ストーカーは幸運と踊る!
そんなわけで始まりました体育祭後半、私の見せ場。
「それじゃ、準備はいい? しっかり掴まっててね」
「……♪」
まずは彼と楽しい楽しい二人三脚。あれほど一緒に練習したんだし、余裕で一位を取れると思っていた……のだが。
「……!?」
「わっと……っと!?」
練習とは違って、本番ではピストルという存在がある。ピストルの音にびっくりした私は思いきりタイミングをずらして転んでしまう。勿論私と足を繋いでいる彼も転んでしまう。
このままでは私が地面に激突して更に彼にのしかかられ、胃の中身を盛大にリバースしてゲームオーバーになってしまうと恐怖したが、紳士な彼は私の手を引っ張って、うまく彼の上に私がのしかかるように調整してくれた。
「だ、だいじょうぶ?」
「……!? ……」
結果として、私は彼のたくましい胸に顔をうずめることに。すぐに離れようとするが、足を彼とつないでいるのでなかなか立ち上がれない。
結局練習の甲斐虚しく二人三脚は最下位になってしまったけれど、ラブコメっぽい展開だったしよしとしよう。
お次は騎馬戦。ここでも私は彼と一緒なのです。
「移動は任せてね」
「……♪」
彼が騎馬役、私が騎手役。これって俗に言う騎乗位だよね?
「おい、誰だチーム組んだ奴……身長差無茶苦茶じゃねえか……」
「動きづらい……」
他の騎馬役が何やら文句を言っている。文句があるなら帰っていいよ、彼と私だけで頑張るから。
試合開始と共に彼が敵陣に向かってタックル。
私が何もしなくても勝手に敵が崩れていくが、私も彼にしがみつくので精一杯。
「……! ……!」
「っと……ごめんごめん、ついつい興奮してさ」
その後は私に配慮してくれたのか、端っこの方で観戦モードに。
戦わずして勝つ! これもまた戦術! チーム負けたけど。
その後も彼の活躍を見たり、彼と一緒にプログラムを見たり……
応援合戦? 練習きついし抜け出しちゃったよ。彼を応援するより、こうして彼と一緒に見る方が楽しい詩ね。
そして最後のお楽しみ、フォークダンス。
女子が足りないからと彼が女子役になるなんて誰も得しない展開になることもなく、彼の目の前で曲が終わってしまうということもなく、
「踊り慣れてるんだね」
「……♪」
彼と無事に踊ることができる。
それにしても、彼の踊りは初々しくて可愛い。細かい動きは苦手なようだ。
あんなにカッコいいのに、ダンスの時はちょっとダサい。そんなギャップも素晴らしいと、彼にボックスを手ほどきしながら踊るのでした。




