最終戦争
登場人物
ハルナ:どこにでもいそうな女の子と見せかけて実は魔法少女。魔法の腕輪“マジカルチェンジャー”を使って変身し、魔法の拳銃“マジカルブラスター”を使いこなす。さらに“マジカルブースター”及び“マジカルバトライザー”によって高度な魔法の発動も出来る。
カーター:ハルナのパートナーであるネコのような容姿を持った妖精の男の子。持ち前の明るさと豊富な知識によりハルナの戦いをサポートする。
ミサキ:ハルナの先輩とも言える魔法少女。ハルナと同型の“マジカルチェンジャー”と魔法の杖“マジカルロッド”を駆使して戦う。
キャサリン:ハルナのパートナーでありカーターの双子の姉に当たる妖精。
サクラ:政府の組織に所属する魔法少女。ハルナの使用する物よりも高い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の自立安定一輪車“マジカルユニサイクル”を乗りこなす。
プラトン:サクラのパートナーであるカモノハシの容姿を持った妖精。冷静沈着で口数は少ない。
アオイ:かつてミサキと共に闇の力と戦った魔法少女。ハルナの使用する物よりも低い音声を発する“マジカルチェンジャー”で変身し、魔法の杖“マジカルワンド”を使いこなす。
クローディオ:闇の皇子でありながらも正義の心を持っており、ハルナのことをサポートしている。
クローディア:闇の皇女。蛇腹剣“ブレーデッドウィップ”で戦う。
ソリーサ:闇の幹部。闇の魔法で世界を脅かす。
シン:闇の幹部。闇の機械で世界を脅かす。
ケミル:闇の幹部。闇の薬で世界を脅かす。
ゼノ:闇の幹部。宇宙より邪悪な意思を持つ者を呼び寄せて世界を脅かす。
イオ:闇の幹部。闇の生物兵器で世界を脅かす。
名も無き研究者:ケミカルX研究所の所長。政府からは“X”と呼ばれている。高度な魔法の研究を行っており“1”から“12”までの人造魔法少女を開発している。
ハナコ:ハルナの元クラスメート。人造魔法少女に捕らえられてしまう。
突如として姿を現し街を破壊し始めたウォルダー星人Ⅲに対抗する為、ハルナとその仲間達はチームに分かれて三体の妖精達がそれぞれ所持する三つの魔法のアイテムを収集することにしました。
ハルナとその仲間達が魔法のアイテムを集めている間クローディオがプリンシパルダークネスに搭乗してウォルダー星人Ⅲを食い止めることになりましたが、闇の皇子であるクローディオの力を以ってしても強大な力を持つウォルダー星人Ⅲを倒すことは困難でした。
ハルナとミサキのチームは海の中に存在する魔法のアイテムを手に入れるべく、キャサリンと共に水中を走ることが可能な魔法の車を調達し、その魔法の車で海の中を移動していきました。
「もうすぐ目標地点に到達するハズよ。」ミサキが言いました。
「そこにリヴァイが守る魔法のアイテムが……。」ハルナが言いました。
「気をつけて。他の二体にも言えることだけど、リヴァイは強大な力を持った妖精よ。上手くやらないとエイリアンと戦う前にリヴァイにやられちゃうわ。」キャサリンが言いました。
「心配要らないわ、ケイト。」ミサキが言いました。「私とハルナちゃんなら、大丈夫!」
「ミサキさん……!」ハルナが言いました。
「ハアーッ!」クローディオがプリンシパルダークネスの操縦桿を動かしました。
その瞬間、プリンシパルダークネスがウォルダー星人Ⅲに向けて剣を振り下ろしました。
しかしウォルダー星人Ⅲは鳴き声を上げながら腕を振り上げ、振り下ろされた剣をへし折ってしまいました。
持っていた剣を折られたプリンシパルダークネスは怯みながら後退しました。
「くっ……!やはりあの戦いで力を使い過ぎてしまったか……!」クローディオが言いました。
ウォルダー星人Ⅲがプリンシパルダークネスに向かって歩き出しました。
「だがこれしき……!闇の皇子の力を舐めるなよ!」プリンシパルダークネスは折れた剣を手放すと、向かって来たウォルダー星人Ⅲと殴り合いを始めました。
ベヒートが要塞で腰掛けていました。
「ん……?」ベヒートが何かを感じ取った様子を見せました。「客か……。珍しいな。」
