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魔法少女の複製

登場人物

ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。

カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。

ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。今は戦うことが出来ない。

キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。

ドグマ:イヌのような容姿を持った妖精。魔法少女はいかなる場合においても世界を守る為に戦わなければならないという考えを持っている。

アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。今は入院中。

ハナコ:ハルナのクラスメート。極度のお人好しであり、元気の無い人を見ると放ってはおけない性格をしている。

ブラックナイト:漆黒の鎧を身に纏いし正体不明の剣士。時折姿を現しハルナのことをサポートするが……?

クローディオ:闇の皇子。時期尚早として世界の破壊に否定的な態度を示している。

クローディア:闇の皇女。

ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。

シン:闇の幹部。闇の機械で世界を脅かす。

ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。

ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。

イオ:闇の幹部。闇の生物兵器で世界を脅かす。

 ハルナはその日も耐え難い睡魔に襲われていました。

 学校の授業中に居眠りをすることなど殆ど無かったハルナでしたが、その日はあまりの眠気に耐えられず、殆どの授業で眠っていました。

「ハルナちゃん、ずっと眠そうだけど大丈夫?」ハナコがハルナに訊ねました。

「ハナコちゃん……。」ハルナが辛そうに口を開きました。

「私を……殴って……。」ハルナが続けて言いました。

「えっ……!?」ハナコが困惑した様子で言いました。

「凄く……眠いんだよ……。」ハルナが言いました。

「ひょっとして、ハルナちゃんが魔法少女であることに関係しているの……?」ハナコが言いました。

「分からない。魔力を使い過ぎたら消えちゃうみたいだけど……。」ハルナが言いました。

「消えちゃう……!?」ハナコが驚いた様子で言いました。「ダメだよハルナちゃん、これ以上戦い続けたら!」

「いや……。」ハルナが言いました。「世界の平和を守る為にも、私が戦い続けなきゃ……!」


 ハルナはその日の放課後、ふらつきながらカーターの元へと向かいました。

 そんなハルナの様子をアオイと瓜二つの容姿を持った人物が笑みを浮かべながら眺めていました。


 その頃、闇の神殿で闇の幹部達が話をしていました。

「どうやら完成したようだな。」ゼノがイオに言いました。

「ああ。」イオが言いました。

「ヤツのクローンとは、なかなか面白そうな物を作ったじゃねえか。」ソリーサが言いました。

「フッ。」イオが言いました。

「しかし、臆病者の魔法使いのコピーなどを使って何が出来ると言うんだ?」シンが言いました。

「仲間と同じ姿をした者が敵として立ちはだかれば、魔法使い達としてもやり辛くなるだろう。」ケミルが言いました。

「確かにそれが最大のメリットであると私も考えていた。」イオが言いました。

「ん……?」ゼノが言いました。

「だが、少々面白いことになっていてな、フン、しばらく様子を窺ってみることにした。」イオが言いました。

「ほう……。」ソリーサが言いました。「だったらオレもその面白いことを見させて貰おうじゃねえか。」


 ハルナはカーターの元へと辿り着きましたが、あまりの睡魔に最早何も話すことが出来ず、ただ座り込んでいました。

「ハルナ……。」カーターが心配そうに口を開きました。

「大丈夫……ちょっと眠いだけだから……。」ハルナが言いました。


 先日ハルナと戦ったスリープは未だに通りに倒れたままになっていました。倒れているスリープの傍を通った人々が次々と倒れていき、スリープの周りは倒れた人々でいっぱいになっていました。

