ストーカーは水着を買います!
よし、水着を買おう。
彼が隠れロリコンだと判明したその週の休日、自信がついた私は水着を買うことにした。
お出かけの仕度をした後、彼の部屋から流れる音楽からゲームをやっていると推測した私はこっそりと家を出る。
「ナーオ」
「……! ……♪」
駅へ向かう途中、アパートの前にいるのとはまた別の猫を見つける。
ふわふわとした茶色い毛並をしたその子に触ろうとするも、
「フーッ!」
「……! ……」
威嚇されてしまいビビってしまう私。
猫の怒った顔は怖いのだ。
駅について切符を買ってホームで電車を待っていると、
「クルッポー」
「……! ……♪」
鳩がいたので、頭の中で鳩ぽっぽを口ずさみながらカバンに入れていたお菓子を取り出してその辺にばらまく。
「「「「クルッポー」」」」
「……! ……」
するとどこからともかく仲間の鳩も現れて私は鳩に取り囲まれてしまう。
一羽でクルッポ、二羽でホーホホッホホー、三羽揃えば牙を向く。
たくさんの鳩に囲まれて怖くてガクガクと震えていると電車がやってきて鳩が逃げて行ったので、ホッとしてそれに乗り込む。
窓の外を眺めながら忍者を走らせる。私ってストーカーだしくのいち適正あるかなあ。
でもくのいちの本業は色仕掛けらしい、無念。
20分くらい電車に揺られて市内についた私は、まずはお昼ご飯を食べることに。
駅前で評判のパスタ屋さんへ。
「ご注文をお伺いします」
「……」
「かしこまりました」
喋る事ができなくても、メニューを指差せば意思の疎通はできるのだ、えっへん。
ボディランゲージに頼った生活をしている私は、案外海外での仕事が向いているかもしれないとポジティブシンキングをしているうちに料理が運ばれる。
「……♪」
流石は評判のお店、舌の肥えた私でも満足の美味しさだ。
小食の私だけど、ランチセットでパスタにサラダにトーストにスープに、ドルチェだって頂いちゃう。
腹ごしらえをすませてルンルン気分の私は本来の目的を果たすためにデパートへ。
私の学校の制服を扱っているお店でスクール水着を眺める。
バストアップ体操とかそれなりにしてきたけれど、私だって現実が見えていないわけではない。
大きいサイズを試着して絶望するのは嫌なので、最初から一番小さいサイズを試着する。
ほーらやっぱり一番小さいサイズでピッタシだ。彼の好みの体型だ、あはははは……
水着を買った後もオシャレな服とか漫画とか色々買った結果、
「……」
買いすぎた。荷物が重い。
ふらふらしながらも何とかアパートに辿り着き、部屋に荷物を置いてベッドにダイブ。
隣の部屋の扉が開く音が聞こえた。
彼もさっきまで出かけていたようだ。ついていきたかったなあ。




