼノが訊ねました。
「まあ見ているが良い。」そう言いながらケミルが瓶を取り出しました。その瓶には「PITCHFORK」と書かれたラベルが貼られていました。
「肉体の元となりし灰燼に戦いのエリクシルを注ぐことで我がしもべとなるホムンクルスが誕生する。」そう言うとケミルがその瓶に入れられた薬品を先の白い粉末に注ぎました。
次の瞬間、薬品を注がれたその粉末が闇色の炎を上げながら増大し、やがて怪人の姿を形成しました。
「ホムンクルス ピッチフォーク!」ケミルが叫びました。
「フン!」その怪人が声を上げました。
その怪人の名前はケミルが呼んだ通り“ホムンクルス ピッチフォーク”であるのですが、便宜上の理由によってここで「ホムンクルス」と名のつく怪人のことを呼ぶ際には一括して“ホムンクルス”とさせて頂きましょう。
「ピッチフォークよ、この世界を破滅へ陥れるのだ!」ケミルが命じました。
「フン!」ホムンクルスが出撃しました。
ミサキと別れたハルナがカーターと通りを歩いていました。
「何だかあったかい感じのする人だったな、ミサキさん。」ハルナが言いました。
「そうだね。直接会ったのはボクも初めてだったけど、姉さんが彼女を選んだのも納得出来る気がするよ。」カーターが言いました。
「そう言えば、どうしてカーターは私を選んだの?」ハルナが聞きました。
「えっと……。」カーターが言葉を濁しました。
「……。」ハルナが不機嫌そうな表情を浮かべました。
「いや、あの日ボクは闇の力の動きを観察してたんだ。そしたら凄い魔力を持ったキミが現われて……。」おそるおそるカーターが言いました。
「つまり、行き当たりばったりってコト……?」ハルナが言いました。
「えっと、アレだよ、運命の導きって表現して欲しいかな?」カーターが取り繕った風に言いました。
「まあ、何でも良いケド……。」ハルナが不貞腐れたように言いました。
「ハルナ……そんなことで気を悪くしないでよ……。」カーターが懇願するように言いました。
「まあ、しょうがないか……。」ハルナが言いました。
その日の夜のことです。
通りに一人の通行人が歩いていました。
「フン!」その通行人の前にホムンクルスが姿を現しました。
「ヒッ……!」その通行人が怯えた声を上げました。
「フーン。」ホムンクルスが唸り声と共にピッチフォークを召喚しました。
先にも書いたとおり、そのホムンクルスの正しい名前は“ホムンクルス ピッチフォーク”であり、要するにピッチフォークを武器とするホムンクルスである為にそのような名前がつけられているのです。
「ヒィィィッ……!」その通行人は恐怖で身動きを取ることさえ出来ませんでした。
「フン!」ホムンクルスが武器としているピッチフォークでその通行人を突きました。
「ウアッ……!」突かれたその通行人は肉体から生命を抽出され、抜け殻となった肉体は灰となって消滅しました。
「フン。」
次の日、ハルナはいつものように学校へと行きました。
ここで闇の力と戦い始める以前における学校でのハルナの生活について触れようと思いますが、以前のハルナは、宿題をすっぽかして登校しいざ学校に辿り着いたら先生が怖くなって朝礼前に大層慌てた様子で宿題をやり始め、授業では先生の話を聞かずに空想に耽って先生に質問をされると何も答えられずにたじろぐのが常であり、学園内でも人気と知って入部したライトノベル部でもガチな部員達のノリについていく気が起こらず似たような部員達と無駄話をして過ごし、休日に友達とカラオケに行った際には『WILD DRIVE』をノリノリで熱唱してやることをやったつもりでいて、とまあそんな様子でした。
そのおかげかは定かではないものの、ハルナを慕う友達はそれなりにいて、ハルナが怪人に襲われて心に深い傷を負った風に振舞い始めた際にはそれなりの生徒がハルナのことを心配していました。
しかしこの日のクラスメートはもっと他のことを心配するのに忙しい様子でした。
ハルナは自分を気にかけてくれるクラスメートが減ったことを内心寂しく思いつつもクラスメートの話に耳を傾けていたところ、どうやら昨日夜遅くに家に帰った生徒の一人がその日学校に姿を見せておらず、クラスメートの皆はその生徒が怪人によって消されてしまったのではないかと心配していることが分かりました。
丁度世間でも原因不明の失踪事件が騒がれていました。
ハルナは放課後、いつものようにカーターと会い、その事件に関して訊ねてみました。
