ストーカーはマグナムを見ちゃう!
彼の部屋に監視カメラをつけて数日が経過。
この日彼は布団から起きると軽く体操をし、カメラから見えないお風呂場の近くまで向かう。
隣からシャワーの音がする。どうやら彼は朝シャンをしているようだ。
次に監視カメラに映ったのは、シャワーから出て制服に着替え終わっていた彼の姿。
寝室に戻った彼はテレビをつけてニュース番組を見る。
しばらくすると、学校に行く時間になるので彼は部屋を出る。
私も続いて部屋を出る。
学校が終わり、彼に続いて部屋に帰る。
すぐに監視カメラで彼の部屋をチェックするが、彼は制服から私服に着替える際もお風呂場の辺りを利用するらしく、着替えシーンを見ることはできなかった。
私服に着替えた彼は机に向かって宿題を解きはじめる。
宿題が終わったらしくその後料理をして、ニュースを見ながら夕食を食べる彼。
以前に比べると、大分料理の腕はあがったようだ。
その後もニュースを見たり筋トレをしたりして、午後11時くらいになると彼は寝室を離れお風呂場へ向かったようだ。
何だか、予想以上に彼の行動は真面目だ。
自分の部屋だと言うのに全然油断していない。
そのギャップも少しカッコいいとは思ったが、こんな品行方正な彼を監視していても、いまいち楽しくない。
それに、一番私が興味のある行動を彼が一度も行っていないのだ。
『普通男の人って、週に何回くらいオナニーするんですか?』
不安になった私は、なぎさちゃんにメールを送ってみることにする。
『どうしてもそれ答えないと駄目?』
『はい。どうしても答えないと駄目です』
『少ない人でも週に3回、多い人なら毎日2回くらいやってると思うよ。絶対その手の話題を好きな人にしないでね、男として見てないって思われるから』
だよね、普通高校生の男の人ってそれくらいするよね。
特に私の書いたエロ本を購入した彼に性欲がないはずがない。
毎日のようにパソコンでエロ動画を見ながら自慰行為に耽っていると思っていたのに、
一度もそんな光景を見たことがないのだ。禁欲生活をしているのだろうか?
でもこれでいいのかもしれない。彼が人に見られてもいいような生活をしているうちは、それを監視している私もまだ人として大事な何かを残せているのかもしれない。
そんな風に彼を心配していた私であったが翌日、
「いやー、最近まともな一人暮らししようと頑張ってみたけどもう限界だわ」
彼がそんな事を友人と喋っていた。
どうやら今までの品行方正な彼は素ではなかったらしい。
その言葉通りこの日部屋に戻った彼は、すぐに制服を脱いでハンガーにかけることなく乱暴にその辺に投げ捨てる。
「……♪」
パンツ一丁となった彼を監視しながら私の顔が赤くなる。
これだ、こういうのを見るためにわざわざ人間として大事なものを捨てて監視カメラを買ったのだ。
私服に着替えた彼はテレビゲームをし始める。宿題に手を付けるそぶりは一切ない。
お腹が空いたのか棚にあったカップラーメンにお湯を入れて、ペットボトルのコーラと一緒に食べながらテレビゲームを再び行う。昨日までの真面目な彼ははもうどこにもいないようだ。
そして午後11時になると、大きなあくびをしてテレビゲームを消す。
「……!」
そしてズボンとパンツを脱いで……
翌日。
「……」
彼をまともに直視することができない。
すごかった。そして私の人として大事な何かが完全に無くなった気がする。




