ストーキングですカンニングじゃないです
「では、始めてください」
というわけでテスト週間になりました。
「……」
一生懸命テストに取り組む彼を見詰めつつ、私もそれなりに頑張ってテスト勉強。
テスト週間中も彼は遊ばずに、翌日のテスト範囲の勉強をしたりと大真面目です。
やる時はやる男の人って、素敵!
「あれ、お前そんなに頭良かったっけ?」
テストの返却当日、彼がクラスメイトに意外そうに言われているのを見て微笑ましくなる。
自惚れかもしれないが、私のおかげで彼は無事にテストと突破。
夏休みの補習だって無くなった。これで彼との時間がまた増える。
……あれ? むしろ彼と補習の方がシチュエーション的には美味しいのでは?
と少し勿体なく思っていると、放課後に担任の先生に呼ばれる。
「お前、試験中ほとんど前の方の席を見てたそうじゃないか」
「……!」
なんてことだ、いつもの癖で彼の方の席を見ていたらカンニング扱いされてしまった。
そりゃそうだ、普段の授業中ならともかくテスト中まで彼の席ばかり見ていたらカンニングだと思われても仕方がない。
「成績のいいお前がそんな事するとは思ってはいないが……どうなんだ?」
「……」
首を振って精一杯否定する。違うんですカンニングじゃないんですストーキングなんです。
喋って弁解することができないためどうしたものかとうつむいていると、
「ちょっと先生、こちらへ」
担任の先生が別の先生に呼ばれて何やら耳打ちをされている。
ストーカーイヤーでこっそり聞くに、
「彼女には手出ししちゃ駄目だって言われてるじゃないですか」
「しかしなあ……」
「いいから放っておきましょう」
大体こんな感じの会話。
うわあこれ絶対私の実家絡みだよね。
「まあお前は普段から真面目だしやってないと信じてはいるがな、疑われるようなことをするんじゃないぞ」
「……」
割と権力に屈しない先生にペコリと一礼をして職員室を出る。
教室に戻る頃には丁度彼が帰り支度を終えて教室を出ようとするところだったので、私もすぐに彼を追う。
それにしてもこの間席替えした時彼の隣の席になる選択肢を私は選ばなかったが、
もしも選んでいたら完全に私はカンニング犯でしょっぴかれていたことだろう。
ストーキングとカンニングは紙一重。少し間違えれば犯罪になるということか。
……いや、ストーキングも犯罪だった。