「う~ん、どうだろうね……。」カーターが考え込みながら話しました。「闇の力による大規模な破壊活動ならこれまで何度もあったけど、ゲリラのように人を襲うパターンは知らないな……。」
「でも、何人もの人が一夜の内に行方不明になってるんだよ?」ハルナが言いました。
「う~ん……。」カーターが考えました。「ひょっとして、新たに生まれた闇の幹部達の中にそういった作戦を行っているヤツがいるのかも……。」
「うん、きっとそうだよ!」ハルナが同調しました。
「だとしたら、何としてもその作戦を実行しているバケモノを見つけて阻止しなくちゃ……!」カーターが言いました。「今夜街を見回ろう!」
「えっ……?」ハルナが困惑したように言いました。「夜に街に出るなんてムリだよ!ママが許してくれない!」
「大丈夫!」カーターが言いました。
「大丈夫じゃない!夜中に家を出たりしたらママに殺されちゃう!私の体が八つ裂きにされても良いって言うの!?」
「そりゃあ娘が夜中に街でフラフラしてたら親は心配になるさ!でも、魔法があれば上手くごまかせる!」
「魔法……?あっ、そっか!」ハルナが閃いたように言いました。「魔法の力でごまかせるんだね!」
「ハルナの御両親には申し訳が無いけど、世界の平和の為にちょっとしたインチキを使わせて貰うよ。」カーターが言いました。
「で、どんなインチキするの?」ハルナが訊ねました。
「えっと……催眠術的な……?」カーターが言葉を濁しました。
「えっ……?」ハルナがイマイチ要領を得ない様子を見せました。
「端的に言えば、ハルナの御両親にハルナのことを心配しなくなる魔法をかけるんだ。」カーターが言いました。
「なるほど……。」ハルナが分かったような分かってないような様子で言いました。「まあ、とにかくそれで殺されずに済むんだ?」
「うん。」カーターが答えました。「とにかく細かな根回しはボクがやっとくから、ハルナは部屋で待っててくれればそれで良いよ。」
「分かった。」
その日の夜、ハルナは自分の部屋でカーターを待ちました。
待っていると、突如カーターが部屋に姿を現しました。
「カーター……!?」ハルナが驚いた様子を見せました。「いつの間にここにやってきたの……?」
「今さ。」カーターが答えました。「魔法でワープしてきたんだよ。」
「なるほど……。」ハルナがとりあえず納得した様子を見せました。
「さて、それじゃあ街に出るよ!」カーターが言いました。「ボクの魔法で街中まで一気にワープするよ!いつバケモノとエンカウントするか分からないから、先に変身して!」
「うん!」そう答えると同時にハルナは構えました。「変身!」
ハルナがマジカルチェンジャーで変身しました。
通りに一人の通行人がいました。
その通行人の前にホムンクルスが姿を現しました。
「フン。」怯える通行人に対しホムンクルスがピッチフォークを向けました。
次の瞬間、銃声と共に一発の魔法弾が飛んできて、ホムンクルスを怯ませました。そのスキにその通行人は逃げ果せました。
「ンン……。」ホムンクルスがその魔法弾の飛んできた方を見ました。
建物の屋上にマジカルブラスターを構えたハルナが佇んでいました。
「そこまでだよ!この私があなたを倒す!」
ハルナが建物から飛び降りてホムンクルスと対峙し、マジカルブラスターを発砲しました。
ホムンクルスはピッチフォークでマジカルブラスターの弾丸を弾いて後退しました。
ハルナがすかさずもう一発の弾丸を撃ち込もうと構えました。
しかしそこへケミルが姿を現しました。
「……?」ハルナがマジカルブラスターを発砲するのを止めました。
「アイツは……?」陰でハルナの戦いを見守っていたカーターが出てきました。
「私はケミル。闇の幹部の一人だ。」ケミルが言いました。
「ケミル……。」ハルナが言いました。
「そしてコイツは私が戦いのエリクシルによって作り出したしもべ、ホムンクルス ピッチフォークだ。」
「フン。」
「ホムンクルス……?」ハルナが腑に落ちない様子で言いました。多くの事柄に関して人並以上の知識を持っていないハルナにとってホムンクルス、延いては錬金術と聞いて真っ先に思い浮かぶのが竹中直人だったので、全身が灰のように白くて悪魔の如くピッチフォークを握り締めたその怪人の容姿はホムンクルスとして受け入れ難いものでした。
「そして君にはこの私のさらなる業を見て貰おう。」そう言ってケミルは瓶を取り出しました。その瓶には“LIFE”の文字が刻まれたラベルが貼られていました。