「このベヒート様の領域に足を踏み入れたこと、後悔させてくれる!」ベヒートが立ち上がりながら言いました。
ベヒートが要塞の外に出ました。
「何……!?」ベヒートが言いました。
サクラとモモがマジカルテックタンクに乗って要塞に近づいてきていました。
「バカな……!戦車だと……!?」ベヒートが言いました。
「よーし、行っちゃうよーっ!」モモが言いました。
「小癪な……!」そう言ってベヒートが掌から連続で魔法弾を放ち、マジカルテックタックに攻撃を仕掛けました。
マジカルテックタンクはベヒートの放った魔法弾により次々と爆発が起きる中をビクともせずに走り続けました。
「何だと……!?」ベヒートが言いました。
「主砲用意!」モモが言いました。
「了解!」サクラが主砲をベヒートに向けました。
「撃てーっ!」モモが言いました。
「発射!」サクラが主砲を撃ちました。
「ウアーッ……!」ベヒートが飛んできた魔法弾を受けて爆発と共にふっ飛ばされました。
「くっ……!おのれ……!」ベヒートがよろめきながら立ち上がりました。
「突撃ーっ!」モモがそのままベヒートに向けてマジカルテックタンクを走らせました。
「ウッ……!?ウアアアアアアアッ……!」ベヒートが向かってくるマジカルテックタンクに慄きました。
「ウアアアアアアアッ……!」ベヒートはマジカルテックタンクの体当たりを受けてそのまま爆発しました。
マジカルテックタンクはそのまま要塞の壁を突き破って止まりました。
「よし!」モモが言いました。
「後はここにあるとされる魔法の像を手に入れるだけだね!」サクラが言いました。
「うん!」モモが言いました。
一方、ハルナとミサキとキャサリンはリヴァイの水中要塞へと辿り着きました。
要塞内へと侵入したハルナとミサキとキャサリンはその魔法の車を降りてリヴァイの水晶を探し始めました。
そしてハルナとミサキとキャサリンはリヴァイのいる部屋へと入りました。その部屋の奥にリヴァイの水晶は置かれていました。
「待っていたぞ、人間達よ。」リヴァイが言いました。
「リヴァイ……!」キャサリンが言いました。
「妖精も一緒か……。まあ、そうだろうな。所詮人間だけの力ではここまで辿り着けまい。」リヴァイが言いました。
「単刀直入に言うわ。あなたの持つ水晶が必要なの。」ミサキが言いました。
「私の持つ水晶が必要だと?ハッハッハッハッハッ!これは傑作だ!」リヴァイが言いました。
「何が可笑しいワケ?」キャサリンが言いました。
「私が人間如きに大切な水晶を渡すと思っているのか?」リヴァイが言いました。
「あなたが水晶を渡してくれなければ、世界が滅びてしまうかも知れないわ。それでも良いの?」ミサキが言いました。
「世界……?そんなものどうなっても構わん。お前達人間に手を貸すくらいなら、喜んで世界の破滅を受け入れよう!」リヴァイが言いました。
「あなた……頭がおかしいんじゃないの!?」キャサリンが言いました。
「人間なんぞに力を貸して醜く生き永らえようとしている貴様に言われる筋合いは無いな。」リヴァイが言いました。
「フン!」キャサリンが言いました。
「どうしても私の持つ水晶が欲しいというのであれば、力尽くで奪い取ってみてはどうだ?」リヴァイが言いました。
「あなたが望むというのであれば、その勝負、受けて立つわ。」ミサキが言いました。「良いわよね、ハルナちゃん?」
「モチロン!」ハルナがマジカルブラスターを構えながら言いました。
「フン!ならば掛かって来るが良い!」リヴァイが言いました。
「行くわよ!」ミサキがマジカルロッドを構えながら言いました。
一方、ジーザは空中要塞から下にある雲を眺めていました。。
「人間共は雲の下に高さ六百三十四メートルの塔を建て、スカイツリーなどと呼んでいるようだが、たかがその程度の高さで「スカイ」と名を付けるなど実に滑稽だ!フハハハハッ!」ジーザが言いました。
「このネタでかれこれもう十年近く楽しんできたが、次のネタの投下はまだか?いや、“投下”は無理か、私の方が上に位置しているのだからな!フハハハハハハハッ!」ジーザが続けて言いました。
次の瞬間、無数の砲弾が要塞の壁を突き破ってジーザに降り注ぎました。
