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交流祭1日目終了!

「ぷはぁ、喉が渇いた時はやっぱこれだよね」

「とりあえず生で」

「アルコールはダメだよ、普通に1万(2)茶だよ」

「二進数にすなー」


このお茶、半額になってたから買ってみたけど凄く美味しい。

普通の麦茶は淡白というか飽きるけど、これは飽きない。かといって強いクセもなくてベリグーなお茶だ。

背もたれに全身を預け、体から力を抜く。


「ふえっへぇ〜、スイミ〜」

「なにー」

「どっれくらいの人が襲ってきた〜?」

「こっれくらいのおバカさんがきたよ」


スイミが両手を合わせて差し出してくる。

いや本当に両手がくっ付いてる!どうなってるのこれ?

理解ができず固まる。ま、まぁとりあえず当てずっぽうを言おう。


「うーん、6人?」

「もっともぉ〜と」

「3?」

「もうー声」

「じゃあ1だ!」

「よーし、花0をあげよー」

「いや、これ↑丸じゃなくてゼロじゃん」


スイミが言うには、天井裏で待機していたけど敵は誰も来ず、ずっと僕たちの劇を観戦していたらしい。全然気づかなかった。...んぁ?そういえばお姉ちゃんが途中ずっと上の方見てて、気になったから後で聞こうとしてたんだ。


「ひょっとして、お姉ちゃんは気づいてた?」

「あぁ目があったよ、あの時は驚いて柱から転げ落ちそうになった」

「へへっ、猫に睨まれたネズミみたいな」


でも別に、お姉ちゃんの目は優しすぎて睨まれても怖くないかと思った。お母さんはあれなのに。お父さんの血って凄いとも思った。


「それにしても、なんで敵さんたちは誰も来なかったんだろね?僕たちの劇に見惚れちゃったのかな!」

「やれやれ、なんのために私の変装をさせたと思っているんだい」

「かわいいから」

「1割正解、残りの9割は目を欺くために。この写真を見てくれ」


スイミが僕の前に水色のスマホを出す。

そこには僕とメノンちゃんが写っている写真。

メノンちゃんは満面の笑みで目のところに斜めピースをしていて、僕は低い位置で指の曲がったピースを死んだ顔をしてやっている。

でも一番気になるのは、全然この写真を撮った記憶がない!


「場所的に学校だよね、メノンちゃんの爪が長いから1週間以内かもっと前で。瞳を見るとスイミが映っていて、風景から場所も特定できた。そしてこれらから分かることは、分からないということ!」

「これは影武者エマ、今日1日これに校内を巡らせてた。すれば敵はこっちばかり見て、私に変装している君に気づかない」

「頭よ!!でも影武者さんは大丈夫だったの?」

「心配むよーだ、ワールズアコードは君に恐れて手も出せない臆病者の集まりさ」


でた、スイミの謎正確情報、やはり忍者の末裔を自称するだけはある。

他にも神様とか、大型航空機パイロットとか色々自称している。


一段楽したところで、お茶を持った方の手でテーブルに手をつき椅子から立ち上がる。この後一緒に回ろうってお姉ちゃんお父さんと約束してるから、そろそろ合流しないといけない。


「さてと、よっこらしょいほい」

「すごい声低かったねー」

「いいじゃん、スイミしかいないんだから」

「いやいるだろ、なんなら男子劇員もいるだろう」


ここは演劇部の楽屋なんだからそりゃいるでしょっよい。

上を向いて残りのお茶を口に入れ、ペットボトルをゴミ箱に投げ捨てる。

スイミに借りた衣装を返したし、あとは自由時間を遊ぶだけだ。


「ほらほらスイミも立って、行くよ!」

「よっこらしょういち、仕方ないねー」


スイミを僕の背中に乗せて楽屋の出入り口扉に向かう。

まずはお姉ちゃんお父さん、あわよくばお母さんと合流...