ケミルがその瓶に入っていた薬品をホムンクルスに与えました。
「ウアーッ!」その瞬間、ホムンクルスが巨大化しました。
「……!?」ハルナが驚いた様子を見せました。
「巨大化した……!」カーターもまた驚きました。
「これぞ生命のエリクシル!その効果によりホムンクルスの生命力が増大したのだ!」ケミルが言いました。
「ハルナ、マジカンダーを呼ぶんだ!」カーターが言いました。
「うん!」ハルナが言いました。「召喚、マジカンダー!」
ハルナの搭乗したマジカンダーが巨大化したホムンクルスと対峙しました。
ホムンクルスがピッチフォークを構えてマジカンダーへと向かっていきました。巨大化したホムンクルスの動きは、その巨体故か、等身大の時よりも鈍いように見えました。
マジカンダーが向かってくるホムンクルスを右腕の機関砲で攻撃しました。
ホムンクルスは機関砲の弾丸を受けて怯みました。
マジカンダーが続けて左腕の機関砲で追撃を行おうとしましたが、既にマジカンダーとの距離を十分に詰めていたホムンクルスがマジカンダーの攻撃よりも先にピッチフォークでマジカンダーを突きました。
「うあっ……!」攻撃を受けたマジカンダーがゆっくりと後退し、ハルナのいるコックピット内には火花が降り注ぎました。
ホムンクルスがマジカンダーを立て続けに突いて攻撃しました。
マジカンダーは攻撃を受ける度にゆっくりと後退していきました。
「ハアアッ!」さらにホムンクルスがマジカンダーを突こうとした瞬間、ハルナが力いっぱい操縦桿を動かしました。
その瞬間、マジカンダーがホムンクルスの持つピッチフォークを右腕で掴み、ホムンクルスの攻撃を防ぎました。
「ンッ……!?」
マジカンダーが続けて左腕の機関砲でホムンクルスを攻撃しました。
ホムンクルスが怯みながら後退していきました。
「トドメだ!」ハルナが操縦桿を握り直しました。「ラスティング・ファイヤ!」
マジカンダーの両腕から魔法弾が放たれたその瞬間、ホムンクルスが収縮し等身大に戻りました。
「えっ……!?」ハルナが攻撃を止め、マジカンダーから飛び降りて通りに戻りました。
「攻撃を受ける瞬間に等身大に戻ることで攻撃を回避したのか……?」カーターが言いました。
「残念だがそれは少し違うな。」ケミルが言いました。「生命のエリクシルの効果が切れたのだ。だがこの効果時間は計算通り。これで実戦データが得られた。最後に我々の障害となる君に消えて貰うことにしよう。」
「フン!」ホムンクルスが構えました。
「……!」マジカンダーに搭乗した際にマジカルブラスターを手放していたハルナが素手で構えました。
「もう一度武器を召喚するんだ!」カーターが言いました。「武器の召喚が行えるのは一度の変身中に一回だけじゃない!リキャストタイムが過ぎればもう一度武器の召喚が行えるよ!」
「分かった!」ハルナがマジカルブラスターを召喚しました。
「フーン!」ホムンクルスがハルナに向かって行きました。
「ハアッ!」ハルナが向かってくるホムンクルスをマジカルブラスターで撃ちました。
「ウアッ……!」撃たれたホムンクルスが怯みました。
「フン……!」ホムンクルスが体勢を立て直し、再びハルナに向かっていこうとしました。
ハルナがマジカルブラスターを構え直しました。
しかし次の瞬間、ハルナに向かって走り出そうとしていたホムンクルスの動きが止まりました。
「……!?」ハルナがマジカルブラスターを降ろしました。
「これは……?」カーターが言いました。
「ウッ……!」突如ホムンクルスの体が炎上しました。
「……!」炎上したホムンクルスの姿にハルナは戦慄しました。
「ウアアアアッ……!」断末魔と共にホムンクルスはそのまま灰と化しました。
「か……勝ったの……?」ハルナが言いました。
「エリクシルが尽きたか……。」ケミルが言いました。
「まあ良い。今回はこれで十分だ。」そう言い残してケミルは姿を消しました。
「勝ったんだよね……?」ハルナがカーターに訊ねました。
「うん。」カーターが答えました。
「行こう、カーター。」ハルナが歩き始めました。
カーターもハルナと一緒に歩き出しました。
「……。」一人の人物が近くの建物の屋上よりハルナを見つめていました。
ハルナとカーターはその人物に気付くことなく歩き続けました。
こうしてこの日もハルナは世界の平和を守ったのでした。