「何だ!?」ジーザが言いました。「この空の上に敵が来たのか!?」
ジーザが要塞の外に出ました。
「敵を誘き出すことに成功したぞ。」ヴァルキリーを操縦するシオンが言いました。
「飛んで火にいる何とやらね。」シオンと共にヴァルキリーに乗るランが言いました。
「ロケット弾発射!」シオンが言いました。
その瞬間、ヴァルキリーからロケット弾が発射され、ジーザに直撃しました。
「そんな……バカなーっ……!」ジーザはロケット弾を受けて爆発しました。
「敵を撃破!目標地点へと着陸する!」そう言ってシオンはヴァルキリーを空中要塞へと着陸させました。
その後シオンとランは要塞内で魔法のケースに入れられた魔法の護符の束を見つけました。
「これがジーザの護符か……。」シオンが言いました。
「福澤諭吉のイラストが描かれているわ!」ランが言いました。
「人間との関りを避けてはいても、人間に興味が無かった訳では無いようだな。」シオンが言いました。
「そのようね。」ランが言いました。
「急いで爆弾を設置し、ここを脱出するぞ。」シオンが言いました。「我々がここへ来たという証拠は残さないよう注意を払え。」
「分かってるわ。それが任務の基本よね。」ランが言いました。
シオンとランはジーザの護符を持ってヴァルキリーへと戻り、離陸と同時に設置した魔法の爆弾で空中要塞を爆破しました。
ウォルダー星人Ⅲが腕を振り下ろし、プリンシパルダークネスを攻撃しました。
プリンシパルダークネスはウォルダー星人Ⅲの攻撃を受けて怯みながら後退しました。
「くっ……!」クローディオが言いました。
ウォルダー星人Ⅲが鳴き声を上げながら光線を吐き出しました。
プリンシパルダークネスにウォルダー星人Ⅲが吐いた光線が直撃しました。
「ここまでか……!脱出!」クローディオはプリンシパルダークネスのコックピットから脱出しました。
プリンシパルダークネスはそのままウォルダー星人Ⅲの光線を受け続け、爆発しました。
「俺に出来ることはここまでだ。後は自分達で何とかしてくれ。」とある建物の屋上に着地したクローディオが呟きました。
シオンとランの乗ったヴァルキリーが町の上空へと戻りました。
「ん……?あのエイリアンと戦っていた巨大ロボットがいないぞ。倒されたのか?」シオンが言いました。
「目標のアイテムを手に入れたわ。」ランがカーターに言いました。「このままそっちへ戻れば良い?」
「いや、手に入れた護符を町中にバラ撒くんだ。」カーターが言いました。
「どういうことだ?」シオンが言いました。「それがツバキの作戦なのか?」
「うん。ジーザの作った魔法の護符には一時的に魔法の結界を張る効果があるらしい。町全体に結界を張ってこちらに有利な状況を作り出すんだ。」カーターが言いました。
「そういうことならやってみるわ!」ランが言いました。
ウォルダー星人Ⅲがヴァルキリーに向けて光線を放ちました。
「くっ……!」シオンがヴァルキリーの高度を下げて光線をかわしました。
ウォルダー星人Ⅲはビルの合間へと隠れたヴァルキリーを見失い、鳴き声を上げました。
「よし、護符をばら撒け!」シオンが言いました。
「良いわ!」ランがビルの合間を飛ぶヴァルキリーからジーザの護符をばら撒き始めました。「最高の任務ね。」
一方、サクラとモモもベヒートの像を手に入れ、爆発炎上する要塞を背にマジカルテックタンクで移動していました。
「後はこの像を研究所に届けるだけ!」サクラが言いました。
「これで巨大ロボットが完成するね!」モモが言いました。
「他のチームが上手くやってくれればの話だけど……。」サクラが言いました。「ハルナさん……!」
ハルナとミサキはリヴァイと戦っていました。
「ハアッ!」ハルナがマジカルブラスターを撃ちました。
「マジカルボール!」ミサキがマジカルロッドの先端から魔法弾を放ちました。
「フン!」リヴァイが左手をかざすと同時に魔法の壁が生成され、ハルナとミサキの攻撃が弾かれました。
「ああっ……!」ハルナが言いました。
「えっ……?」ミサキが言いました。
「ハアアッ!」リヴァイが右手から複数の稲妻を放ってハルナとミサキを攻撃しました。
