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ストーカーは実家を察せられる!

 修学旅行が終わったら今度は楽しい文化祭。

 隣の4組と合同でお化け屋敷をすることになった我々5組。


「よろしく」

「……♪」

 幸運にも私がやろうと思っていた小道具係に、彼が参加。

 しかし幸運はそれだけではない。


「それじゃ、とりあえず携帯のアドレス交換しよう」

「……!? ……♪」

 なんと! 彼の方から私にメールアドレスを聞いてきたのです!

 びっくりするほど簡単に彼のアドレスを入手することができた私。

 現実では無口な私でも、メールなら饒舌になれる。

 これで彼とメル共になって、どんどん好感度を稼ぐことができる!


「……! ……」

 アドレスを交換してウキウキ気分な私ではあったが、彼が私のアドレスを入れているのを覗き見した結果、彼のアドレス帳は人がいっぱい。対して私のアドレス帳は、家族以外は愛顔お姉様となぎさちゃんと彼のみ。彼にぼっちだと思われはしないだろうか。いやまあ普通にぼっちだけど。

 でも彼のアドレスは普通の人間の100人分くらいの価値があるので、私はアドレス帳に100人いるも同然。一気にリア充!



「早速だけどさ、打ち合わせしようよ。君の家で」

「……!?」

 舞い上がっていると、彼がそんな提案をする。

 私の家? いやいやムリムリ。だって彼の隣に住んでいるもん。

 彼を指差して、彼の部屋でやろうと主張しますが、

「いや、俺の部屋汚いし。女の子をあげられるような部屋じゃないし。本音を言うと女の子の家に一度行ってみたくてさあ」

 彼も引き下がらない。彼の部屋、今そんなに汚くないのに。つまり彼は嘘をついてまで、女の子の家に行ってみたいと言っているわけである。しかも一度、ということは彼は今まで女の子の家に行ったことがないということである。これは物凄いチャンス。物凄いチャンスなのだけど、問題は……



 放課後、彼と一緒に学校を出る。

「……」

 彼と一緒に歩くのは原付の時以来。一緒に登校は偶然もありうるが、下校デートはなかなかそうもいかないから、私の中では下校デートの方が格上。

 いつもは彼の後ろを歩いていただけに、緊張して両手両足を同時に動かしてガチガチなロボット状態。

 彼との下校デートを楽しみながら、普段の帰宅ルートとは別の道を行く。

 彼を部屋に招待はしたいが、勿論彼の隣の部屋は使えない。

 つまり……



「……」

 またこの家に帰ってきてしまった。

「うわ、大きな家だね。和風だね」

「……」

 そう、彼を連れてやってきたのは私の実家。つまり……

「お嬢! お久しぶりです!」

「……! ……!」

 明らかに堅気じゃない人間が出迎えてくる、それはそれは自由業な家ということだ。

「お嬢! ひょっとして彼氏ですかい? いやあ、なかなか屈強そうな男ですな」

「しかし組長が許すかどうか」

「……! ……!」

 去ね! ほら彼茫然としているじゃないか!

 彼の手を取って家の中に入り、


『さっきの人は執事です。私の家は少しお金持ちなだけで普通の家です。わかりましたね?』


 早速メールで彼に弁解。弁解はしてみたが、絶対彼ドン引きしてるよね、はぁ……

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