ストーカーは女装を語る!
「裁縫上手なんだね」
「……♪」
彼に褒められて、デレデレしながら猛スピードで衣装を縫う。
あの後も彼と一緒に文化祭の準備をやり続け、もういくつ寝れば文化祭。
私がヤクザだと知っても普通に接してくれるしロリコンだし、やっぱり彼は私に気があるのではないだろうか?
文化祭の準備で結構彼と仲良くなった気がするし、文化祭を一緒に回ることができるのではないだろうか?
お化け屋敷で彼に抱きついたり、一緒に演劇を見たり……
そんな妄想をしていると、
「やめろ、それ以上俺に女物の衣装を見せるなあああああ!」
なぎさちゃんが発狂して教室から逃げ出していく。
無理もないだろう、文化祭で行われる女装コンテストの優勝候補である彼は毎日のように女装を強制されているのだから。
そう、女装コンテスト。私もなんだかんだ言って女装男子は好きだ。愛顔お姉様も好きな人の女装姿をポスターにして部屋に貼っているらしい。
けれど常々思うのだ。なぎさちゃんみたいなどう見ても女の子な人が女装をして、何の意味があるのか。
確かに可愛いけど、普通の女の子に可愛い衣装を着せたのと同じようなものだ。
そう、真に女装すべきは彼のような漢!
彼のような漢をメイクとかで試行錯誤して女の子っぽくする、それこそが女装の神髄!
というわけで彼も女装コンテストに参加してくれないかなあと考えていたのだが。
『フレグランスさん、女装ってどう思いますか?』
その日の夜、ネットゲームで彼がそんな事を言い出した。
この発言はアレか。女装に興味があるということか。
よし、彼を女装コンテストに参加させるために、精一杯女装の良さを語らなければ。
『はい、大好物ですよ! 童顔な男の子の女の子にしか見えない女装も好きですけど、ガチムチの人のオカマっぽい女装も大好きですね! 個人的には似合う似合わないじゃなくて、羞恥に悶えているのがポイントですね!』
しばらく彼が固まってしまう。ひょっとして逆効果だっただろうか。
『……ちなみに服装の好みとかはあるの?』
やがて彼がそんな事を言いだす。これは私の意見を参考にして、女装コンテストに参加するつもりなのではないだろうか。
『ゴスロリとかセーラー服とかいいですよね、一押しはやっぱりスクール水着ですが』
『そ、そっかー。ごめん、ちょっと落ちる』
彼のような筋肉質な男には、やっぱりスクール水着が映えると思う。
少し彼に引かれてしまったかもしれないけど、どうせネットゲームの私だし。
ネットゲームの私が引かれて彼がスクール水着になってくれるなら、安いものだ。




