ストーカーは・・・何したんだろう?
『これにて、焔崎高校文化祭を終了いたします!』
楽しい文化祭もとうとう終わり。
十分すぎる程彼と楽しむことができた。
彼と一緒にお化け屋敷の仕事ができればなあくらいに思っていたが、まさか彼の方からお化け屋敷一緒に見ないかと誘ってくれたり、腰を抜かした責任に付き合ってくれたりするとは思わなかった。
文化祭の準備で彼とアドレスを交換して以来メールも結構かわしているし、結構いい感じなのではないだろうか。
「それじゃ、かんぱーい!」
「「「「「かんぱーい!」」」」」
「……♪」
文化祭の後片付けを終えた私達は、そのまま打ち上げへ。
今回も勇気を出して彼の隣に座る事の出来た私は、景気づけに乾杯するとすぐにジュースを一気にあおる。
「俺の女装どうだった? なんか失神してたのが見えたから、そんなにキモかったのかなって、ごめんね」
「……! ……」
ノリノリで女装していた割に後になって恥ずかしくなったのか、かなり照れながらそんな事を言う彼に、携帯電話を取り出して彼の雄姿を見せてやると、彼は苦笑い。
しばらくそうして彼と打ち上げを楽しんでいたが、
「……」
にゃんだか変な感じ。いい気分なんだけど、ぽーっとする。火照ってる感じ。
見渡すと、私の他にも女子が数名同じような感じになっている。
あ、これはアレだ、お酒だ。
なるほど、女子にだけお酒を飲ませて酔わせて色々しちゃおうという魂胆だな。
「おいお前、お前何考えてんだ」
「え? いいじゃんいいじゃん、女の子酔ってる方が嬉しいだろ?」
正義感の強い彼が怒りながら幹事の男に詰め寄っている。
彼の言うとおり、これは犯罪だよ犯罪、でも気持ちいいからもう一杯。
「……?」
目が覚めたら、部屋のベッドだった。いつのまにか翌日になっていたようだ。
打ち上げの時の記憶が全然ない。お酒を飲んでしまって、ぼーっとしている辺りまでは覚えているのに。
『おはようございます深淵さん。昨日文化祭の打ち上げに行ったんですけど、どうもお酒を飲んじゃったみたいで、気づいたら家のベッドに寝てたんですよね。何か失礼な事をしてないといいんですけど』
『そうなんだ。そういえば俺も昨日文化祭の打ち上げに行ったんだけど、隣の女の子がお酒を飲んですぐに寝ちゃって、打ち上げが終わった頃にふらふらと帰っていったよ。ちゃんと家に帰れたかなあ』
『そうなんですか。よかった……』
ネットゲームにログインして彼に話を聞く。
よかった、お酒の勢いで彼に迷惑な事をしてたんじゃないかと思うと怖くて怖くて。
うーん、でも本当にお酒を飲んですぐに寝たんだろうか。
彼にべたべたくっついたり、脱ごうとしたり、キスをせがんだり、挙句の果てには告白してしまったような気がする。でも彼がネットゲームで他人の私にわざわざ嘘をつくとは思えないし、多分私は何もやっていないのだろう。
しかしそれはそれで勿体ない気がする。今の私に致命的に足りない積極性は、お酒の力で補えるかもしれないのに。
なんて、まだ高校生なのにお酒の力で積極的になろうなんて、まだ黒魔術に頼った方がマシだよね。




