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ストーカーミートソース和え!

 なんと! 今回! ついに! 調理実習で!!

「……♪」

 彼と同じ班になれました。今日のメニューはスパゲティミートソース、私の愛を絡めてアルデンテ。

 エプロンつけて、三角巾つけて、鼻歌を歌いながら人参をざっくざっく。

 気分は新妻。ここで料理上手ですよアピールして、彼の胃袋がっちりホールド大作戦。

 切った人参を彼に手渡して、今度は玉ねぎをざっくざっく。

 鼻をつまめば涙は出ないけど、彼の前で鼻をつまむなんて私にはできないので、うるうると涙を滲ませながら玉ねぎを切る。気を紛らわせるために、楽しい事を考えよう。

 彼と結婚した私が裸エプロンで料理を作っていると後ろから彼が抱きついて、きゃっ♪

 具材を切って彼がソースを作る間、私はパスタを茹でる。

 こういう共同作業楽しいなあ、今の私には他の班員なんて見えていない。



「完成! 写真撮ろうぜ写真」

 無事に完成したスパゲティミートソースを前にはしゃぐ班員の男子(ほとんど何もしてない)に感化されたのか、彼も携帯電話を取り出す。ブログにでもアップするのだろうか? そしたらたくさん賛美のコメントをつけよう。

「……?」

 気のせいだろうか、彼がスパゲティではなく私の方を撮ったような気がする。

 まあ、多分気のせいだろうとお茶やフォークの準備をしていると、

「ちょっとアンタ今私の事撮ったでしょ」

 私の近くにいた女子が反応して彼に詰め寄る。

 自意識過剰じゃないの? と思うと同時に、あれくらい積極的になれたらなあと羨ましくなる。



「「「いただきます」」」

「……」

 彼の対面に座って、手を合わせて心の中でいただきます。

 彼と一緒に作ったスパゲティは、やたらと高いパスタ屋のそれにも引けをとらない。

 舌の肥えている私が言うのだから間違いない。

 向かいの彼の食事風景を副菜に、ちゅるちゅるとスパゲティを食べる。

 ……それにしても彼の食べ方、汚いなあ。

 クチャラーではないけれど、うどん感覚で箸で食べてるし、ソースも飛び散って少しこっちにまで飛んできている。

 豪快と言えば彼の魅力かもしれないが、流石にちょっとなあ。

 まあ、こういうところも全て受け入れないと、恋なんてやっていけないよね。

「……?」

 何か顔にかかったなあと思ってハンカチでぬぐうと、ミートソースがかかっていた。

 多分彼が飛び散らせたものだろう。ぬぐわずに舐めればよかった。




「……♪」

 調理実習は後片付けも含めての調理実習。

 鼻歌を歌いながら、食べ終えたお皿を洗う。

 彼の使ったお皿を念入りにきゅっきゅと洗っていると、

「野菜切るの、すごくうまかったね♪」

「……! ……♪」

 隣で鍋を洗っていた彼がそんな事を言うもんだから、デレデレ状態になってしまう。

 にへらにへらと笑いながらお皿を洗っていたが、

「君の旦那さんになる人は幸せだろうなあ」

 ガシャン!

 彼のそんな言葉で動揺してしまい、お皿を落として割ってしまう。

 お皿片付けなきゃ、いやそれより彼が私の事を良いお嫁さんになれるって褒めてくれた、つまり結構見込みがある? でも旦那さんになる人はなんて言ってるから見込みがない? わかんない、わかんないああお皿片付けなきゃ……

 軽くパニクっている私を横に、黙々と私の尻拭いをする彼でありました。

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