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聖女よ



  聖女よ。





 その恋は、貴女を幸せにしますか。

 

 神の前で宣言できますか。


 貴女は聖女です。


 それは貴女の人生について廻ります。


 貴女の行動が人々の手本なるのです。


 理想になるのです。


 貴女が複数の妻のひとりになることが、どれ程人々を悲しませるか。


 その行為は一夫多妻を容認すると言っているのと同じです。


 夫が自分以外の妻を持っている人たちの感情を否定することになるのです。


 満たされることがない独占欲。絶え間なく訪れる嫉妬心。自身の存在を帯やかれる不安。


 そこから生まれる、悲しみ。苦しみ。恨み。憎しみ。怒り。嘆き。


 そんな当たり前の感情を、否定されるのです。


 聖女とて、そんな感情を持っているでしょう。


 しかし、聖女は負の感情を出すことができない。聖女らしくありませんから。


 幸せそうに見せるしかないのです。


 そうなると、さらに女性たちを苦しめてしまいます。


 女性をはべらかす男たちに言われるでしょう。


 聖女を見習え、と。


 聖女のように寛大になれ、と。


 聖女のように共に悦べ、と。


 あれが目指すべき理想だ、と。


 貴女なら想像できるでしょう。


 どんな悲劇が待ってるか。

 

 他人の痛みを自分の痛みのように感じる貴女ならわかるでしょう。





 聖女に誰も愛するなと言っているのではありません。


 恋をしてもいいのです。


 ただ、お相手には聖女を一途に愛する方でなければなりません。


 聖女は特別な存在。


 貴女を貴べる方でなければならないのです。


 艶福家の妻になれるほど、聖女の地位は安くないのです。




 聖女よ。


 その恋は貴女を幸せにしまいますか。


 よく考えてください。




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