雑誌立ち読み疑問篇
閉店後、客のいない静かな店内で、少しの間立ち読みをするのが最近の楽しみなのですね。
自分の興味のないジャンルの雑誌をいくつか読んでみると、軽い異世界を覗き見るようで、少し面白いのです。
「壮快」という雑誌があります。お年寄り向けの健康雑誌なのですが、だいぶ前の号にこんな見出しが載っていました。
「美容に効きます、ワカメ風呂」
……ワカメ風呂。
記事には、湯の中に、たっぷりとワカメを浮かべた浴槽に浸かる、水着姿のモデルさんの写真が載っていました。
笑顔がひきつっていました。
なんというか、「沼」といったような外観のお風呂でした。
こんなのに入れというのでしょうか?すごくヌルヌルヌルヌルしそうです。記事には、ワカメの成分がお肌にいいと書かれていましたが、いくら美容にいいとはいえ、これではかえってストレスを感じて、お肌に悪いのではないでしょうか?お掃除大変だし。つーか、普通に味噌汁に入れて食ったほうがいいのでは?
健康雑誌って、時々怪しくて、トンデモ本を読むようなおかしみがあります。(般若心経のCDを聴いて元気になるとか・・・・・・、お経を聴いて果たしてテンションあがるのか?)
「インソールダイエット」という付録付きのムック本があります。
付録の、イボのついた足形のインソールを、靴の中に入れ、その靴を履くと、イボが足のツボを刺激して、体にいろんな効果をもたらし、やせまっせー!という商品です。怪しいけど、結構売れました。
そして、第二弾が出ました。
「金色バージョン!登場!」
・・・・・・、靴の中に入れて目に見えないものを、金色にして何か意味があるのでしょうか?
深夜の通販番組といい、健康の世界って、なんだかやっぱり怪しいです。
週刊「体のふしぎ」という雑誌があります。
お子様向けに、人体の仕組みについて教える内容の教育雑誌です。
隔週刊誌で、毎回、付録に骸骨の模型パーツの一部がついており、全号集めてパーツを組み立てることによって、等身大の骸骨の模型を完成させられるようになっています。
子供の勉強のためにと、いろんな親御さんに、よくお買い上げいただいておりますが・・・・・・。
・・・・・・骸骨の模型。
完成したら、一体どこに飾るつもりなのでしょうか?
台所。
玄関。
リビング。
子供の部屋。
トイレ。
外国の洋館ならともかく、日本の住宅事情では、どこに飾ったとしても、そこに発生する違和感はかなりのものになると思われます。
近い将来、町中のあちこちの御家庭に、骸骨が飾られるところを想像すると………くくくっ(不気味な笑み)。
「ゼクシィ」という雑誌があります。
これから結婚される恋人達をターゲットにした、ブライダル情報誌で、それぞれの町の式場や教会なんかの情報がいろいろと載っています。いまのところ、自分には全く縁のない雑誌です。(・・・・・・けっ)
それにしても、タイトルの「ゼクシィ」って、どういう意味の言葉なのでしょうか?
ある日突然、、ぼくはその答えらしき仮説を思いつき、バイトの女子大生に自信満々に語ってみました。
「ゼクシィとは、セクシーの進化系なのだ!セクシーな女性が、結婚し、人妻の色気を身につけることによって、セクシーからゼクシィへと進化するのだ!さあ、みなさんもゼクシィな女性になりましょう!という意味をこめて、この雑誌のタイトルはつけられたのだ!どうだ!この学説(?)!どうだぁぁぁっ!?」
シカトされました。
真面目な話、ネット書店とちがって、実際の本屋さんは、いままで興味を持たずにいたジャンルの本にも触れることができるのですね。
自分が探している本だけを検索するネットとはちがって、
偶然の出会いに満ちあふれているのです。
ぼくもよく、「自分の興味ないものにあえて手を出してみて、見聞を広げるぜ大作戦」といったものを行っています。
おかげで、いろんなオモロいものと出会うことができました。
みなさんもぜひ、本屋にきて、ぶらぶらしてみてください。
今までに知らなかった、新しい娯楽に、出会えるかもしれません。