 そしてついには倒れていたスリープの肉体が変異を始め、スリープはより強くなって立ち上がったのでした。

「ウアアアアアアアッ!」


「闇の力の気配を感じる……!」カーターが言いました。

「……。」ハルナがゆっくりと立ち上がりました。

「ハルナ……!」カーターが言いました。

「大丈夫……。まだ大丈夫だよ……。」ハルナはそう言ってよろめきながら歩き出しました。


 ハルナとカーターがとある交差点までやって来ました。

「間違いない。この近くに敵がいる!」カーターが言いました。

「誰もいないけど……。」ハルナが辛そうに辺りを見回しながらそう言った次の瞬間、ハルナ達は何者かの気配を感じて後ろを振り返りました。

 その交差点に面した建物の屋上にスリープがしゃがみ込んでハルナ達を見下ろしていました。そしてその建物の屋上から飛び降りてハルナ達の目の前に着地ました。

「まだ生きていたのか……!」カーターが言いました。

「変身!」ハルナが変身しました。

「ウアアアアアアアッ!」スリープがジャンプして左腕の爪でハルナを攻撃しました。

「うわあああっ……!」ハルナはスリープの攻撃を受けて後退しました。

「ハルナ……!」カーターが叫びました。

「大丈夫……!今ので目が覚めたよ……!」ハルナがよろめきながら体勢を立て直しました。

「マジカルブラスター!」ハルナがマジカルブラスターを召喚してスリープを攻撃しました。

 スリープはハルナの放った魔法弾を受けて怯みながらも、すぐさま体勢を立て直して再び左腕の爪でハルナを攻撃しました。

「うああっ……!」やはり激しい睡魔に見舞われているハルナはスリープの攻撃を避けることが出来ずにそのままスリープの攻撃を受けて転倒してしまいました。

「くっ……!やっぱりもうハルナには満足に戦えるだけの魔力が残っていないのか……!?」カーターが言いました。

「ウアッ!」スリープが倒れているハルナを左腕の爪で突き刺そうとしました。ハルナは横に転がってスリープの攻撃をかわしました。

「ハアッ!」ハルナが倒れた状態のままマジカルブラスターを発砲してスリープを攻撃しました。

「ウアアアッ……!」スリープがハルナの攻撃を受けて後退しました。

 ハルナがよろめきながら立ち上がりました。

「もうこれ以上の戦いはムリだよ!ここは一旦退こう!」カーターがハルナに言いました。

「ダメだよ、そんなの……!ここで私がアイツを止められなかったら、アイツが世界を滅ぼしちゃうかも知れない……!」ハルナが言いました。

「でも、このまま戦いを続けたとしても今のハルナの状態じゃアイツを阻止することなんて出来ないよ!」カーターが言いました。

「大丈夫……!きっと、出来るよ……!」そう言ってハルナがマジカルブラスターを構えました。

「まさかハルナ、この状態でまだ魔法を使うつもりじゃ……!?」カーターが言いました。

 体勢を立て直したスリープが構え直しました。

「マジカルフリーズ!」ハルナが魔法冷凍弾を撃ちました。

「ウアッ……!」スリープが魔法冷凍弾を受けて凍結しました。

「……。」ハルナがマジカルブラスターを下ろしました。

「これで一応ヤツの攻撃は封じることが出来たけど……。」カーターが言いました。「これ以上の魔力を消費してはダメだよ。でないとハルナが……。」

「うん……。」ハルナが言いました。

 そこへアオイのクローンが現れました。

「フフフ……。」アオイのクローンが言いました。

「あなたは……?」ハルナが言いました。

「もしかして……アオイ……?」カーターが言いました。

「アオイ……?」ハルナが言いました。

「かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法使いだよ。」カーターが言いました。

「ミサキさんと……?」ハルナが言いました。

「ドグマの元パートナーさ。」続けてカーターが言いました。

「ドグマの……!?」ハルナが言いました。

「でも今は病院にいるハズじゃあ……?」カーターが言いました。

「そうね。アオイなら今もまだ病院にいるわ。」アオイのクローンが言いました。

「それじゃあキミは……!?」カーターが言いました。

「私はアオイの細胞とD-ウイルスを組み合わせて作られたアオイのクローンよ。」アオイのクローンが言いました。

「アオイのクローン……!?」カーターが言いました。

「クローン……。ウイルスの力でそんなことまで出来るの……?」ハルナが言いました。

「いいえ、私が生まれたのはウイルスの力だけでは無いわ。アオイの細胞がD-ウイルスの力を取り込み成長したことで私が生まれた。言うなれば私が生まれたのは他ならぬアオイの力によるものね。」アオイのクローンが言いました。

「アオイの細胞にそんな力が……?」カーターが怪訝そうに言いました。

「うう……。」分からないことでいっぱいのハルナは再び睡魔に襲われつつありました。

「それにしても、辛そうね。」アオイのクローンがハルナに言いました。

「うん……。」ハルナが言いました。

「気をつけて!ヤツは闇の力で生まれた存在だ。敵だよ。」カーターが言いました。

「フフ、辛そうなあなたを私が助けてあげるわ。」アオイのクローンが言いました。

「何だって……!?」カーターが言いました。

「フフフ……!」アオイのクローンがハルナににじり寄りました。

「……。」ハルナはあまりの眠さでどうすることも出来ませんでした。

「ハルナ、しっかりするんだ!」カーターが叫びました。

「フフ……!」アオイがハルナにウイルスを注入しました。

「うう……!」ハルナは意識が朦朧として地面に跪きました。

「ハルナ……!」カーターが言いました。

「あなたの体に私のウイルスを送り込んだわ。」アオイのクローンが言いました。

「私に……ウイルス……?」ハルナが言いました。

「ムダだ!魔力を持つ者は闇のウイルスに対する完全な免疫がある!よってそのウイルスの効果は無効だよ!」カーターが言いました。

「それはどうかしら……?」アオイのクローンが言いました。

「何……!?」カーターが言いました。

「私を生み出す為に使われたD-ウイルスはアオイの細胞に取り込まれ、新たな形へと変化しているわ。」アオイのクローンが言いました。

「何だって……!?まさか……!」カーターが言いました。

「感染者の魔力が十分に多ければそのウイルスの力を抑制し、死滅させることも出来るかも知れない。でも、感染者の魔力が少なければ、たとえ魔力を持っていたとしてもウイルスの力を抑えきれずに発症し、アンデッドとなるわ!」アオイのクローンが言いました。

「そんな……!ハルナの魔力は……!?」カーターがそう言ってハルナを見ました。

「……。」ハルナは完全に眠っていました。

「フフ、相当疲れているようね。ゆっくりとお休みなさい。その間に私はこのウイルスの研究を行わせて貰うわ。それと、イオが以前開発したこの生物兵器も一応回収させて貰うわね。」そう言ってアオイのクローンは凍結したスリープと共に姿を消しました。

「くっ……!」カーターは言いました。

「……。」ハルナは眠り続けていました。

 こうしてこの日もハルナは世界の平和を守ったのでした。

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