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不要不急なつぶやき

 バレンタインデーの時、迷いつつ皆で食べられる缶入りチョコを職場へ持っていきました。

 女性が梨鳥だけの事務所な上に、初の女性従業員だったので「今まではこうしてた」が無くて本当に迷った。今まで周りの女性に流されるまま、「どうするか」を決めて来た。

 それは職場の『ベスト』であるはずだからだ。

 職場によって『ベスト』は変わる。

 めっちゃチョコあげたいお局がいればめっちゃチョコあげないかんし、私サバサバ系だからそういうのは別に……っていうお局がいればめっちゃサバサバしなかん(当日はハッカ飴しかダメくらいに甘い物は厳禁である)

 たまに世代交代の為「今まではこうしてた」の更新はあれど、もしもそれが不況を買っても女性「たち」の連帯責任であって、罪なんて分散されてあってないようなものである。

 でも今回は自分で築き上げねばいけない状態になっていまいました。

 

 そこはかとなく期待されているのではないか?

 なんかこう、アットホームさを盛り上げた方がいいのではないだろうか?

 しかし、お返しの事を考えられると面倒くさい。(男性側だってお返しが面倒くさいに決まっている)

 だがしかし、何もなくスルーするのもどうなの。

 日頃の感謝を事あるごとに伝えたいけど恥ずかしいから、普段の十分の一位に感情を押し殺して皆と接しているが、バレンタインにあやかって開放するのも悪くないのでは?(ただしチョコレートという形での発散)

 なんか他にも色々考えた。

 友愛と感謝と打算とか虚栄心などなど、良いものも悪いものも一緒くたに梨鳥の胸で混ざり合った。 

 バレンタインデーが、こんなに混沌としたものだとは思わなかった。

 で、結局『バレンタインチョコわたしも食べたい』という本能に従いました。

 当日、遠巻きに華やかな缶を気にする男性陣……なんかすごく緊張しました。

 

「バレンタインチョコ買ってきたので、食べてくださいね!」


 と、謎の恥ずかしさで半ギレ気味に伝えて、バレンタインデーは無事に終わりました。

 

 * * * *


 そして、ホワイトデーが近づいてきました。

 休みの日だったのでどうせうやむやになるだろう、と思いました。(それも計算してバレンタインGOした)

 しかし、休みの前日にSさんがホワイトデー用のお菓子をくれました。Sさん……。典型的なオジサンなのに、お返しとかするんだ……さすが昭和生まれバブル育ち……と、ジーンとしたものの、気を使わせて申し訳なくなりました。

 バレンタインデーは、どうも失敗したっぽいな……という気持ちになりました。

 本能に従うと碌な事がないなと思いました。

 そして休み明け、梨鳥の大好きな上司が、


「梨鳥さん、これ……ホワイトデーです!」


 と、追い打ちをかけてきました。

 なんかおしゃれな贈り物を頂いたので、申し訳ない気持ちでいっぱいになって


「お気遣いありがとうございます、嬉しいです……!」


 と、お礼を言うと、彼はそわそわと贈り物を指さし


「はい! これはものすごく特別で、特例措置と言いますか、一生に一度で、もう一生ありませんから!」


 と、仰せになられました。




 あの……梨鳥の上司ちょっと変わってるんです……。梨鳥は彼のこういう「!?」ってところが好きなのですが、皆さんはどうでしょうか。

 取り合えず、バレンタインデー失敗は明白です。

 チョコは人にあげるものじゃない。自分で食うものだと固く胸に誓ったのでした。

 

 それにしても衝撃の一言でした。

 もう一生ないくらいの驚きの体験、皆さんはありますか?

 皆さん、今まさにコロナウイルスの脅威に驚かれているところでしょう。

 わたしは今日その事を書きたくて筆を取ったのだけれど、なんか皆同じような体験しとるだろうなと思ったのでオリジナリティのある話題で締めたいと思います。

 多分暇になるので、気が向いたらまた近いうちに。

 皆さんどうか、ご無事でいてください。


 

 

 

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― 新着の感想 ―
[良い点] 空気って、じわじわ伝わってくものじゃないですか。 「チョコレートあげなかん」って空気も、「病気怖い」って空気も、じわじわきます。 誰かが何か言い出すと、そこでじわっ。二人目が言い出して、ま…
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