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短い文章  作者: テスト
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12月5日

小説家になりたいって初めて思ったのは、たぶん小学校一年生の頃。その頃はまだ画用紙にクレヨンで描いた絵みたいにぼんやりとしたイメージだった。いつか面白いお話を書いてみたいと漠然と思っていた気がする。


高校の頃は、多分そんなこと思ってなかった。僕は数学をはじめとした理系科目が得意で文系諸君を内心、小馬鹿にしてた。でも本は好きだった。その頃はどちらかというと小説よりも漫画だったか。学校の自分用のロッカーに漫画を隠し持ってた。なんでわざわざ学校のロッカーに入れていたのかは我ながら謎である。もしかしたらそれがカッコいいと思っていたのかもしれない。その頃から僕はイタイ奴だった。


本格的に小説家になりたいと思ったのは大学生になってからだった。僕は情報系の大学に通っていた。僕が大学二年の頃、その大学の先生が突如として小説家デビューした。は?と思った。生協の書店の一角に突如として単行本がずらりと平積みされていて、読んでみるとこれがとても面白かった。僕もこんなお話が書いてみたい。誰も予想できないミステリ小説が書いてみたいと思った。


それから数年後、僕はネットでちょっとした文章を書くようになった。まあ、ほぼ日記だ。いや、空想日記と言った方が適当か?実際にあったことに少しだけ脚色して、僕なりにミステリ要素(といっても犯罪の類ではない)を追加してみたりして。当時の僕はそれがとても楽しくて夢中になっていた。毎日毎日、飛行機が落ちても流星が流れても書き続けた。こんな僕のしょうもない文章でも、読んでくれる人がいるというのがとても嬉しかった。


僕がネットで日記を書いていた時、僕はおくびにも小説家になりたいなんて出さなかった。僕の実力では難しいと思っていたし、何より夢を明らかにするのは恥ずかしかった。でもたった一人だけ、そんな僕の秘めた思いを見抜いていた人がいた。見抜いていたのかな?聞いたことないから分かんないけど、なんかいつの間にか知られてた。

「でしょ?」って自信満々に訊かれたとき、僕はつい笑ってしまった。だって、その顔は一緒に行くぞって言ってるみたいだったから。


そして、その人は不甲斐ない僕をずっと支えてくれていた。なんとなく面映ゆかったり悔しかったり、もしかしたら嫉妬なんかもあったりしたのかもしれないし、まあ、色々と複雑な感情があって、その人が僕を支えてくれていたことを認めがたかった。

でもやっぱりその人は長い間ずっと僕を支え続けてくれていた。間違いなく。


だから僕はきちんと宣言しなきゃいけないと思った。

僕ももういい年だ。恥ずかしがってる場合じゃない。

その人の支援に報いるためにも逃げ道を断つのだ。


僕は小説家になりたい。


いいおっさんが恥ずかしげもなく言う。

僕は小説家になりたい。

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