そんなことを考ながら扉を開けると、大絶叫が襲ってきた。


「きゃー!!エマさんが出てきたわよ!」

「お疲れ様ですー!写真お願いしますー!!」

「貴様ら!お触り禁止、出待ち禁止だ、散れ!!」


どうやら、僕とまだまだ遊びたい人たちが押しかけているらしい。

そしてそれをガクト先輩と他の劇団員さんがカップルみたいに腕を組んで防いでいる。あっ、防壁が崩れてこっちに向かってきた!


「...出待ちだね、どうする?」

「これ僕のせいだよね。でも拘束されたら遊べないし、でも責任をとるのも...」

「仕方ない、助けてあげよう」


すると背中のスイミに目を塞がれる。


「そのまま全進してくれ。なに、誰にもぶつからないさ」


耳元で囁かれる声に一瞬驚くが、僕はスイミの言葉を信じて前に進む。

そして1分ほど進んだのち、目の前が明るくなった。

劇場の楽屋にいたはずの僕たちは、なぜか校舎に戻っていた。


「これがスイミの魔法...さっぱり分かんないなぁ」

「これは伏線さ、存分に推測したまえ」


ん〜瞬間移動、通過、位置の入れ替えとか?

でも歩いたにしては移動距離がおかしい気がするしなぁ...

と存分に推測していた思考が一瞬で塗り替えられる。

なぜなら僕の大好きな人の声が、僕を呼んだから!


「あ!エマー!こっちこっちー!」

「姐さん!」

「相変わらず仲いいね、青春青春」

「親父!」


ドンドン!

第三騎士団 監査部長 

  猫又ドルガ


「なに今のカットイン!?」

「ヤクザ言うたらこれやろ」

「カタギにゃ分からんのか?」


ポッケに手を突っ込んで低い声で威嚇してくるお父さんとお姉ちゃん、周りの人が見てるから恥ずかしい。


「もう、みんなが見てるのに変なことしないでよ!」

「まぁまぁ、写真撮っていいかい?いいね!」

「バッチリお願いねお父さん、解像度8Kで!」


恥ずかしい...!けど、カメラを向けられたらポーズをしない訳には!

ならばと、メノンちゃん仕込みのオシャポーズを繰り出す。

口元を手で隠し、体に角度を付けて陰影を作る。まだまだ、指ハート!目元で両手ピース!遠近感を利用したカッコいいポーズ!!


「はぁはぁ、ネタ切れでーす」

「なんだが今日は随分と忙しいねエマ」

「もう今日はなにもしないから!僕は遊ばせてもらう!」

「はいはい、パンプレットはこれね。歩きながら考えようか」

「うーん、おじさんがいてもいいのかな?」

「うっわいまさら、去年のこと忘れたの?」


どうやらお父さんは何かをしでかしたらしい。

けどまぁ、お父さんは気分が高まるとレイサさんみたいに破天荒になるから予想はできる。そしてお父さんがしでかしたなら、レイサさんもしでかしたと推測できる。


でも今はそれよりも、お腹が空いたから早くして欲しい。


「ねぇ早くして!沢山動いてお腹空いたの!」

「あぁごめんね、全部奢ってあげるから許して」

「私が奢るからお父さんは引っ込んでなよ〜」

「ほら、スイミも段々とフェーズアウトしないでこっちに来て!」

「あっ、バレた。いや、私は気にしなくていい。家族団欒を楽しんでくれたまえ」

「いーや、着いてきてもらうからね!」


さっきから僕の視界の端に行こうとするスイミに目を合わせる。

『震炎刮目』スイミを担いでお目当ての教室まで連れていく。


「...やはり私は、君に期待する」

「え、どういうこと?」

「そういうこと〜」


そういうことらしい、僕を期待してくれてるんだ。

なら応えないとね、英雄らしくさ。


僕は清々しい気分でスイミと歩...


「娘を騙すなんてサイテー!」

「騙される方も悪いー!」


...家の家族はみんな仲良しだなぁ

僕は少しだけ、二人から離れて歩いた。

「姉貴、別にあっちと合流していいんだぞ?」

「ノーノー、私は友ダッチと同じくらい家族も大切にしたいの」

「自分は大切にしないくせにね」

「こりゃぁ手厳しい、改善しやす!」

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