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ストーカーは腋毛が見たい!

『ストーカーに餌をあげないで!』23部に相当

「……」

 朝起きたら汗まみれで気持ちが悪いのですぐにシャワーに向かう。

 もう夏に入ってきたようで朝からかなり暑い。

 朝ごはんも冷たいシリアルですませよう。



 そうだ、夏服に着替えよう。衣替えだ。

 夏服に着替えた私は鏡の前でポーズをとってみる。

「……」

 あれ、私可愛くない?



「……」

 いつも通り彼の後ろを歩きながら学校へ。

 見て! 夏服になった私を見て! 開放的になった私を見て!

 ……って何考えてるんだ私は。ストーカーの癖に見て欲しいだなんて、服の効果で痴女痴女しくなっているようだ。



「夏とかホンマ最悪」

「ただでさえ男子にやらしい目で見られる上に、男子のキモい露出見ないといけんしね」

「さっきさー、夏服の男の腋毛が見えててもうホンマ吐きそうになったわ」

 学校へ。クラスの女子がこんな感じに悪態をついている。

 彼は今日はまだ夏服にしていないようだ。

 残念だなあ、見たいなあ、彼の腋毛。

 明日になったら見れるかな?

 腋毛と言えば、私も露出増えたのだからムダ毛の処理をしないと。

 私は別にいやらしい目で見られることなんてないだろうけど、それでもエチケットだ。

 女の子の体なら無条件で男は喜ぶだなんて私は思っていない。

 例えばスカートの短い女の子がいたとして、男はパンチラを期待する。

 そして風が吹いて女の子のパンツが見えた。

 しかしそれが黄ばんでいたとしたら、大抵の男はショックを受けるだろう。

 ……実は昔、油断してかなり黄ばんだパンツをはいたままミニスカートで出かけて、

 エスカレーターに乗った際、下に乗っていた子供に見られてしまったのだ。

 その時の子供の表情が忘れられず、それ以来気を付けるようにしている。

 こういう地道な努力がきっと女子力アップにつながるのだろう。



 さてさて翌日。いつも通り彼の後ろを歩く私。

 彼も夏服にしたようだ。涼しそうでかっこいい。

 私が狙うは彼の腋。どのくらい腋毛が生えているのだろう。

 学校へ到着後、虎視眈々と彼の腋を見るチャンスを伺う。

 そしてついに彼が自分の机で大きく背伸びをした際に私は彼の脇を見ることに成功したのだ!



 毛が……ない……だと……?

 彼は腋毛が生えない人間なのだろうか。

 しかしよく見るとところどころ黒いぶつぶつがある。

 つまり彼は腋毛を剃ってしまったらしい。

『さっきさー、夏服の男の腋毛が見えててもうホンマ吐きそうになったわ』

 昨日のクラスメイトの言葉が思い浮かぶ。

 まさか彼はあの言葉に触発されて腋毛を剃ってしまったのでは。

 なんてことだ……なんてことだ……

「……」

 昨日その発言をした女子をキッと睨み付ける私でした。

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