ストーカーのあの日は辛い。
『ストーカーに餌をあげないで!』第20部に相当
若干気持ち悪い話なのでスルー推奨
寝る前にカレンダーを眺める。……そろそろだろう。
きちんとあれをつけて、おやすみなさい。
「……」
予感的中、朝起きたらものすごくだるい。俗にいうあの日だ。
ちなみに私はナプキン派だ。タンポンなんて挿れるのが怖い。
でもたまに思う。おむつしてるみたいで恥ずかしい。
「……」
彼の後ろを歩きながら学校へ向かうが、この日はふらふら。
貧相な体をしているくせに、女の子の日は一人前でものすごくきつい。
男はこの苦しみなんてわからないんだろうなあ、と思うとものすごくイライラする。
「……」
授業中もぼーっとしてばかり。彼を見つめることもなく、授業を聞くこともなく。
本当にきつい、何も考えてられない。
「……」
勿論こんな調子で体育の授業なんて受けられるはずがない。
そういえば、昔男の人が言っていた気がする。
『生理の女は鉄くさいからすぐわかる』って。
私は特に酷いし、周りにばれているのかなあ。
陰で私のことを鉄くさいって笑っているのかなあ。
イライラが収まったと思ったら、今度はどんどんネガティブに。
気温が暑いこともあいまって、死んだような目でぼーっと彼を見つめる。
「……」
お弁当だって食べる気がしない。
半分も食べずにお弁当をしまってトイレに。ナプキン替えよう。
トイレに座って、小箱を開ける。
いつみてもグロテスク、たまに女子トイレに侵入してこの小箱の中身を盗もうとする男の人がいるらしいが、本当に理解できない。
彼がもしそんな性癖だったらどうしよう、受け入れられる自信がない。
そういえばコンビニのトイレは男女共用のところも多い。
簡単に小箱の中身を男が見ることのできる時代になってきたわけだ、恐ろしい。
それはともかくナプキンを外して捨てて新しいのを……のを……
忘れた。替えがない。
誰かに借りる? 私が? 無理無理。
一度捨てたこれをもう一回装着? 人として無理無理。
耐えよう!
デキル女は生理でも自らの体をコントロールできると聞く。
午後の授業中ずっと自らの体をコントロールし漏れないように集中。
休憩時間はトイレにこもる。
「……」
放課後、彼の後ろを歩きながら心身ともに最早限界。
あともう少し、あともう少しでアパートに戻れるのに。
慣れてないのに無理やり我慢したのがよくなかったのか、少しふらふらっとしたかと思うと、私の体は電柱にもたれかかるように倒れて意識も無くなっていく。
ああ、道端で経血だだ漏れで倒れている女の子なんて、一生の笑いものだよ。
死にたいなあ、いっそ貧血で死ねないかなあ。
「っ! おい、大丈夫か!?」
完全に意識が途絶える直前、彼の声が聞こえたような気がした。
次に目が覚めたとき、私は学校の保健室にいた。
保健の先生に保健室に生理用品が常備してあるから替えを忘れた時はそれを使いなさいと諭されて帰される。
それにしても、一体誰が私を運んでくれたのだろうか。
まさか、ね。
翌日
「……」
彼の制服に、赤い染みがついている。ひょっとしてあれは私の……
……忘れよう。私は何も見ていない。
小箱の正式名称はサニタリーボックスらしい。




