研究所への道
その日、ハルナはツバキの研究所を訪れました。そこにはツバキの他にサクラもいました。
「サクラの救出に成功したようでなによりだよ。」ツバキが言いました。
「はい。」ハルナが言いました。
「でも悪いね。君がサクラの救出を行っている間Xの件に関しては進展無しだ。」ツバキが言いました。
「Xが何か危険な研究を始めたんですよね?」サクラが言いました。
「ああ。具体的なことは調査中だが、状況からして何かしていることは間違い無いだろう。」ツバキが言いました。
「で、その調査の続きを行えば良いんですよね?」ハルナが言いました。
「ご名答!」ツバキが言いました。「このままアズサ達に任せていても埒が明かなさそうだしね。」
「分かりました。」ハルナが言いました。
「私も行きます。Xの問題が深刻化したのは私が闇の力への対処にしくじったせいでもありますし、挽回させてください!」サクラが言いました。
「うん!行こう、サクラちゃん!」ハルナが言いました。
「はい!」サクラが言いました。
「変身!」ハルナとサクラが変身しました。
マジカルテックサイクルに乗ったハルナとマジカルユニサイクルに乗ったサクラがマジカルX研究所に向かって通りを移動していました。
次の瞬間、ハルナとサクラの前に10が立ちはだかりました。ハルナとサクラは慌てて乗り物を止めました。
「あなたは……!?」ハルナが言いました。
「アハハハッ……!変身!」10が変身しました。
「人造魔法少女……!」サクラが言いました。
「今度は何番?」ハルナが言いました。
「はあ?ちょっとウザいんだけど……?」10が言いました。
「何……?」サクラが言いました。
「名前とか別にどうでも良くない?」10が言いました。
「確かにどうでも良いけど……でも、気になるじゃん。」ハルナが言いました。
「私は10。これで満足?」10が言いました。
「うん。」ハルナが言いました。
「あっそ……。それにしても、この間11にボコられたばっかなのにまた来るなんて、随分と気合入ってんじゃん。」10が言いました。「それで今度はお仲間も一緒なワケ?」
「ボコられてなんかいないよ!」ハルナが言いました。「まあ、確かに、仲間は連れて来たけど……。」
「アッハハハハッ!だっさーっ!」10が言いました。
「ハルナさんをバカにするな!」サクラが言いました。
「はあ?何言っちゃってるワケ?」10が言いました。「きもー。」
「こうなったらダサくても構わない!」ハルナが言いました。
「は……?」10が言いました。
「サクラちゃん、コイツは私が何とかするから、その間に研究所に乗り込んで!」ハルナがマジカルテックサイクルから降りながら言いました。
「アッハハッ!何そのセコい考え!?」10が言いました。「なんか考えることが超ズルいじゃん!」
「政府の仕事だからね。」ハルナが言いました。
「アハッ……!良いよ!別に一匹くらい取り逃がしたってどうだって良いし……。」10が言いました。
「サクラちゃん……!」ハルナが言いました。
「はい……!」サクラはそのままマジカルユニサイクルを走らせ10の脇を抜けてマジカルX研究所へと向かいました。
「研究所には11に12、それに2もいるんだし、一人で行っても無駄死にだっつーの……。」10が言いました。
「もしサクラちゃんが一人で行って勝てないって言うんなら、ここで私の足止めをしたあなたの死は少なくとも無駄じゃなくなるってことだね。」ハルナが言いました。
「はあ?何ワケ分かんないこと言ってんの?」10が言いました。
「分かり易かったでしょ?」ハルナが言いました。「要するに、とっととあなたを倒すってことだよ!」
「アッハハハッ!良いよ、やれるもんなら!アンタなんか速攻消し炭にしちゃうんだから……!」10が言いました。
「マジカルブラスター!」ハルナがマジカルブラスターを撃ちました。
「アハハハッ!」10が手から魔法火炎弾を放ってハルナの攻撃を相殺しました。
「行くよ?それっ!」10が続けて魔法火炎弾を放ちました。
「フッ!」ハルナは横に転がって10の攻撃をかわしました。
ハルナがかわして魔法火炎弾が地面に落ちて爆発しました。
「ハアッ!」ハルナが再びマジカルブラスターを撃ちました。
「ムダだっての!」10が右手に魔法の炎を纏わせてハルナの放った魔法弾を握り潰しました。
「ウソ……!?」ハルナが言いました。
「アンタの攻撃力じゃ私には勝てない。」10が言いました。
「アッハハハッ!」10が掌から魔法の火炎を放射してハルナを攻撃しました。
「うわああああああっ……!」魔法の火炎を浴びてハルナが叫びました。
10の攻撃が終わり、ハルナが地面に膝をつきました。
「どう?命乞いでもする気になった?」10が言いました。
「くうっ……!」ハルナが地面に膝をついたままマジカルブラスターを撃って10を攻撃しました。
「キャアッ……!」10がハルナの攻撃を受けて怯みました。
