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ストーカーは豆をまく!

「悪いごはいねがー! 悪いごはいねがー!」

「おじちゃんそれちがうよ」

「おじちゃん!?」

「……♪」

 鬼のお面を被って子供達に囲まれている彼を微笑ましく眺めながら、私も子供とおままごとをして遊ぶ。

 今日は節分。学園行事の一環で、幼稚園にボランティアに来ている。

 それにしても子供は無邪気で可愛いなあ……げっ、あの女の子私より胸がある!?

 疲れという単語を知らない子供の猛攻に、流石の彼もたじたじだ。



「はぁ……はぁ……あ、ありがと」

「……♪」

 休憩室で休む彼にドリンクを差し出す。

 何だかこれって、幼稚園で働く同僚って感じがしていいよね。

「それにしても、楽しそうに子供と遊んでたね。子供好きなの?」

「……♪」

 彼の問いかけにコクコクとうなずく。将来は3人くらい欲しい。

「保母さんとか、向いてるんじゃないの?」

「……! ……♪」

 言われてみれば、子供好きだし家庭的な面もあるし、保母さんとか楽しそうだ。

 保父さんの彼と一緒に幼稚園で働く自分を想像してへらへらと笑うも、

「……」

 自分の身体をぺたぺたと触って落胆する。

「え、いや、大丈夫、多分すぐに成長するよ」

 保『母』さんが、こんなちんちくりんに務まるはずもない。

 彼はフォローしてくれたが、本当にそのうち成長するのだろうか?



 休憩も終わり、彼が鬼の面を被って再び子供の方へ向かおうとする。

「いてっ」

「……♪」

 そんな彼の背中に今日は節分だしと、ついつい豆をぶつけてしまった。

 前回の雪合戦は散々だったが、不意うちなら私だって彼にぶつけられるのだ、えっへん!

 そんな風に私が勝ち誇っていると、彼がぶつかった豆を拾って口に含む。

「美味しいよ、君にも食べさせてあげるね」

「……!?」

 どうして私は学習しないのだろうか、結局雪合戦の時と同じく彼に一方的に豆をぶつけられてしまう。

「悪い子はいねがー! 悪い子はくっちまうぞ!」

「……! ……♪」

 流石に豆だし、彼も今回は加減をしているようでぶつけられても痛くない。

 そんなノリで彼と一緒に豆まきをして遊んでいた結果……



「まったく困るよ、部屋の中をこんなに散らかして」

「すいませんでした」

「……」

 休憩室の中を豆だらけにして、幼稚園の人に怒られてしまう。

 結局二人で部屋を掃除することに。

「……♪」

 これはこれでラッキーなイベントだと、彼と一緒にせっせと部屋を掃除する。

 20分程でようやく掃除が終わり、綺麗になった部屋を見渡して満足げな私。

「ふー……っと、ここにもまだ豆が落ちてたか」

 掃除用具を片づけようと箒やちりとりを持ってロッカーに向かう途中、彼が私の目の前で急に手を伸ばす。

「……!」

「っとごめ……うええっ!?」

 そ……その……その結果……彼の手が……私の豆に……!?

「ほ、ほんとごめん! 前見てなくて!」

「……!」

 瞬時に赤鬼になった私は掃除用具も投げ捨てて逃げ出す。あまりにも身体を張ったラブコメイベントだ。

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