「うわああっ……!」ハルナが怯みました。
ミサキは腕を前に出した状態で姿勢を低くしてリヴァイの攻撃を凌ぐと、すぐさま体勢を戻して走り出しました。
「ハアアッ!」ミサキが走りながらリヴァイに向けてマジカルロッドを振り下ろしました。
「フンッ!」リヴァイが剣を召喚し、その刃でミサキの攻撃を防ぎました。
リヴァイはそのままマジカルロッドを押しのけ、ミサキを怯ませました。
「ハアアッ!」リヴァイがミサキを切りつけました。
「キャアアッ……!」ミサキが後退しました。
「ハアアッ!」体勢を立て直したハルナが再びマジカルブラスターを撃ちました。
「フン!」リヴァイが剣を振ってハルナの放った魔法弾を弾きました。
「ハアアッ!」リヴァイが剣を振ることによって召喚される神秘的な刃を放ってハルナを攻撃しました。
「うわあああっ……!」ハルナがリヴァイの放った神秘的な刃を受けて転倒しました。
「強い……!」ミサキが体勢を立て直しながら言いました。
「ウワサ通りの実力のようね……。」キャサリンが言いました。
「一気に行くぞ!」そう言ってリヴァイが剣の刃を指でなぞると同時に、その刃に稲妻のような魔力が纏わりました。
「ハアアアッ!」リヴァイが稲妻のような魔力を纏った刃をミサキに向けて振りました。
「ハアーッ!」ミサキも力一杯マジカルロッドを振ってその刃を受け止めました。
マジカルロッドとリヴァイの剣が激突したその瞬間、その刃が纏っていた稲妻のような魔力が周囲へと広がり、窓に亀裂が入りました。
要塞内に警告音が鳴り響き、要塞が浮上し始めました。
「あ……!」ミサキがリヴァイから距離を取って辺りを見回しました。
「要塞が浮上していくわ。」キャサリンが言いました。
「これって……?」ハルナが立ち上がりながら言いました。
「よくも私の要塞を……!」リヴァイが言いました。「だが、私の要塞を破壊したところでどの道お前達はここから生きては帰れん!」
「いいえ!」ミサキが言いました。「私達はあなたを倒し、水晶の力で世界の平和を守り抜くわ!」
「猪口才な!」リヴァイが言いました。「人間の分際で……!」
「人間は立派よ!」キャサリンが言いました。「あなたは人間の良さを理解していないだけだわ!」
「人間に良さなどあろうハズが無い!人間よりもイルカの方がまだマシだ!」リヴァイが言いました。「どうせ頼るなら魔法少女などでは無く魔法イルカを頼るべきであったな!」
「そんなイルカいるかー!」キャサリンが言いました。
サクラがツバキにベヒートの像を渡しました。
「これでフレームを完成させることが出来るな。」ツバキが言いました。
「制御プログラムの方はバッチリだよ!」カエデが言いました。
「空チームもそろそろ結界を張り終える頃だろう。」ツバキが言いました。「後は海チームの成功を祈るのみだが……。」
「闇の皇子の巨大ロボットが大破して、街への被害が拡大してるんだよね……。」カエデが言いました。
「よし、それじゃあ私は戦車に戻ってモモと一緒にエイリアンの気を引くよ!」サクラが言いました。
「死ぬ気かい、サクラ!?」カエデが言いました。
「大丈夫!その前にハルナさんが戻って来るって信じてる!」サクラが言いました。
「サクラ……。」カエデが言いました。
「それじゃあこちらもハルナが戻り次第すぐに戦いを始められるように準備を進めておくとしようか。」ツバキが言いました。
ランがジーザの護符を撒き終えました。
「諭吉を撒き終えたわ。」ランが言いました。
「巨大ロボットが完成するまでの間あのエイリアンを攻撃した方が良いか?」シオンがカーターに訊ねました。
「いや……空チームにはまた別の場所へと向かって欲しいんだ。」カーターが言いました。
「何……?」シオンが言いました。
「今度は東京駅に行って紙幣寮のトップにでも会ってくれば良い?」ランが言いました。
「いや、ウミイルカに行って欲しい。」カーターが言いました。
「どこだそこは!?」シオンが言いました。
「むしろ場所の名前なの?」ランが言いました。「ウミイルカに行って誰に会うワケ?まさか……イルカ……?」
「ウミイルカってのはリヴァイの領域の名前だよ!知らなかったの!?」カーターが言いました。
