ストーカーに接客とかやっぱり無理!
前回のあらすじ。
彼がコンビニでアルバイトをしていたので、ホイホイとつられて私もバイトをしてみようと決心した結果、
私が働く前に彼がバイトをクビになってしまった。
彼と一緒に働けないのならバイトする意味なんてないけれど、根が真面目なのが災いしたのか、バイトを始めてすぐにやめるということができず、結局もう3日も働いている。
幸い同じシフトの人間がレジ等の応対をしていたので、私は品出しや掃除などの仕事をすればよかったのだが、この日は私しかバイトがいない。
サングラスとマスクをつけて一人店内でテンパっていると、この日も彼がコンビニにやってくる。
「……!」
勿論挨拶なんてできやしない。彼は接客態度が悪くてクビになってしまったが、私に比べればまだマシだっただろう。コンビニのバイトをなめていた。
そうこうしているうちに彼がカゴに品物を入れてレジの前に立つ。私しかいないので接客せざるを得ず、観念してレジに立つ。まあボディランゲージでなんとかなるだろう。
えーと、コミック回転楽、コミックペンキクラブ……〇×△□!?
「……! ……!」
顔を真っ赤にしてぶんぶんと首を振る。それもそのはず、彼が買おうとしているのはエロ本だからだ。
男の子だし仕方がないかもしれないけれど、一応バイトの身なのだ、明らかに18歳未満の人間にエロ本を売るつもりはない。
「え? 俺23歳ですけど?」
そんな風におどける彼。確かに背も高いし23歳でもおかしくないかもしれないけど嘘をつくな! ちゃんとこっちは生徒手帳とかで生年月日確認してるんだから!
「……! ……!」
必死でぶんぶんと首を振っていると、
「なんすか? 店員さんひょっとしてエロ本の代わり勤めてくれるんすか?」
「……!」
彼がわけのわからない事を言いだした。
エロ本の代わり? それってあれですか? DVDがどうのこうのってやつですか?
コンビニの休憩室で彼と一夏のアバンチュールですか? 制服プレイですか? 私がオカズですか?
そうだ、ゴムつけないと。でもこのコンビニにゴム売ってないし、近くのドラッグストアに買いにいこう!
私は制服姿のままコンビニを飛び出して、ドラッグストアへと駆けていくが、サングラスとマスク姿のせいで入店してすぐにそこの店員に注意されてしまい、そこでやっと私は冷静になる。
……馬鹿か、私は。
結局アルバイトも辞めることにした。どうせバイト途中に逃げ出したのだからクビだっただろうけど。
あそこのコンビニ、行きづらくなったなあ。
それにしても彼があんな事を言うなんて、ひょっとして私の正体に気づいていて意地悪したのだろうか。
まさかね。




