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ストーカーは彼にばれていた!?

 私はどうすればいいのだろうか。

 仮に愛顔お姉様やなぎさちゃんが協力してくれたおかげで今回のいじめが解決したとして、私のような人間はいずれまたいじめを受けるに決まっている。何せ無口で根暗でチビでチキンなストーカーなのだから。

 そう、私が変わる。チキンな私を卒業して、勇気を出して、彼に告白して、彼と結ばれて。

 彼と一緒にいる時の私は、我ながらすごく活き活きしている。彼と一緒なら、私はきっと変われるだろう。



「えっ、えっく、ああ、あっ、ああ」


 無理だよ! 勇気を出すこともできないし! 彼に告白したとしても、結ばれやしない!


「いぐ、いぐ、いぐ、えっぐ、えく」


 ああ、もう最後の手段に頼るしかないのかな。一人暮らしをしてみても、結局私は何1つ変われないまま、おめおめと実家に逃げ帰って、権力で自分を守るような虚しい人生を送るのかな。

 部屋の隅っこにくるまって、ひくひくと泣いていると、


「ふんっ!」

「えぐ……!?」


 突然、ベランダの窓ガラスが割れて、中に入ってきたのは……彼!?

 え? え? これ夢? 泣きつかれて寝てたのかな? でもほっぺつねっても痛くない、どういうこと?


「こんにちは、強盗です」

「……? ……?」

「あなたの心を盗みに来ました」

「……? ……?」


 え、彼は何を意味不明な事を言っているんだろう。

 あまりにも唐突な展開すぎて、泣き止んで困惑する私に近寄った彼は、くるまった私をひょいと持ち上げ、


「ごめん、ずっと気づいてたんだ。君が俺のストーカーだって。隣の部屋に越してきて、監視カメラまでつけちゃう、どうしようもない変態だって」



 さらっととんでもない事を言ってのける。


「……!?!?!?!?」


 は、はあああああああああああ?

 え、つまりその、私が毎日彼の後をつけて学校に行っていたこととか、監視カメラで彼の動向をチェックしていたこととか、全部知ってたってこと? 私の悪行全部お見通しだったってこと!?

 は、ははは……私終わった、私終わったよ……

 オーバーキルどころの話ではない、彼に持ち上げられながら顔を真っ赤にして硬直してしまう。

 ここまで来ると、もう笑うしかない。もう私の人生は終わったので煮るなり焼くなり好きにしてください。

 ……ところで、どうして彼は私のストーキングを泳がせていたんだろうか。私のストーキング行為を逆に観察するなんて、これじゃあ彼が私のストーカーじゃないか。彼が私のストーカー? つまり彼は私のことが……


「そんなどうしようもない変態野放しにしたら大変だから、俺が責任とらないとね。……ごめんよ、寂しい思いさせて。もっと早く、この台詞を言えばよかったよ。……好きです、俺と付き合ってください」


 私がその結論に辿り着く前に、彼がそう言って私を優しく抱きしめる。

 彼の身体はすごく暖かくて、とても落ち着く匂いがして、


「……はい」


 彼を抱きしめ返す私の顔は、気づけば悲しみから喜びに変わっていた。

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