「知らん!」シオンが言いました。
「政府の情報に三妖精の領域の名前なんて無いわ。さっき私達が倒した妖精の領域は何て言うの?ソラワシ?」ランが言いました。
「ライジング・エアー・カレント。」カーターが言いました。
「な……!」ランが言いました。
「フン。今となってはソラワシの方がしっくりと来るな。」シオンが言いました。
「そんな話をしている場合じゃ無いよ!」カーターが言いました。「海チームの作戦が遅れてる。援護に行って欲しい。」
「分かった。」シオンが言いました。
「ひょっとしたらウミイルカにイルカがいるかも知れないけれど、無視して構わないよ。」カーターが言いました。
「当たり前だ。」シオンが言いました。
「うん……。」カーターが言いました。
ウォルダー星人Ⅲが鳴き声を上げながら腕を振り下ろし、建物を破壊しました。
サクラとモモの乗ったマジカルテックタンクがウォルダー星人Ⅲの傍に停まりました。
「撃てーっ」モモが言いました。
「うん!」サクラが主砲を撃ちました。
ウォルダー星人Ⅲはマジカルテックタンクの主砲から放たれた魔法弾を受けましたが、ビクともせずに鳴き声を上げました。
「攻撃が効かない……!」サクラが言いました。
「怯んじゃダメだよ!もう一発!」モモが言いました。
「うん……!」サクラがもう一度主砲を撃ちました。
「ハルナさん……!」サクラが言いました。
リヴァイの水中要塞が海上に出ました。
「完全に浮上したようね。」キャサリンが言いました。
「時間が経ち過ぎてるわ……!」ミサキが言いました。
「フン!」リヴァイがミサキを切りつけました。
「キャアッ……!」ミサキが怯みました。
「ハアッ!テヤアッ!」リヴァイが怯んだミサキをさらに二度切りつけました。
「あああっ……!」ミサキが床に倒れ込みました。
「ミサキ……!」キャサリンが言いました。
「ハアーッ!」ハルナがマジカルブラスターを構えながらリヴァイに向かって走り出しました。
「ん……!?」倒れ込んだミサキに追撃を仕掛けようとしていたリヴァイがハルナの方を見ました。
「マジカルショット!」ハルナが走りながら魔法散弾を二発連続で放ちました。
「くっ……!」リヴァイが魔法散弾を受けて怯みました。
「ハアアッ!」ハルナが怯んだリヴァイにパンチを繰り出しました。
「フン!」リヴァイはすぐさま体勢を立て直し、右手に持った剣でハルナの拳を受け止めました。
「ああっ……!」ハルナが言いました。
「ハアアッ!」リヴァイが左手から魔法弾を放ってハルナを攻撃しました。
「うあっ……!」ハルナは至近距離から放たれた魔法弾を受けて怯みました。
「人間風情がいつまでもちょろちょろと……!」そう言いながらリヴァイは剣を構え直しました。
「あっ……!」ハルナが体勢を立て直せないまま声を上げました。
「リヴァイブレード……!」リヴァイが構えた剣を円を描くように回しました。
「海月斬り!」リヴァイが剣を振り下ろしました。
「うわああっ……!」ハルナがリヴァイの振り下ろした剣の刃を受けて床に倒れ込みました。
「ハッハッハッハッハッハッ!ハッハッハッハッハッハッハッハッ!」リヴァイが笑い声を上げました。
「くっ……!ううっ……!」ミサキがよろめきながら立ち上がりました。
「ん……?」リヴァイがミサキの方を見ました。
「私達は……負けないわ!」そう言ってミサキがマジカルロッドを構え直しました。
「何を言うか!ハッハッハッハッハッ!」リヴァイが言いました。
その瞬間、無数の砲弾がリヴァイに降り注ぎました。
「ウアアアッ……!何……!?」リヴァイが怯みながら言いました。
「アレは……!」ハルナが倒れ込んだまま窓の外を見上げて言いました。「ヴァルキリー……!」
「人間の兵器か……!?」リヴァイが言いました。
「今よ、ミサキ!」キャサリンが言いました。
「ええ!」ミサキが言いました。
「な……!」リヴァイが言いました。
「マジカルストリーム!」ミサキがマジカルロッドの先端から魔法線を放ってリヴァイを攻撃しました。
「ウアアアアアアアッ……!」リヴァイが魔法線を受けました。
