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ストーカーの夢はお嫁さん!

 冬休みも終わって、再び学校と言う日常がやってくる。

 後2ヶ月で高校2年生。それまでに決着はつけたい。

 やっぱりバレンタインデーだろうか、告白に適しているのは。



「今日は進路相談をするからな。1人10分くらいで、出席番号順に進路相談室まで来い」

 高校2年生からは文系理系に分かれるので、この日はそれを決めるため進路相談を行うらしい。

 名字が『や』の私は出席番号順だとほぼ最後。待ってるのも暇なので、ストーキング技術を活かしてこっそりと他人の進路希望の紙を盗み見しよう。



 まずは彼だ。


 進路希望

 第一希望:フリーター

 第二希望:執事

 第三希望:進学


 フリーターと進学はわかるとして、執事?

 あんまりイメージが湧かない。執事喫茶とかで働きたいのだろうか?

 そもそも私は彼と対等な関係になりたい。わがままを言えば私だって執事を雇えるかもしれないが、彼と主従関係に落ち着くのはやだやだ。



 その後も他の人の進路希望の紙をこっそり盗み見する。進学を考えている人が多く、まだ具体的にどんな仕事がしたいかまでは考えていないようだ。

 他人のを参考に悩んでいるうちに私の番がやってくる。

 意を決して進路希望を書いた私は進路指導室へ。



 進路希望

 第一希望:お嫁さん

 第二希望:

 第三希望:


 どうだ! これが私の嘘偽りない進路希望!

 決してウケを狙ったわけではないのだが、教師は頭を抱えてプルプルと震えだし、

「あー、うん。そうだな、お前ならなれる。行っていいぞ」

「……」

 なんと10秒もかからず私の進路相談は終わってしまった。

 これはあれだろうか、先生も応援してくれるということなのだろうか。

 先生のお墨付きも貰ったし、何の問題もないと意気揚々と進路指導室を出て教室に戻り、いつのまにか紙を落としてしまった事に気づく。

 流石にあの紙を他の人間に見られるのはまずい! と狼狽えながら教室を出て紙を探すも見つからない。

 今頃心無い誰かに拾われて笑われて、インターネットにでも晒されるのだろうかと絶望して教室に戻ると、机の中に落としたはずの紙が入っていた。

 どうやら親切な誰かが拾って入れてくれたようだ。よかったよかった……




『あああああああああああ』

『一体どうしたの、フレグランスさん』

 よくない! 拾われたということは中身を読まれてるということ!

 その晩ネットゲームで柄にもなく発狂する。

『恥ずかしい進路希望の紙、落としちゃって。誰かが私の机に入れておいてくれたんですけど、つまり拾った人に読まれたってことですよね』

『そうだね。でも進路希望の紙ってことは、既に教師に読まれてるんでしょ?』

『……確かに。あああああああ絶対教師に内心馬鹿にされてますうううううう』

 彼に慰めてもらおうと考えたが、彼は私に追い打ちをかける。

 確かに今思えばあの教師プルプル震えてた! 心の中で馬鹿にして笑っていたに違いない!

『はあ、なんで私あんなアホみたいな事書いちゃったんだろ死にたい』

『ちなみにどんな事書いたの? 教えてよ』

『……お嫁さんです』

『いいじゃんお嫁さん。可愛いじゃん、誰も馬鹿にしないって。馬鹿にするやつがいたら俺がやっつけるよ』

『本当ですか? えへへ』

 やさぐれる私を彼が慰めてくれる。

 馬鹿にしないついでに、お嫁に貰ってくれないかなあ?



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