ア”ア"ア”……ン、ウゥン……
先日誕生日を迎えました。「え!?」って聞き返したくなる様な年齢になって、人生を振り返り反省をしようと思いましたが何を反省したらいいかもわかりません。
会社で先輩に『解らない事あったら聞いてね!?』と半ギレで言われても、何がわからないのかわからない時と酷似しているなぁと思いました。
まぁとにかくポーズだけでもなんか反省しときます。
さて、前々回辺りで語らせていただいた『担々麺のお店だけどサンホン麵が最高!』のお店が予告通り梨鳥の誕生日に閉店の運びとなりました。
梨鳥は去年からずっと誕生日はサンホン麵を食べる! と決めていて、心の準備も出来ていました。
なんかもう、誕生日とかどうでも良くて『〇〇屋閉店式・しばしの食べ収め祭』くらいの意気込みでいました。
店長さんに今までのお礼を一方的に言う為、忙しくても片手で食べれるおにぎりの様に短く気の利いたお別れと祝福の文言も考えてありました。
同じモール内にある花屋さんで、小さなブーケを買って渡そうとも考えていました。
自分の誕生日なのに自分以外の相手にブーケを渡す事を考えるとか、ケチで子悪党な梨鳥には前代未聞の出来事ですが、その位の一大イベントだったのでした。
そして何よりも、サンホン麵を食べられる日と設定していたので、頭の中はサンホン麵でいっぱいでした。
もう今日はサンホン麵の事だけ考えてればいいや! と、その日一日を至極適当に過ごしました。ハッキリいって、定期的にトイレに行った記憶しかない。
旦那にも、『〇〇屋、今日で最後!サンホン麵!』『今日は何が起こっても早く帰る様に、早く帰れなくても余は容赦なく待たない』『サンホン麵食べる』『サンホン麵の日!』といった内容のメールを何回も送り付け、全部スルーされて準備OKでした。
そしてオチビたちの『テレビ見ながら宿題』が終わるのをイッライラしながら手伝い、いつもよりキツめにヒントを出したりしてイッライラしました。久々に貧乏ゆすりした。でもまぁ、これはしょうがないと思っている。だってサンホン麵早く食べたかった。鉛筆とキャップの合計金額とか本当にどうでもいい。サンホン麵の究極に美味しい味わい方とかそういう問題にしか頭を使いたくなかった。
そして、ようやく宿題が終わり、旦那からも『終わるよ』と、メールが届いた。はしゃいだ梨鳥が、『終わるよって私達の夫婦関係じゃないよね?』とウザ絡みするものの、スルーされて準備万端!
旦那に現地集合を言い渡し(待てん)勇んで〇〇屋へと向かいました!! ひゃほーーー!!
そして、17時50分頃に、〇〇屋が入っているモールへ到着。
車から飛び降り、駆け出す梨鳥。待ってママ、置いていかないでと必死に追いかけて来るオチビたち。
サンホン麵だぁーー!! と、モールの入り口に駆け込もうとすると、なんか不吉な曲が流れている事に気が付きました。本当は駐車場にもその曲が流れていたのですが、受け止めたくなかった。
見れば入り口付近に、警備員さんとなんかスーツ着たおっさんが並んでいる。彼らは
『長らくご愛顧ありがとうございましたーっらー!! ありがとございましっらーっ!!』
と、感極まった様子でそう叫んでいた。その間をぞろぞろと出て行くお客さんたちの姿に、梨鳥は膝から崩れ落ちそうでした。
『蛍の光』が無情にも響き渡る中、それでも果敢に警備員さんに近付くと、素早いフットワークで出入り口を阻まれ、『本日、最終日の為六時で閉店です!』と、宣言されました。
「〇〇屋は……! 〇〇屋は……!!」
と、〇〇屋の名を連呼すると、警備員さんがわらわらと何人か梨鳥を囲み、いけないよ、と諭すように首を振りました。
「〇〇屋も、六時までです」
梨鳥のその時の気持ちが分かりますか?
いいえ、誰にもわかってもらいたくもありません。
ええ、別の土地に新店舗を出しますから、〇〇屋のサンホン麵は二度と食べられない訳じゃないです。
そうですけどね、なんでしょうね!
結局、口の中がサンホン麵だったのに、いき〇りステーキに行ってきました。そして機嫌の悪い梨鳥はハンバーグの方が好きとか文句を言って、旦那に怒られて家に帰りました。こういうのはスルーしてくれ。
さて、本題ですが、去年買ったお掃除ロボットが三か月くらいしてから『ア”ア"ア”……ン、ウゥン……』という音を出すようになって、薄気味悪くてもうずっと使っていません。
コイツはごみを避けて進むタイプのやつで、すぐなんかに引っ掛かったりして助けを求めて来るし、銃電台にも自分で全然帰れない。たまにどういう事なのでしょう、ごみを自身からぶちまけたりします。カーペットの僅かな浮きに潜り込みややこしい事にしたり、ゴミ箱をひっくり返すのも大好き。ハムスターの方が可愛い分よっぽど役に立ちます。半年以上充電しかしておらず、ただひたすら邪魔なのですが、高かったので見て見ぬフリをしていました。
しかし、新年を迎えた辺りに、ふと、今の自分とソイツを重ねてしまい、共通点の多さに他人とは思えなくなってしまいました。なので、先日修理に出しました。
アイツがいつもの場所にいないと景観がサッパリして良いな、とか、別にこのまま帰って来なくても良いかな、とか自分の為にも極力思わない様にしています。
お誕生日のお祝いをフォロワーさんにたくさんして頂きました。ファンアートや優しい言葉にとても励まされ、嬉しくなりました。
この場を借りてお礼申し上げます。世の中捨てたもんじゃないなと思えました。本当にありがとうございました。