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私って、、、、


何やってるのかしら。


私と王女の侍女が川で洗濯していると、明るい悲鳴が聞こえた。


そして、バシャンと大きな音と大きな水飛沫。私たちは盛大に水を被る。


水のカーテンが消えた後、川に投げ込まれたものを見た。

半裸の若い男が倒れていた。


侍女が彼の名を呼びながら駆け寄り、抱き起こす。先ほどの水飛沫ですでに濡れていたが、服がさらに水を含む結果になってしまった。


男が侍女の胸に頭をすり寄せながら言った。


「…水浴びをしようと、川辺に行ったら、彼女たちが先客でいたんだよ」


 私たちは溜まった服の汚れを落としていたが、私たちが世話をしている女性たちは上流で、体の汚れを落としている。その中に彼は乱入したということだ。


「それは、勇者様が悪いです。さあ、水からでましょう。傷口は塞がっていても、まだ万全の体調ではないのですから」


「確かに万全とは言えないが、ブランカが看病してくれたおかげで、この程度のことは大丈夫だよ」


勇者のアントは侍女のブランカを抱き上げて、立ち上がる。


 ブランカは男が鍛えられた体にうっとりと頬を寄せている。


少しふくよかな彼女を抱き上げても、しっかりとした足取りを見て、彼の言っていることは事実だろう。


「つまり、聖女であるロレーヌ様の肌を見たと言うことですか?」


川より上がってきたアントに怒気を込めて尋ねた。

背の高い彼より頭二つ分は小さい私では迫力がないのは、分かっていたが伝わったようね。


「…………」


それなら、ヤることは一つ。

ブランカを下ろしたのを見届けてから、私の蹴りでもって、再び川の中に送ってヤった。


推定11歳である私でも、少々はしたない行為あった。


「アント様ぁ〜」


 ブランカは、先ほどと同じように駆け付けようとしたが、洗濯物に足を捕られ、見事に転けた。


そういや、この子ドジっ子属性持っていたわね。あ〜ぁ、洗濯やり直しだ。


8歳も年上の彼女に失礼な事を考えていた。


でもね、どうせこの後、二人でいちゃつくのでしょ。


勇者は王女の婚約者でしょうに、王女専属の侍女としてはいいの?


 まあね、勇者のほうもすぐに女性の手を握りたがるし、女魔法使いに抱きついていたし、踊り子には抱きつかれていた。

 ある夜に辺境泊の姫と二人で消えた思ったら、次の日に商家の娘とキスをしていたのよね。

 

 ん。


 これって、もしかして、勇者、ハーレム作ってない?


 これは疑問思うことじゃない。確定だ。


 正式に婚約するのは王都に戻ってからだけど、王が魔王を倒した者に褒美として王女との結婚を明言していた。よって、勇者と王女が婚約するのは時間の問題。


 そんな状態でいろんな女性を側に置く、いや置くだけじゃない、受け入れてるこの現状は、ハーレム作っていることは確定している。おまけ要素の王女の侍女まで手を出している。


 この間、聖女様にキスを強請っていた。今はあの方を口説いているところなのだろう。


 んん。


 一応、わたしは生物上は女であるけど、まだお子様…::…・*


 この前、私より年上だけど、私より幼く見える村娘を膝の上に乗せていた。デレデレで。


 つまり、勇者にとって私も守備範囲に入る。


 それに私は聖女付きの巫女、分かり易くいうと、聖女の小間使い。王女の侍女と同じようなポジション。


 んんんん。


 まさか、わたしも勇者のハーレムに入れられる!?


 加入されられても、聖女のおまけ、もっと言うと「ついで」しかない。


 ふふふ。


 そんな人生、いや――…・


 冗談じゃないわ――――


 その場から逃げ出した。



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