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ストーカーのクリスマス!

 体育祭も終わり、冬休み。

 冬休みと言えば、クリスマス!



『深淵さんは、クリスマス予定とかあるんですか?』

 意を決してネットゲームで彼にクリスマスの予定を聞く。

 もしも『彼女とデートだよ』という答えが返ってきたら、ここ数日編んでいたマフラーで首を絞めた上、クリスマス反対と焼身自殺してしまいかねない程クリスマスは大事なイベント。固唾を飲みながら彼の返答を待つ。

『高校でクリスマス会があるから、それに参加しようかなと思うんだよね』

『へえ、それは楽しそうですね!』

 よかった、彼に予定が無くて。

 高校のクリスマス会は、毎年カップルが続出すると言われているウィンターだけどホットなイベントだ。

 これは気合を入れて臨むしかない! 早速サンタ服を用意しよう!




 クリスマス会だからって参加者はほとんど私服姿。正装で来る人なんてほとんどいない。

「お前馬鹿じゃねえの?」

 普段のキャラがチャラいだけに、スーツ姿でやってきた彼はクラスメイトに笑われてしまう。

「……」

 しかし笑われるならまだマシだろう、私なんてサンタ服だ。

 彼と違って常日頃から浮いていて絡みづらい人間なので、時折周りの人間が指をさしてひそひそ話をするだけだ。どれだけ私は浮いていたのだろうか。とんでもないピエロ、真っ赤なお鼻のトナカイだ。

 クリスマス会開始早々、隅っこの方でカーテンにくるまるサンタ。

「恥ずかしいなら着替えてきたら?」

「……!」

 そんな私を見かねたのか、彼が近づいてきてそう助言をする。

 そうだった、彼は部屋から直接スーツ姿でやってきたが、私は学校で着替えたんだった。

 だったらもう一度着替えなおせばいい話だ。

 ポンと手を叩いて会場から抜け出し、

「……♪」

 ドレス姿で再入場。彼がスーツなら私はドレス。ドレスなら着る機会も多いので恥ずかしくは無い。



「ところでサンタさん、プレゼントはないの?」

「!?」

 ドレスに着替えたがいいが、彼に話しかけることができずに、彼の周りをうろうろしていると、彼の方から話しかけてくる。それもサンタ服の話を蒸し返して。

「……」

 彼へのプレゼントはちゃんと用意しているのだが、部屋にあるので今手渡すことはできない。

「ははは、冗談だよ。この七面鳥美味しいよ」

「……♪」

 困惑していると彼が私に七面鳥を手渡す。彼からのクリスマスプレゼントは美味しそうに食べるべきだと服が汚れるのも厭わず豪快にがっつく。



 そんな感じにそれなりにクリスマス会を満喫していると、私と同じくドレス姿の愛顔お姉様がやってくる。

「私の物語は、今日でハッピーエンドにしてみせますわ」

「……!」

 どうやら愛顔お姉様は、今日好きな人に告白するつもりらしい。

 頑張ってくださいと心の中でエールを送りながら彼女を見送る。



 クリスマス会が終了し、彼に続いてアパートに戻る。

 部屋に帰るなりベッドに横たわり眠る彼。

 サンタ服に着替えなおした私は彼の部屋に侵入して、枕元にマフラーと手袋、セーターを置くのだった。

 私の物語は、いつエンディングを迎えるんだろう?

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