ストーカーは雪合戦をする!
楽しかった修学旅行も最終日。
色々あった。彼と一緒にスキーをしたり、時計塔を見てがっかりしたり、彼がリフトに乗っている時にしたから写真を撮ろうとしたらストックが落ちてきて当たりそうになったり。
雪山で彼と遭難して、裸になって温めあったり……あ、これは私の夢の話だった。
最終日は自由行動。
勿論彼と行動を共にしたい私は自由行動を告げられたスキー場で彼のアクションを待つが、彼もなかなか予定を決めようとしない。プランを考えているのか悩みながら雪玉を作る彼。
がっしりと固められた雪玉を見て満足げな彼は、それは見事なマサカリ投法で……!
ガァン!
「……」
私の顔にめがけて思いきり雪玉を投げ、直撃した私は雪の上に崩れ落ちる。
半年くらい前に彼にサッカーボールを当てられたが、正直あの時よりも痛い。
それでも何とかガッツで立ち上がると、彼が狼狽している。当てるつもりはなかったようだ。大方投げるフリをしようとしたら手がすっぽ抜けてしまったのだろう。
「……♪」
でも乙女の顔に雪玉を投げた責任は取って貰わないといけない。こねこねと雪玉を作った私は、
「……!」
彼の顔めがけて思いきりぶん投げる!
「いてっ」
しかしすっぽぬけた雪玉は見当違いの方向へ飛んでいき、スキーを楽しんでいた別の男子生徒に当たってしまう。
「今ぶつけたの誰だ? お前か?」
「お、雪合戦か。懐かしいな、やろうやろう」
「あ、アタシもやるー」
気づけば私の一球を皮ぎりに、雪合戦大会が始まっていた。
「……!」
というわけで雪合戦を楽しもうと彼めがけて執拗に雪玉を投げるも、これが見事に当たらない。
「……! ……! ……!」
せめて一発は当てたいが、彼は私を弄ぶかのようにこちらを見てにやつきながら雪玉を避け続ける。
そうだ、頭を使おう。私はわざと体力が無くなったフリをしてその場にペタンとへたり込む。
この間もおんぶしてくれた彼だし、気を遣って声をかけにくるに違いないと考えていると、思った通り彼が駆け寄ってくる。
「大丈ぶべぁ!」
そんな彼の顔ににこっそり握っていた雪玉をぶち当てる。やったあ!
「……♪」
彼に雪玉を当てることができて満足な私だったが、
「いいだろう、たまには本気を出してやろうじゃないの」
「……!?」
私に当てられたのが余程悔しかったのか彼の目の色が変わる。
そこからは一方的な虐殺ショー。逃げ惑う私に容赦なく当てられる雪玉の嵐。私は元より彼しか狙っていなかったが、彼も私しか狙わなくなってしまった。
完全にKOされてしまい雪に埋まる私。けどとっても満足です。
帰りの飛行機も彼の隣に座らず、とても疲れていたのですぐに眠ってしまった。
何だか夢の中で彼とキスをしたような気がする。
広島についた頃に目が覚めると、彼の顔が真っ赤だった。どうしたのだろうか?




