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第1話:逃避行の状況説明

これはファンタジーであります。よってかなーり空想の産物であります。あと、魔物の設定だとかは独自解釈みたいになっているのであります。そのへん我慢できん人はスルーするであります。

とりあえず、自己紹介といこうか。もう知ってる?

いやいやお前の知ってるそれが、オレのことかどうかはわからんぞ?

あるいはそのときのオレが、今のオレと同じだとも限らない。


・・・まあ冗談はさておき、オレの名前はガウスだ。本当はもっと長いんだが面倒なんで割愛しよう。職業は領主様。このあたり一帯を治めてるのはオレってことだ。オレが治めてるなんて治安がどうなのか心配?そんなのは無駄なことだ。オレの領地の”領民”は紳士淑女ばかりだからな。


うそをつくな?何言ってる。ほら、オレの”領民”の代表格をあげてみろ。

ヴァンパイアのボルドー卿とか、リリスのプラム婦人とかゴブリンのデデンケとかいるだろ。ああそうか、お前オーガの奴等のことを言ってるのか?意外とイイヤツラだぞ。ただバカなだけで。

・・・・・・ほれみろ。紳士淑女ばっかりじゃねえか。




〜新暦134年 3の月 2日目 ギーグ山の領主との会談より。〜
















/新暦133年 2の月


私はリーズリーフ王国の貴族の一人クリフ卿の一人娘、シャロンだ。貴族の令嬢として、ほとんど不自由のない生活をおくってきた。地元では才女と呼ばれて市民にも親しまれてきたし、さまざまな稽古を積んできた。才能に恵まれ、努力を怠らなかった。

しかし王国が隣国との戦争に負けて1年。箸より重いものを持ったことが無かった私も、大分すれてきたようだ。なんせ私が着ているのはよくわからない材料で作られた作業服だし、履いてる靴はもう元の色が分からないくらい継ぎが当ててあるし、髪はもう3日も洗ってないし、メイクなんて半年はしてないし、何より許せないのが。


「何で私が貴族だって誰も信じてくれないのよ!!」


いやまあ確かに王国が滅びたとき、父上の言いつけ通りに逃げ出して、そのときわざとみすぼらしい格好をして、それからしばらく逃亡生活が続いたからなんだけど。それにしたって今でも没落貴族くらいには見えたっていいじゃない。それならほら、どこかの貴族のボンボンをだまくらかして結婚して、再び優雅な生活に返り咲くこともできるじゃない?ほとばしる貴族オーラ?が出てるはずなのよ。

なのにこの前会った貴族には


「君、その汚い格好で僕の道をよごさないでくれたまえ。」


とか言われるし!それでキレてブン殴ったら投獄されるし!さらには隣国の制圧戦に巻き込まれてるし!


「なんでなのよー!!」


「あああうるさい。さわぐな。兵士に見つかるだろうが!」


「う、ごめんなさい。」


とにかく、それで絶賛逃亡中なのだ。

ちなみにさっき怒鳴ったのは牢屋の看守(名前は知らない。だって興味ないし。)。もうすぐ40になるオッサンだが、戦闘が突然始まったために成り行き上いっしょに逃げている。目的地?そんなものはない。っていうかこの辺の地理は全然知らないし。なので私は彼の後ろについていくだけである。・・・彼も今どこにいるのか分からないらしいけど。


「まったく無能よね。そんなんだから看守なんてツマンナイ仕事をさせられるのよ。貴族に仕えるなら兵士とか書記官とか、かっこいい仕事がいくらでもあるじゃない。だから・・・フギャン!」


「うるさい。聞こえてるぞ。まったくお前みたいな世間知らずの田舎娘(貧乏人)をつれてくるんじゃなかった。村についたら売り飛ばすぞ。」


「ごめんなさいもうしませんゆるしてください」


う〜、頭がヒリヒリする。覚えてなさい。あたしが貴族として返り咲いたらあんたなんか便所掃除補佐代理なんだから!

・・・しかしまだ村に着かないのかしら。あの貴族の城から逃げ出してもう2日。食料や水はまだあるけど、さすがに疲れたわ。

城の規模からするとそんなに広い領地ではないと思うんだけど。さすがに村の一つくらいは見つけていいはずよね。それがひとつもないなんて。

たぶんこの人は道を間違えたのね。どこか変なとこに進んでるにちがいないわ。


「・・・っていうかここってもはや獣道よね。本当にこんなとこに村があるの?」


「知らん。嫌ならさっさと一人で行け。魔物に食われたいならな。」


それはイヤだ。再びゴージャスな貴族に戻るまでは我慢するしかない。こんなオッサンの言うことをきくのは癪だが、しかたがない。私が貴族だといっても信じないのだから。しかし本当にどうするのだろうか。冗談抜きに魔物が出そうな雰囲気だ。魔物がでたら、私はこの1年で付いた体力には自信があるのでひたすら逃げるのだが、そうなれば一人になってしまう。道具のほとんどをこのオッサンが持っている以上、村にたどり着くのは絶望的だろう。よってまだこのオッサンに着いて行くことに決定。確実に山登りと化しているこの逃避行が成功することを祈ろう。あと二日ほどの辛抱だろう。


「ねえ、まだ進むの?今日はこのへんで休まない?私疲れた。」


「・・・もうすこし我慢しろ。貧乏人。」


あー、もうイライラする!さっきからこの人私に逆らいっぱなしなのよね。まったく、これだから便所掃除補佐代理は困るわ。

さっさと休ませなさいよ!


「やだ、今日はここで休む。いいでしょ?ここは木に囲まれてるから見つかりにくいし、交代で見張れば寝ることだってできるじゃない。なにかあったらすぐに起こすわよ。だから」


「シッ!・・・静かにしろ。人影が見える。・・・多分山賊のたぐいだ。徒党をくんでるようだし、なによりたぶん悪人面だ。」


「あなたも十分悪人面よ。」


「うるさいほっとけ。あとしゃべるな。見つかったらなす術ないんだぞ。武器は剣一本だけだし、なにより俺は弱い。最近腹が出てきたからな。」


「見りゃわかるわよ。言ったじゃない。だからあなたは無能よって。ハゲてるし。」


「だまれ!俺はまだハゲてない!これはこういうヘアスタイルなんだ!」


「負け惜しみね。どうみても後退してるわ。いっそのこと、全部剃ったほうが男前よ。」


「だからこれは!




「おばえらなにやっでんだ?さっぎからペチャクチャと。」


「・・・見つかったな。」


「見つかったわね!あんたのせいよ。ケンカして見つかるなんてお約束すぎるじゃない!昔見た芝居でもこんなだったわよ!」


「・・・しかも山賊じゃないな。オーガだ。」


「無視するなー!」


オーガ。たしか以前本で読んだ。ヒトに近い魔物の一種で雌雄の別があり、家族社会を形成。雑食。魔物の中ではかなり高い知能を持ち、ヒトの言葉を理解することも多い。そのため、まれに兵士として雇われることがある。・・・現実逃避終了。このオッサンでは勝ち目はあるまい。囲まれてる以上、逃げることもできそうにない。だが幸いにして言葉の通じる相手だ。命だけは助けてもらえるように、交渉することができる。多分。



どうも。ご清聴?ありがとうございました。正直自分でも穴の多い文体だとは思うんですけど、こういう一人称みたいなのをやってみたいというのがきっかけでした。初めての投稿作品ですが、頑張ります。

できれば第二話もよんでほしいです。

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