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ストーカーはパンツを取ろうとする!

『ストーカーに餌をあげないで!』第7部に相当

 一人暮らしを始めて大変だなあと思ったのは、洗濯物だ。

 こまめに洗濯しないと大変なことになる。

 というのも、洗濯籠に入っている衣服を上から適当に洗濯していくのだが、

 洗濯籠の下の方はそれだと洗濯されず、その上にまた新しい衣服が積み重ねられる。

 そういう事を繰り返して下に埋もれている洗濯物を放置していると……

「……」

 今回のように、お気に入りのシャツが黒い斑点だらけになってしまう。

 それをゴミ袋に入れながら、ただでさえ汗っかき、服がカビないようにこまめに洗濯しようと誓うのだった。


 というわけで2日に1回くらいのペースで洗濯をする。

 今日は休日、天気もいいので下着やらタオルやらを外に干してお昼寝。

 夢の中の私は彼と既に結婚していて娘を儲けており、

「……!」

 夢の中の私の娘(私に似たのか喋らない)は彼の下着を持って怒っていた。

 一緒に洗濯するなと言いたいのだろうか。

 彼の下着を嫌うなんてなんて酷い娘なのだろうかと憤ったところで目が覚める。



 干した下着もそろそろ乾いただろうとベランダに出る。

 ……下着が一枚足りない気がする。泥棒にでも遭ったのだろうか、怖い。

 下着を取ったのが彼だったらいいのにな……と乙女らしく彼が私の下着を使ってナニするところを想像してにへらにへらと笑っていると、あるものを発見してしまう。



 それは隣の部屋……彼の下着だ。

 そう、彼も私と同じく外に下着を干していたのだ。

 彼がいつも履いている下着を眺めていると、ここから身を乗り出せば下着が取れることに気づく。

 下着の神様ありがとうと感謝しながら、ベランダから身を乗り出す。

 後少し、後少しで下着に手が届きそうだというところで、


「ごるぁ! お前そんなところで何をやっとんじゃ!」

「……!」

 近くからそんな渋いおじさんの声が聞こえてきたため、慌てて部屋の中に引っ込む。

 まずいぞ、下着泥棒の現場を見られてしまった。警察とか来たらどうしよう。

 大丈夫、私は女の子だし、誤魔化せる誤魔化せる。最悪コネを使おう。

 アリバイ作りのためにお風呂に入っていると、

「ごるぁ! お前そんなところで何をやっとんじゃ!」

 またもおじさんの声が聞こえてくる。さっきとは微妙に別人の声な気がする。

 ひょっとして私の下着を盗もうとした奴がばれたのだろうか、いいことだ、捕まって欲しい。

 もし犯人が彼だったらそれをネタに……うへへ。


 何故かその後彼は洗濯物を外に干さなくなってしまった。

 この間部屋に入り込んだ時下着を貰っておけばよかった。


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