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ストーカーはドリラーになれる!

 タイトル:『いいバイト誰か教えてください』

 本文:肉体労働系で時給は800円くらい欲しいです


 いつものように彼のブログを覗くと新しいバイト先を募集していた。

 お金を溜めてバイクでも買うつもりなのだろうか?


 コメント:〇〇建設のアルバイトなんてどうですか?


 彼の望み通り、土建屋のアルバイトを紹介する。

 土建屋と言っても普通の土建屋ではない。



「いやあ君、良い身体してるねえ」

「鍛えてますから」

 タンクトップ姿の彼が汗を流しながら削岩をするのを、

「……♪」

 こっそりケータイで写真に撮りながら変装モードで遠巻きにうっとりと眺める。

 そう、彼のバイト先は私の実家とズブズブなのだ。

 なので視察という名目のもとためらいなくバイト先に出入りできるというわけだ。



 お昼休憩になったので、事前に作っておいたお弁当を差し入れということでバイト達に振る舞う。

 こうすれば自然と彼にお弁当を手渡せる。私って天才!

「君も見てないで、一緒に食べようよ」

「……! ……♪」

 自分の頭脳プレーに満足していると、なんと彼がこちらに歩み寄ってお昼のお誘いを。

 勿論断る理由なんてない、彼と隣あって座り、マスクをとってお弁当を開く。

「このお弁当、君が作ったの?」

 美味しそうにお弁当を頬張る彼にそう言われてテレテレとうなずく。

 彼と一緒にお弁当を食べることができるなんて、なんて私は幸せなのだろうか。

「君の素顔が見たいな。サングラス外してよ」

「……! ……」

 彼にそう言われるも、フルフルと首を横に振る。

 あと一歩が踏み出せない。



「ごちそうさま。美味しかったよ、それじゃ、バイトに戻るから」

 お弁当を食べ終えた彼はそう言うと、削岩機を手に所定の位置へ戻って行く。

 ズガガガガと削岩する彼を見ていると、私もやってみたくなる。

 そんな私の想いが通じたのか、

「ちょっと、やってみる? ばれると怒られるから、隠れてだけど」

「……♪」

 彼と一緒に削岩タイム。



「そうそう、真っ直ぐ持って、力はそんなに入れなくていいから、うん、うまいうまい」

「……♪」

 彼に後ろから支えられてズガガガガガと身体を揺らしながら地面を掘る。

 まるで私が彼に掘られてるみたいだ。なんてね。

 私もここでバイトして、一緒に汗を流そうかななんて思ったけどすぐに筋肉痛になる、そんな一日。

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