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描写の練習
洗濯物が物干しにかかっている。わりと等間隔に並んでいる。座椅子に座ってぼうっと眺めていると、男にとってはそんなことすら面白かった。乾燥させる目的で物干しにかけているのだから、当たり前と言えば当たり前だ。
男はそんな物干しに向かい合うような形で座椅子に座っていた。いや、座っていたと言うのは、行儀が良すぎるかもしれない。それは座椅子から滑り落ちるような姿勢で、もはや床に寝転んでいると言った方が近いのかもしれない。男はその状態で頭だけを座椅子の背もたれ部分にもたれかけさせていた。
年末年始、特に外に出ることも無く、男はずっとそんな感じで過ごしていた。男自身もこの部屋の一部であるかのように溶け込んでいた。
時折、男は遠くを見つめた。そんなとき整然と並ぶ洗濯物が目に入る。それはだらしない自分の知らぬ部分が現れているようでもあり、その整然さにはだらしない自分は似つかわしくないことを示しているかのような、そんな複雑な気分になる。




