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第三次スーパーロボトイ大戦  作者: おれごん未来


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第0話 歴史

 現在から数えて2億年前。宇宙から飛来した異星人にとって、チキュウの生物はすべて巨大であった。

 尖兵たる侵略用テラフォーマーとしてこの星に送りこまれた古代の昆蟲は、恐竜に接し戦慄した。彼らにとってそれはあまりにも凶悪で、巨大に過ぎた。

 数百年後に観測した異星人はテラフォーミングの進捗に驚愕する。彼らは汚染してまでの収奪をよしとせず、以降チキュウの獲得を断念した。昆蟲型テラフォーマーを残して。

 主を失ったのちも活動を続け版図を地上全土に拡げた昆蟲群であったが、恐竜からの貪食はなお厳しく。やがて隠密性を高める方向へと進化を遂げる。2億年をかけて小さく、軽く、疾く。

 同時に弱くなった。


 長い時間のなかで恐竜は絶滅し、チキュウは幾度目かの氷河期を経験する。地上がふたたび熱を取り戻すと主役は哺乳類へと移り、やがてヒトが台頭した。

 酉の方角より来たりし暦、酉暦とりごよみとなり、1935年の日本。チキュウを訪れたのは第2の異星人。ヒト対比で非常に小さなこの種族は、宇宙基準では平均である。

 彼らは昆蟲型テラフォーマーを検知すると、この星を統べるジン類よりも先に異星技術の根絶を企図。昆蟲を撃滅するための尖兵としてチキュウのロボット・トイを改造した自律稼働ヒト型兵器、自動人形を開発した。

 その目的は合わせてひとつ、地球からの知的生物の排除。

 この際にヒトの理解者を得、助力を得たことで移動や物資調達、補給などを有利に展開でき、迅速な昆蟲の排除に成功した。

 このときの戦いを知るジン類はごく少数にとどまる。この世界的な大攻勢について、のちに第1次スーパーロボトイ大戦と名付けられた。

 この戦いで第2の異星人に手を貸したのが、だれあろうダイバン初代社長、代万だいばん十蔵である。

 彼は自動人形の製造拠点を得たいと乞う第2異星人にこころよく応じ、工場敷地の一部を貸与することを承諾した。社員向けには『社長の秘密基地』、つまりは『社長が空き時間に趣味で工作するための場所』として、余人には不可侵の領域と設定した。

 また、このときに十蔵との友情の証として、病弱で余命いくばくもなかった十蔵の愛娘;麻衣の人格をコピーした自動人形を贈呈している。

 第2異星人と十蔵の間に生じた奇妙な友情は、互いに自らが属する種族や組織に対する背任行為を働かせた。それぞれが己の属する集団に対し疑念を抱き、身の危険を承知で利敵行動を犯した。それらは互いの友情を形として残す何よりの証となった。


 それから半世紀以上が経過した1987年。ダイバンの一角にあった工場は密かに地下へと姿を消しており、十蔵がこの世を去って以降、自動人形の存在を知るものはいなくなっていた。

 この頃から自動人形は自らをロボトイと呼称。ロボトイは地上の正規品玩具をヒト知れず出荷場より奪取し、自動人形に挿し替えて戻すことで市場へ秘密裏に兵士を投入。都市部への配備は着々と進んでいた。

 そのころ、体内でウイルスを培養し、致死率を高める進化をした新種の昆蟲型が水面下で数を増やしていた。おりしもロボットアニメが隆盛を極め、チキュウ製ロボトイの全世界配備が軌道に乗ったころである。

 そうした昆蟲の動向を如実に察知したロボトイ軍団が先制するかたちで開戦。戦いはロボトイ側の圧勝、多くの致命的昆蟲型をヒトの住まわない地域へと押し返した。

 あらゆるロボトイからロケットパンチが飛び、これが勝利の決め手となり、しかし数多のロボトイから拳が失われた。

 このときの戦いもまたジン類は知らない。のちに第2次スーパーロボトイ大戦と呼ばれる戦いである。


 酉暦が2000年に入るとロボットおもちゃ市場に陰りが生じた。原資たるロボットおもちゃの生産が減り、出荷量も減少した。

 その影響で第2次スーパーロボトイ大戦で失った兵士の再配備が計画通りに進まなくなったことから、ロボトイの首脳は計画の修正を余儀なくされる。

 このとき、ロボットおもちゃに代わって隆盛していたのはプラスチックフィギュアの市場であった。これに目をつけた首脳は以降ロボトイの魔改造を縮小。代わって戦場に現れたのが女性型の、自動人形化したプラスチックフィギュアである。

 フィギュアは四肢の交換が容易で、よく戦場を支えたが、ロボトイ対比で壊れやすく現場からは疎まれた。フィギュアは疎まれているのを承知で愚直に戦場を駆けた。


 その後もジン類に隠れて密かに蟲の駆除を継承していた2026年。アフリカの昆蟲終息宣言を契機とした新たな戦い、第3次スーパーロボトイ大戦がはじまる。

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