「む……無念だ……!だが……お前達人間にこの世界の平和は守れん……!この世界は滅びる……必ずな……!アアアッ……!」そう言ってリヴァイはそのまま爆発しました。
シオンはリヴァイの水晶を回収したハルナとミサキをヴァルキリーに乗せると、ロケット弾でリヴァイの要塞を破壊してから町へと戻り始めました。
マジカルテックタンクの主砲から魔法弾が放たれましたが、ウォルダー星人Ⅲはその攻撃を意に介さず、鳴き声を上げながら光線を吐いて周囲の建物を破壊しました。
「ダメだ……!どうにもならな過ぎる!」サクラが言いました。
「こうなったら特攻するしか無い!」モモが言いました。
「えっ……!?それはダメでしょ!?」サクラが言いました。「それやるなら降りるよ?」
「えーっ……!?一人じゃ行きたくない!」モモが言いました。
「じゃあ行くの止めよう。」サクラが言いました。
そこへハルナとミサキとキャサリンとシオンとランがヴァルキリーに乗ってやって来ました。
「みんな……!」モモが言いました。
「ハルナさん……!」サクラが言いました。
ハルナとミサキがドアガンを撃ち、ランがターレットを操作してウォルダー星人Ⅲを攻撃し始めました。
さらにヴァルキリーからロケット弾が放たれ、ウォルダー星人Ⅲに直撃しました。
「ツバキが今から新しい巨大ロボットをそっちに召喚する!それに乗ってコックピットに水晶をセットするんだ!それで動き出す!」カーターが言いました。
「ハルナちゃん……!」ミサキが言いました。
「はい……!」ハルナが言いました。
ハルナがリヴァイの水晶を持ってヴァルキリーから飛び降りました。それと同時に巨大ロボット“マジカレジェンド”が召喚され、ハルナはそのコックピットへとワープしました。
「ん……?」ソリーサが言いました。
「何だ……アレは……!?」ゼノが言いました。
ハルナがコックピットにリヴァイの水晶をセットすると同時にジーザの護符の魔力を取り込んでマジカレジェンドが起動しました。
「マジカレジェンド!」そう言ってハルナがマジカレジェンドの操縦桿を動かすと同時に、マジカレジェンドが構えました。
「バカな……!」ゼノが言いました。「新たな巨大ロボットだと……!?」
ウォルダー星人Ⅲが口から光線を吐いてマジカレジェンドを攻撃しました。
「その攻撃は無効だよ!」マジカレジェンドが自身の周囲に魔法の壁を生成し、ウォルダー星人Ⅲの攻撃を防ぎました。
ウォルダー星人Ⅲが鳴き声を上げました。
「みんなで力を合わせて完成させたこの巨大ロボット、その力を見せてあげるよ!」そう言ってハルナが操縦桿を動かしました。
「アルティメットビーム!」マジカレジェンドの胸部から魔法線が放たれました。
ウォルダー星人Ⅲはマジカレジェンドの放った魔法線を受けて鳴き声を上げながら消滅しました。
「やった!」サクラが言いました。
「うん!」モモが言いました。
「やったわね、ハルナちゃん!」ミサキが言いました。
「三体目のウォルダー星人が……倒されてしまった……!」ゼノが言いました。
「ハッハッハッハッハッ……!信じらんねえ!つーか、使えねえ!」ソリーサが言いました。「ゼノのヤツ、アレだけ自信満々だったのに、失敗しちまうとはな……。だが……!」
ハルナとミサキとサクラとシオンとランとモモはツバキの研究所へと戻って来ました。
「お見事!」ツバキが言いました。「作戦は無事成功したようだね。」
「ああ。」シオンが言いました。
「エスプレッソを用意しておいたよ。」カエデが言いました。
「ああ。先日予算を使ってこの研究所にエスプレッソマシンを導入したんだ。」ツバキが言いました。
「ボクはてっきりエスプレッソマシンに似せた魔法の装置なんだと思ってたよ。」カーターが言いました。
「せっかくだから、みんなで頂きましょう。」ミサキが言いました。
ハルナとミサキとサクラとシオンとツバキとカエデとランとモモはカップの置かれたテーブルを囲むと、エスプレッソの注がれたカップをぞれぞれ手に取りました。そして八人は手にしたカップを打ち付け合うと、エスプレッソを一気に飲み干してカップをテーブルに置きました。
こうしてこの日もハルナは仲間達と共に世界の平和を守ったのでした。