憧れは層を成しているのかも知れない
塩と砂糖の容れ物のワンポイントカラーが一緒なので、どちらがどちらだったかわからなくなります。
砂糖を黒糖にする事で解決していたのですが、同じような茶色い塩を一袋頂いたので、プラマイゼロです。
渋々、容れ物に「さとう」「しお」と幼稚園児みたいな書体で書いたのですが、あべこべに補充してしまいなにもかもパーです。
重力が空に行っちまえば良いのに!! みんなみんな、無に還ればいいんだ!!
さて、皆さんには憧れるものとか人とかあるでしょうか。
梨鳥は今日、十数年くらいお付き合いのある憧れの人から、お仕事を一緒にしないかいとお誘いを受けました。
アロママッサージの先生で、梨鳥はこのお方にそれはそれは憧れていたので、とても嬉しかったです。
自宅の一部をサロンにして教室やマッサージをしている先生で、最初は興味本位でクラフト教室などへ通っていたのですが、彼女に憧れて資格を取るまでになっていました。
この人みたいになりたいなぁと思ってました。
でも結婚や出産子育てと色々環境が変わって、興味の対象も変わって、意思も行動力も弱いのでフワッとした夢になっていました。
かつて指導や個人的に受けた先生の施術は、夢みたいな時間でした。
うっすら暗くしてランプの灯りが揺れる部屋の中、横たわって目を閉じると、ヒーリングミュージックと先生の甘くて優しい声が降ってくる。
ここの筋肉をこの位の力で圧して、いち、に、さん、し……という指導だったり、悩み事に相槌を打つ声だったり、たわいないお話だったり……けれど、先生がお話する事はバラの花びらの話だったり、精油の伝説だったり……
それから、手。人間のものなのだろうかと思う程肌の上を滑って行く感触が滑らか。使い込んだプロの手だ。柔らかいヘラの様だった。そしてとても温かい。
こんな風に夢みたいな時間を人に与えられるなんて、なんて素敵だろう。と、感動して憧れていました。
憧れのお仕事、先生の指導の下で!! でも、だからこそ適当な気持ちで飛び込めないと思いました。
体力や気遣いのいる仕事だから、少し自信がありませんというと、
癒されたくて来る人が多いから、雰囲気に酔わせてしまえばいいよ
というような事をアドバイス(?)されました。
雰囲気……?
あんなに優しく甘い声が出るのに、魔法みたいな手を持っているのに。
それを天性のものとか、努力とか、そういう素敵なもので手に入れた人なのだと思っていたのに。
それとも、わたしも雰囲気に酔って、そう感じて感動しただけ?
若かったから、コロッと惚れてしまったのかも。
もしかしたら、安心させる為に緩い事を言ってくれただけかもしれない。
でもなんか、大事な宝物がパッて消えてしまった気分です。
それでも、少し落ち着くと、やっぱりあの人みたいになりたいなぁ、なんて思ったりするのでした。
割と頑強な憧れ。悔しい。
憧れられる方も勝手に尊ばれたり、ガッカリされたり、迷惑な話ですな。閉店ガラガラ……。




