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作戦司令総指揮官メノン・ミカゲ

「でも今日は交流祭で外部の人も沢山来てるから、音の大きい銃は使わないでね」


古堂カイリ 戦闘力60%down


ナガンM1895 サプレッサーが使える数少ないリボルバーの一つ。

弱点としてこいつはスイングアウト方式でもトップブレイク方式でもない、ソリッドフレーム方式で弾を一発ずつしか入れられねぇからリロードが遅い。

今回はこれしか持ってないから贅沢は言わないんだがな。


逃げる敵の両耳近くに一発ずつ、風切り音で硬直させ隙を突いて拘束する。


「相変わらず射撃ヤバいねカイリちゃん!!」

「これだけが取り柄なので」


私が初めて銃に触れたのは5歳の頃だ。

それから毎日毎日触り続けてきて今に至る。だから銃は私にとっては体の延長線に過ぎない。


「いや、カイリちゃんは私が見てきた中でも三番目ぐらいに上手いよ!!」


うぐぅ、誰にも負けない自信があったのに三番目って言われた…

悪気はないんだろうけど尊敬する先輩に言われるのはキツイ…!

だがレイサ先輩を見習っている私はこんなことでへこたれない!


「もっと精進してレイサ先輩の一番になります!!」

「あっはは、それは頑張って欲しいな!」


まだ一人しか倒してないがこの戦い、かなりレベルが高いと見る。

つまりレイサ先輩にいいところを見せるチャンスでもあるということだ。

私の士気は鰻登りに上がり続ける。


(レイサ先輩、カイリちゃん。次のポイントをマークしました、そこに敵がいます)


メノンはメイド喫茶に置いてきた。はっきり言って、この戦いにはついてこれない。

あいつは私らの指揮官として一番前を歩いているからだ。


戦いにおいて情報と通信の価値を知らない者はいない。

なぜなら知らなかった奴らは全員死んじまってるからな!!


その点においてメノンの『共有』は群を抜いた最強の魔法だ。

通信するのにいるのは魔力のみ、傍受すんにも賢才の防壁を突破しなきゃならん。

はっきり言おう、チートだ。


(ポイント到着、敵発見)

(数は報告通りの二人、私は左の方を捕まえるね)

(了解です)


さらに『共有』の対象は人間だけでなく条件付きで機械にも有効。

校内の監視カメラに繋げちまえば敵の動きは筒抜けだ。


先輩の『瞬発』と私の射撃、この速さに追いつくのは至難の技だ。


「でもね、ちょっと違和感があるの」

「まぁ、そうですよね」


首を曲げキョトン顔をするレイサ先輩、素晴らしい。

それはそれとしてめっちゃ弱いぞこいつら、本当に『ワールズアコード』かよ。

私も前回受けたアマナイズ大統領護衛任務で組織の一人と接敵した。


結果は左半身の損傷、脳機能低下、固有魔法の8割損害。

敵自体は気合いで追い払ったがこれじゃ痛み分けでしかない。

あの敵を目の前にして私は絶望した、渇望した、辛抱した。


こんな弾丸一発で落ちるなら、あの恐怖はなんだったのか。


(分からないですね、なぜこんな質が低い雑兵ばかりを配置するのか)

(で? 答え出てんだろメノン)

(ではある可能性から仮説を作りましょうか。あっ、語っている間にもポイントをお知らせするので処理しながら聞いてください)


(まず敵の目的はエマを殺すことではない。殺すことだけはしないようにしています。なぜかというとですね、ミツルさんが既にダウンを取られているんですよね)

(………えっ?)


あのレイサ先輩の驚く声が聞こえた、私は声すら出ない。

ヴァストスの大英雄、覇浪の騎士、沙根金ミツルが負けた。

石壁を歩いてすり抜けるられるか?炎を素手で触って熱くないのか?


沙根金ミツルが何者かに負けるのか?それはあり得ないことだったのだ。


(敵は私たちを簡単に殲滅できますよ、しないだけで)

(…ありゃ〜キッツイね、それ)

(だが、それをしないなら、されないなら、私たちはどうすればいい?)


負けが確定している中でもあなたは戦い続けた、聞こえはいいな。


あなたのパーティーは全滅してしまいました。

人類は一人残らず殺されてしまいました。


見え方が変わるだけで意味まで変わったように見える。

今の私に駆け巡るのは恐怖だ、導いてくれる導が欲しい。


(な〜んてね♪少し驚かせて過ぎてしまいましたね。安心してください、私たちの未来は希望に満ち足りていますよ!だってまだ誰も死んでいないじゃないですか、私たちには闘志があるじゃないですか!)

(…お前やっぱメンタル強いよな、絶望した顔が似合わねぇ奴ナンバーワンだよ)

(ここからが本番なので気を引き締めるために言いました、てへっ)


図太ってぇなコイツ、出会った頃から変わらない。

嫌だ嫌だ言ってんのに力貸せ貸せ言ってタダ働きさせてくる奴だ、初対面で。

そこに惹かれたんだけどなぁ、これも弱みってもんか。


(さて話を戻しますと、ボス戦をするには中ボスを見つけて倒さないといけないようです)

(ボスか、まぁいて当然なのか)

(雑兵が多く配置されているのは気を逸らすため。木は森の中に隠すというように、これらを倒しても得られる得点は1点)

(ならゲームクリアまでいくら稼げばいいんだ?)

(いえ、これは集めても特に意味のないポイントです。例えるならクリボーを倒したとでも言いましょう)


あぁ理解したわ、右上の三桁の時間制限の下にあるあれだ。

確かに集めても意味ないな、コインじゃねぇんだ。


あとコイツ敬語外れねぇな、役に入りきってる。


(ちなみに時間制限もありますね。わざわざ回りくどくエマを襲うんですから何か企んでいるでしょうし)

(そこまで分かっているならどうすればいい? ボスにはどうすれば辿り着く?)

(敵の通信網を乗っ取ります。通信は組織の下っ端からでも奪えますからね)


マジで戦争してるみたいだな…いや、戦争か。なら得意分野だ、ラッキー。


(純正ワールズアコード構成員の位置を特定しました。場所は西側二棟一階女子トイレ、入り口から四つ目の個室です)


………さて、個室に監視カメラがあるのだろうか?

流石メノンでは済まされない、第二騎士団のお世話になる可能性もある。

あるとしたら先輩を盗撮、だが二棟は一年教室しかない。


(ねぇねぇ、メノンちゃんはどうやってトイレの中まで見てるの?盗撮はダメだよ!)

(い、いえいえ違います先輩! 私は先輩にしか興味はありませんし、今回発見できたのは元ワールズアコードの捕虜を確保できたからです!)

(ヨシっ!それならいいね☆)


いいのだろうか…まぁいいか。


(なら私とレイサ先輩がそこに向かう、それでいいか?)

(はい、あと各地点にCATがいるので使ってください。これが失敗すると何されるかは私にも分かりません、全霊でお願いします)

(マカロン!!本気で行っちゃうよー!!)


ここまでキャリーされてんのに失敗したら恥だな。

『銃人十色』起動。激鉄を起こせ。

「カイリにはこれを渡しておくね」

「よくこんなもん手に入れたな」

「ゲーム化されたら必殺技これになるんじゃないカイリ?」

「なる以前にゲーム化されねぇだろ」

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