表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/88

ストーカーは彼を助ける!

 タイトル:『明日は海で泳ぎます!』

 本文: 10時に沖塩の海水浴場でたっぷり遊びます!


 彼のブログを覗くとそんなコメントが。

 よし、今度は海水浴場って書いてあるから絶対に泳ぐだろうな!


 コメント: 海いいですね! 私も泳ぎたいです!


 前回と同じコメントを残して、前回同様にウキウキ気分で水着等を用意。

 わくわくしすぎて睡眠不足だけど、彼と一緒にお出かけして海水浴場に到着。

 夏休みということもあって人が多い。人ごみは苦手だけど、今日の私はそんなの気にしない。

 だって海だから! 

「……」

 更衣室で着替えて彼の近くに歩み寄る。

「ナンパするか!」

 私の近くで彼がナンパ宣言。来た! さあ来い!

 精一杯近くにちょろそうな女の子がいますよアピールをするが、彼は私を素通りして近くにいた一人で来ているらしい女の人の元へ向かう。

「……」

 ここで負けるわけにはいかないと、彼の行く手を阻む。

 そんな女どうでもいいから私をナンパして! 私ちょろいよ! 岩陰に誘われたらアバンチュールだよ!

「君いい身体してるね、お姉さんと遊ばない?」

「え、俺っすか?」

 しかし私のアピール虚しく、なんと別の女の人が彼を逆ナンしてしまった。

 大丈夫、彼はロリコンだからそこそこスタイル良いこの人にはついていかないに決まってる。

「いいですよ、丁度俺も一人じゃ寂しいと思ってたとこだったんす」

 ……終わった、私の夏と春が。



「あはは、泳ぎうまーい」

「そうっすか? お姉さんもイルカみたいっすよ」

 普通に女の人と海で遊ぶ彼。

「……」

 そんな彼を眺める私の気分はセイレーン。歌えないけど。

 どうしようこのまま彼がアバンチュールしちゃったらと不安になっていると、

「ねえねえ、君一人で来てるの? 俺達と遊ばない?」

「……」

 今度は私がナンパされてしまう。ていうか意外と私ってモテる? グラサンかけてるからちょっと不審者っぽいと思ってたけど。

 ナンパ野郎に丁重に断りを入れていると、いつのまにか彼の姿が見えない。

 辺りをきょろきょろと見渡すと、何やら彼と女の人が、人気のいない磯の方へ向かっていた。

「……!?」

 え? え? 本当にアバンチュールなの? ブルーな缶なの?

 もしもそういうことをしてみろ、思い切り乱入して邪魔してやるからなと彼の後をつける。



「おい兄ちゃん、人の女に何手を出してんだ」

「これは慰謝料払ってもらわんとなあ」

 そこで私が見た者は、怖そうな男の人達に囲まれる彼の姿。

「ごめーん、そんなわけで、お金払ってくれるかな、お姉さんと遊べて楽しかったでしょ?」

 なんと彼と遊んでいた女の人は、美人局だったのだ。

 これはまずいぞ、彼の強さはよく知っているが流石に人数が多すぎる。

 何か木刀持ってる人もいるし、海パン一丁の彼ではきついに決まってる。

 つまり、私が助けなきゃ! 

 すぐに私は走りだす。確か警備員の人が海の家の辺りにいたはずだ。

 しかし私の足は遅い上に体力も無く、砂浜で走るのは結構きつい。

 それでも全力で走る。彼が手遅れにならないうちに。

「……! ……!」

「どうしたんだ君、向こうで何か事件でもあったのか?」

 息も絶え絶えで仮に喋る事ができたとしても喋れない状況ながら、警備員の人に身振り手振りで彼の危険を伝える。何とか理解してくれたようで、すぐに警備員が彼の方に向かって無事に事件は解決。

 彼が暴力を受けることも、彼が暴力を振るってしょっぴかれることもなくてよかったよかった。

 彼にナンパはされなかったけど、それでも私は一途に彼の事を想うのです。

「君が通報してくれたんだね。ありがとう、お礼といったらなんだけどさ、一緒に遊ばない?」

「……♪」

 前言撤回、ナンパされました。彼とたっぷり遊びました。楽しかったです。









評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