「グウウウッ……!」体勢を立て直した10がハルナを睨みつけました。
ハルナが立ち上がりました。
「ハアアッ!」10が魔法の火炎を放ちました。
「フッ!」ハルナが横に転がって10の攻撃をかわしました。
「ハアッ!」10が続けて魔法の火炎をかわしました。
「うあっ……!」ハルナがもう一度10の攻撃をかわそうとしましたが、かわし切れずに地面に倒れ込みました。
「ハアッ!」10が素早く立ち上がろうとするハルナに向けて魔法火炎弾を放ちました。
「うあああっ……!」ハルナが10の攻撃を受けてふっ飛ばされました。
「アッハハハッ!所詮アンタなんかじゃ私には勝てないっつーの!」10が言いました。
「ううっ……!」ハルナがよろめきながら立ち上がりました。
「何?まだやる気なワケ?」10が言いました。「攻撃力の違いは思い知ったでしょ?」
「いいや、まだだよ……!」ハルナが言いました。
「ウッザーっ……。なんか燃やしたくなっちゃうんだけど……?」10が言いました。
「ハアアッ!」ハルナがマジカルブラスターを撃ちました。
「アハハッ!」10が右手に魔法の炎を纏わせてハルナの攻撃を受け止めようとしました。
「キャアッ……!」ハルナの攻撃を握り潰そうとした10でしたが、ハルナの攻撃を受け止めきれずに怯んでしまいました。
「な……何……?」10が体勢を立て直しながら言いました。
「あなたに私を燃やすことなんて出来ないよ、私の心にはあなたの炎よりももっと熱い炎が燃え盛っているんだから、“正義”って名前の炎がね!」ハルナが言いました。
「ありえなーい!」10が言いました。
「ハアーッ!」ハルナがマジカルブラスターに魔力をチャージしました。
「くうううっ……!」10が声を上げました。
「マジカルブラスト!」ハルナがマジカルブラスターから大きな魔法弾を放ちました。
「ハアーッ!」10が両手から魔法の火炎を放射してハルナの攻撃を受け止めました。
ハルナの放った大きな魔法弾は10の放った魔法の炎を浴びて空中で爆発しました。
「くっ……!」ハルナが言いました。
「アッ……!アハハハッ……!アンタがどんだけ粋がったところで、攻撃力は私の方が上なんだから!」10が言いました。
「ハアアアアアアアッ!」10が手を上に掲げ、頭上に大きな魔法火炎弾を生成し始めました。
「あっ……!」ハルナは10が生成し始めた大きな魔法火炎弾を見て思わず息をのみました。
「アッハハハッ!せーのっ!燃えちゃえーっ!」10が生成を終えた大きな魔法弾をハルナに向けて放ちました。
10の放った大きな魔法火炎弾が爆発しました。
「アッハハハハハハハハハハハッ!」10が笑い声を上げました。
「あっ……?」爆発の炎が収まると、そこにハルナの姿はありませんでした。
10が慌てて振り返ると、そこにマジカルブースターを起動したハルナが立っていました。
「な……!何……!?」10が言いました。
「あなたが攻撃を行った瞬間、マジカルブースターを起動して私は瞬間移動を行った。目標を失ったあなたの攻撃は無効になったんだよ!」ハルナが言いました。
「そんな……!私の攻撃が……無効に……!?」10が言いました。
「フッ!」ハルナがフェイタルアーツを発動しました。
「えっ……!えいっ!」10が苦し紛れに魔法火炎弾を放ちました。
ハルナは空中へと移動して10の攻撃をかわしました。
「マジカルキック!」ハルナは空中から跳び蹴りを繰り出しました。
「キャアアアアアアアッ……!」10はハルナの攻撃を受けてふっ飛ばされました。
ハルナは着地して地面に倒れ込んだ10を見つめました。
「ウッ……!ウウッ……!」10が地面に倒れ込んだまま呻き声を上げました。
「な……何で……?体が動かない……!」10が言いました。
「私の勝ちみたいだね。」ハルナが言いました。
「アッ……!アハハハッ……!もう信じらんなーい、私が負けちゃうなんて……!」10が言いました。
「私かにあなたは強敵だったよ。でも、この勝負は私の勝ち。」ハルナが言いました。
「アハッ……!でもまあいっか……この先に行ったってアンタなんかに勝ち目は無いんだし……。」10が言いました。
「いいや。勝つよ、私は。」ハルナが言いました。「Xの野望を阻止して世界の平和を守ってみせる!」
「ゼッタイにムリ……!アンタなんか死んじゃえ……!アアッ……!」そう言って10は力尽き消滅しました。
「やれやれ……。結構時間を取られちゃったけど……。急がなくちゃ……。」そう言ってハルナはマジカルテックサイクルに乗りマジカルX研究所へと向かいました。
その頃、サクラはマジカルX研究所の前に辿り着いていました。
「ここが……Xの研究所……。」サクラがそう呟いてマジカルユニサイクルを降りました。
「この先に……Xが……。」サクラが呟きました。
そしてサクラはマジカルX研究所の中へと歩き出したのでした。
次回へ続く!