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ストーカーといえばゴミ漁り!

 カサカサ……

「……! ……!」

 ゴキブリの空、コバエの夏。

 爽やかな休日を脅かす突然の悪魔に、声にならない悲鳴をあげてスプレーを乱射。

 もうそんな季節になったか。実家にいてもアパートにいても、どこにでもやってくる。




 何とか悪魔を撃退しホッと一息つきながら、心が満たされない気持ちに陥る。

 最近の私には何かが足りない気がする。

 何かこう、中途半端な気がする。

 それなりに幸せな毎日だけど、どこか欠けている気がするのだ。

 何が足りないのだろうかと、私は手当たり次第にストーカーの被害体験記とか、

 ストーカーを題材にした漫画とか、色々読んでみることに。



 そうだ、ゴミ漁りだ!

 ストーカーといえばゴミ漁りというイメージがあるくらい一般的な行為なのに、

 私はそれをしてこなかった。だから満足できなかったのか。



 カレンダーを見ると、今日は燃えるゴミ回収の日だ。

 丁度隣の部屋から掃除機の音がする。部屋の掃除をしているようだ。

 この感じだとそろそろゴミを出しに行くのではないだろうか。

 予想通り30分後に彼が大きなゴミ袋を2つ持って家を出るのでこっそりそれをうかがう。

 ゴミ捨て場に彼がそれを置いて部屋に戻るのを確認した後、

 袋のうち1を持って私も部屋に戻る。

 見事に彼のゴミ袋ゲット。この高揚感こそがストーカーの本質なのかもしれない。

 早速袋を開けて中身を見る。

 うわあ、カップ麺の容器とか、スーパーの惣菜の容器ばかりだ。

 ダメだなあ男の人の一人暮らしは、栄養バランス考えてないよ。

 ……栄養バランス考えてない彼があの肉体で、

 考えているはずの私がこの貧相な体というのはどういうことなのだろうか……

 彼の食事から彼の好みの味もわかるというものだ。

 彼は醤油の濃い味が大好きらしい。プロファイリングだね。



「……! ……!」

 くるまったティッシュを見つける私。

 これは、ひょっとしてアレだろうか。アレした後のアレなのだろうか。

 匂いを嗅ごうとする私であったが、私も普通の女の子。

『こんなことをすればもうまともな人間には戻れなくなる』という思いがそれを妨害する。

 くっ、どうすればいいんだ……!

 ティッシュを持ったまま悶える私。

 5分ほどそうしていただろうか、段々と私も落ち着いてきた。

 深呼吸をしてくるまったティッシュを見つめる。

 とりあえず、中身を確認しよう、うん。

 布団ならまだしも、これの匂いを嗅ぐのはちょっと人として危ない気がするから、

 まずは中身の確認からだ。

 ドキドキしながらティッシュを開いていくと……



「……」

 そこには大きなゴキブリの死体が入っていたのです。




 ゴミ漁りは、やめよう。

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